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「」に対する検索結果が134件見つかりました

  • 『仮想世界』作者:Evo-S

    〔登場人物〕 ・崖中知美(がけなかともみ)…女。今作の語り手である。 ・梁間時雨(はりましぐれ)…女。ネーテル名義でコスプレイヤーとして活動。 ・畑中祐樹(はたなかゆうき)…男。しがない若者で、カメラマン活動をしている。 ・畑中雅文(はたなかまさふみ)…男。祐樹の父で、イベントスタッフの1人。 ・榎又真由(えのまたまゆ)…女。あゆみん名義でコスプレ活動をしている。時雨とは知り合いである。 ・中里拓海(なかさとたくみ)…男。カメラマンをしている。バリスタ名義。 (※N表記ある時は、ナレーションを指してます。) 〔始める前に〕 この作品を、仲良くさせていただいているコスプレイヤー様と以前台本の利用オファーを送っていただいた読み手様に捧げる。 〔注意事項〕 ・米印はト書きです。読まないでください。 ・カッコ内は読んでください。 ・この作品は男性3人女性3人の、合計6人による声劇です。 ・この作品はフィクションです。 〔STORY〕 知美(N):これは、今年の夏に私が経験した思い出です。生まれて初めての経験で非常に印象深かったのでここに記(しる)そうと思います。 そう。あれは、たまたま出張の休みで訪れたとある商業施設でのお話。 (※セミの鳴き声と雑踏が聞こえてくる。) 拓海:あゆみ~ん! そうそう!そのポーズ、決まってるねぇ~!! (※カメラのシャッター音が聞こえてくる) 真由:バリスタさん、本当にお褒め上手なんですから。そんなに褒めても何も出ませんよ? 拓海:実際に似合っているからべた褒めなんですよ!お世辞抜きで! 真由:そこまで喜んでいただけて、私としても嬉しいです♪ 拓海:今日はこれでもう満足かな♪このまま帰宅しても問題ないからねw 真由:まだイベントは始まったばかりですよ♪もう少しいましょ? 拓海:言わずもがな!! 真由・拓海:アハハハwww 知美(N):その日、たまたま訪れた会場でコスプレイベントをしていたそうです。周囲の話を聞く限りでは、今回のイベントが世界的なイベントのようで世界各国からかなり大手の方々が集まっているようでした。 祐樹:あ、あの…。 時雨:はい。 祐樹:撮影させていただいてもよろしいでしょうか? 時雨:はい!喜んで!! 知美:たまたま私のいる近くで撮影が行われるようだったので、少し観察してみることにしました。 祐樹:(このキャラなら、歌っているようなシーンの方が似合うかもな。マイクも持っているようだし。) では、マイクを持って片方の腕を伸ばす感じで。 時雨:こうですか? 祐樹:そうですそうです! お!顔を少し傾ける感じも似合ってますよ!カッコいいです! それで、…。 あ!“キュンです♡” 時雨:“君のハートに、キュンだよ♡” 祐樹:“いただきました!!!” ゴチになります! 知美:へぇ~、このような感じで撮影をするんだ。カメラマンさんも機材にかなり力を入れているようだし。今目の前のカメラマンさんもカメラ高そうだし。 祐樹:最後に、とっておきのポーズを! 時雨:また、撮影をしてくれるかな?(※キリっ) 知美:(生で撮影をしたいです~♡ 私に向けてウインクしないで~♡) 祐樹:ありがとうございました。 時雨:こちらこそです。 そうだ!ツイッターでフォローしませんか? 時雨:しますします。私がコード読み込みますね。 知美:(へぇ~。このようにして連絡先交換をするんだ。) 時雨:あと、塩タブレットどうぞ。この後も頑張ってください! 祐樹:ありがとうございます。私からも、タブレットとクッキーを。 時雨:えぇ?!そんなに豪華なもの…。 祐樹:ささやかではありますが、私からの気持ちです。 時雨:確かに、受け取りました。 知美(N):この後、2人は別れて行動を再開しました。 たった一瞬の物語。別世界に居られる瞬間である。 拓海:すみませ~ん! 時雨:はい。 拓海:撮影、よろしいでしょうか? 時雨:はい! どこで撮りますか? 雅文(N):コスプレは、何もハロウィンの時だけにすることではありません。やりたい時にやればいい。好きなアニメやゲームのキャラクターに扮することは別に悪いことではないですから。いつもの自分ではない、全く別の自分。完全にそのキャラと同一化するのは不可能でも、少しでも近づけることならできる。被写体になっている方々は日々の研究でより近づける努力をしています。メイクによるものが大概ですが、同じキャラでも衣装によって雰囲気は異なります。 知美(N):今日・明日と連休の私は、先ほどの撮影シーンを自分でも味わいたく、近くのスタッフにどうすればよいかの情報を聞き、すぐさまコンビニでチケットを購入。明日の分も購入してしまいました。 雅文:はい。使用するカメラに関してはレフカメラなりデジカメなりスマホなり何でも構いません。ただし、カメラマンの参加証である青色のタグを一見してすぐに視界に入るようにしていただくようご協力をお願い致します。 知美(N):たまたま出張の時に使うデジカメを持っていた私。スタッフのアドバイスで急いでイベント用に追加のメモリーカードを購入。バッテリーも満タン! 知美:あ、あの…。 真由:はい。 知美:私、こういうイベントに初参加なんです。 …撮影、よろしいですか? 真由:はい!ここだと暑いので少し陰になっているところで。 時雨:あ、あゆみん! 真由:ネ~テル~! (※銀河鉄道999で鉄郎がメーテルを叫んで言う感じ) 知美:お2人はお知り合いなのですか? 真由:えぇ。 時雨:彼女はあゆみんって言うんだけど、どのコスプレもピカイチばかり。 今回のキャラは、十八番ってわけだね?! 真由:そうね。今回は原点回帰の意も込めて十八番キャラで勝負ってわけ。 よかったら、一緒にどう?このカメラマンさん、イベント自体が生まれて初めての参加みたいなの。 時雨:OK♪ 私のことは、ネーテルさんとでも呼んでね。 知美:ポーズは…。 時雨:ここは、私たちに任せて♪ ポーズを色々していくから、撮っていってね♡ 真由:今! 知美:はい! 真由:そこ! 知美:はい!(焦) 時雨:焦らなくていいよ。ブレないように気をつければいいから。 知美:こ、こうかなぁ…?? 一回見てもらってもいいですか? 真由:どれどれ? いいじゃないですか!お上手ですよ♡ 知美:えへへ♡(照) 時雨:これ、塩タブレット。撮影のお礼です。 知美:あ、ありがとうございます。 真由:ハイチュウって、食べられるかな? 知美:はい、食べられます。 真由:はい、どうぞ♪ 知美:ありがとうございます!! 真由:撮った写真は、このスケッチブックのところに送ってね。 時雨:ツイッターやっていたら、教えてほしいな♪ 知美(N):こうして、私のコスイベデビューは終わりました。 祐樹:ただいま。 雅文:おう、おかえり。随分と遅かったじゃないか。 祐樹:拓海たちとのアフターに振り回された。 雅文:ハハハwまたかw 祐樹:明日もあるって言うのに狂ってるって…。 雅文:www 明日も早いんだろ?さっさと寝な。俺はもう寝る。 祐樹:親父、了解。おやすみ。 知美:さて、ホテルに到着。 さっきのデータを送らないと。どうやって送るんだろう? って、ん?ネーテルさんからだ。 時雨:今日は撮影ありがとう。データは、ギガファイル便を使うといいよ♪日数指定は30日がいいな♪よろしく! 知美:なるほど、そのサイトを使うのね。 時雨:お!来た来た! 真由:私にも来たわね。 “データ送信、ありがとう。せっかくだから後でアップロードするね。お楽しみに♪” 雅文:このようにしてイベント後のデータのやり取りもコスイベの醍醐味です。時間は相当かかるかもしれませんが、これもまた良き思い出となります。カメラマンも裏ではかなり苦労をしているのですよ。 知美(N):これが私のこの夏の思い出です。夏の暑さを忘れさせてくれるかのような。いいえ、夏よりもさらに熱く楽しかったです。もしかすると、今回のことをきっかけにしてコスプレ界隈に入るかもしれません。 今回のイベント参加者、そしてスタッフの皆様。お疲れ様でした。 ~完~ 【キーワード】男3人・女3人・6人

  • 『ケーキ』作者:schön Ton(シェントン)

    A・・・女 B・・・男 A「ねねね、この前作ってたケーキさ、めっちゃくちゃ美味しそうなんだけど、私の分は?」 B「は?あるわけないじゃん。あれは店用。お前用じゃないの」 A「えー、私にはないのぉー?」 B「ない」 A「うーんしっかたないなぁ。 じゃあ、代わりに……これ!食べる?」 B「何これ?」 A「へへ、パティシエの君みたいに上手には作れないけど、私もケーキ作ってみたよ?……カップケーキ……だけど(汗)」 B「いや、なんで?」 A「え?なんでって……」 B「お前いつもお菓子とか作んないじゃん。いきなりキモい。」 A「え、ちょ?!その言い方酷くない?!もう?今日がなんの日か忘れてるの?」 B「今日?……なんかあったっけ?」 A「……やっぱ忘れてる……君、仕事のしすぎだよ……誕生日でしょ!!自分のくらい覚えてて!」 B「あ、そっか、俺誕生日か」 A「まったくもう……お誕生日おめでとう!!」 B「ありがとう(笑)え、何?俺のために作ったの?超絶不器用なお前が?」 A「不器用は余計だって!!……ねね!食べてみて!プロ目線の感想教えてよ!!」 B「……本当にプロ目線の感想でいいのか??」 A「あー……うん、お手柔らかにお願いします」 B「(ケーキを口に頬張る)……うん、まぁ、お前にしてはよくできたんじゃねぇの?」 A「お?!それは美味しいってことでいいのでしょうか先生!!」 B「誰が先生だよ(苦笑)お前にしては、だって」 A「それでもいい!君から褒められるの嬉しいもん!今度は私と、一緒にケーキ、作ろうね♪」 B「ふーん?一緒に、ねぇ?スパルタで行くから覚悟しとけよ?」 A「もぉ!!すぐそういうこと言う!!楽しく作ろうよぉぉぉ!!!」 【キーワード】日常・2人・男1・女2・schön Ton・シェントン

  • Evo-Sのお願い(※非台本)著:Evo-S

    〔1. ページ作成の訳〕 皆様、初めまして。エボと申します。既に私の作品をご覧になられている方や利用していただいたことのある方は、ありがとうございます。 今回、ある種の声明文を記すことにいたしました。理由としては、私の作品をより多くの方に使用していただきたく、こちらから先に条件を提示させることで利用許可に関する云々を少しでも減らそうという訳です。当然ですが、beginning内のルールが1番です。それに付随する感じで、“私自身の作品におけるお願い”を示すものです。 〔2. 具体的な規則・お願い〕 ・演じる際は、タイトルと著者の表示をお願いします。著者名の呼び方では“エボ様(さん)”であっても構いません。 ・演じる際の言い換えやアドリブは可ですが、作品の雰囲気や内容を壊さないでください。 ・作品利用の許可はこちらから特には出しません。ご自由にお使い下さい。 もし、どのアプリでどの枠か等の情報をお伝えしていただけるのであれば幸いです。 ・もし疑問や気ににあることがありましたら、ツイッターの“ガミル(@GAMILE17)”にご一報ください。 〔3. Evo-Sの作品〕 (※2021年7月18日時点。また、一部作品では著者表示がおかしくなっているものもあります。ここに再度掲示しておくので参考までに。) ・BLACK & BLUE ・Hello cutler ・あのねの音 ・ジャックライダー ・ラブズアップ ・飴宿り ・大人に成りきれない大人達へ ※順不同

  • 『孤独な竜のおはなし』作者:Natal

    むかしむかし、とある洞窟に…1匹の孤独な竜が居りました。 その竜は、仲間に嫌われた存在でした。 その竜の鱗は、暗闇のような色をしていて、瞳は黄金に満ちた色をしていました。 黒い竜は思いました。 『この世など無くなってしまえ。』と……。 ある日の事、洞窟から1人の魔女が現れました。 魔女は言いました。 『貴方のその角を、私にくださいませんか?』 黒い竜は、どうせ自分を殺す為の口実だと思い、口を開きませんでした。 その後も魔女は、何度も何度も黒い竜の所に来ては、『角をくださいませんか?』と問いました。 痺れを切らした黒い竜は、魔女にこう言いました。 『分かった。そんなに欲しいならくれてやろう。その代わり…』 魔女は黒い竜の条件を飲む事にしました。 それからというもの、魔女は寝る間も惜しみながら【ある薬】を 作っては、黒い竜に飲ませました。 黒い竜も、魔女の様子を観察しながらも…餌を分け与えなどをしました。 黒い竜は、少しながらも寂しい思いは無くなっていきました。 そして、ある朝梅雨が晴れた頃。 魔女は目を覚ましました。目の前には知らない人物が立っていました。 黒髪の長髪に、吸い込まれるような黄金の瞳……。 魔女は最初は警戒をしましたが、ある所を見てはっとします。 それは鋭くも黒く光り輝く角でした。 魔女は、問います。 『もしかして、貴方は…あの黒い竜ですか?』 黒髪の長髪の男は答えました。 『そうだ。お前が昨夜に飲ませた薬で…私は人間になれた。』 魔女の薬は、成功したのだ。 黒髪の長髪の男は自分の角を渡し言いました。 『これがお前が望んでいた物だ。受け取るといい。』 魔女は、それを受け取るとその場から去っていきました。 …黒い竜だった男は、また孤独になりました。 その後どうなったかは、だれにも分かりません。 end 【キーワード】ファンタジー・1人・不問・Natal

  • 『飴宿り(あまやどり)』作者:Evo-S

    〔登場人物〕 ・宮本寛太(みやもとかんた):♂。駄菓子屋“甘太郎(かんたろう)”における、後の5代目店長。現在高校2年生。 ・宮本武(みやもとたけし):♂。寛太の父。 ・宮本絹代(みやもときぬよ):♀。寛太の母であり、4代目店長。 ・岡野萌美(おかのもえみ):♀。寛太と同級生で後の彼の妻。 ・落合妙(おちあいたえ):♀。岡野の友人。 ・女の子①:♀。8歳頃。 ・女の子②:♀。8歳頃。 ・おじさん:♂。40歳代半ば。 ・ナレーター(N表記):♂。 〔注意事項〕 ・米印はト書きです。読まないでください。 ・カッコ内は読んでください。 ・この作品は男性3人女性3人の、合計6人による声劇です。 ・“女の子①”と“妙”、“女の子②”と“絹代”、“おじさん”と“武”はそれぞれで兼任をお願いします。 ・このお話はフィクションです。 〔STORY〕 N:皆さんは突然の降雨で混乱し、近くの店で雨宿りをしたという経験がおありであろうか?1人で嘆く者、友達とワイワイたのしむ者、冷静に状況把握をする者、色々だ。 これは、そんな1シーンがきっかけで始まった恋物語である。 (※雨が降っています) 寛太:ウソだろ?こんな時に雨降るんじゃねェよ…。雨降る予想なんて無かったじゃん。 雨宿り雨宿り…。 …あ、母さんのところだ!少しだけ雨宿りさせてもらおうっと。 (課題をやる時間が少しは減るけど、致し方なしってことで。) 萌美:こんな時に雨なんて降らないでよ。家までもう少しだって言うのに…。 この強さじゃ帰れそうにないじゃん…。 困ったなぁ…。 N:とある日の平日、夕方5時頃。2人の高校生が雨宿り場所を探していた。 すぐに見つけたのは寛太。丁度ルート内に一家で経営している駄菓子屋があるのだ。 寛太:母さ~ん!すこし雨宿りさせてもらうよ! 絹代:寛太、おかえり。 あんた、傘持ってかなかったの? 寛太:だって降らないって予報だったじゃん。降水確率も終日0%だったわけだし。 絹代:この時期は予報になくても通り雨が起こるものなの。折り畳み傘でいいから家に帰ったら忍ばせておきなさい。 寛太:は~い。 萌美:(…あ!駄菓子屋さんだ!少し避難させてもらおうっと。) お、お邪魔します…。 絹代:あら、いらっしゃい。 萌美:雨宿りのため、少しの間お邪魔します。 あ、何かここで買っていきますので。 寛太:え?も、萌美ッ?! 萌美:え?寛太くん?! 絹代:あら?2人ともお知り合いなのかしら? 寛太:母さん。同学年だってば!昨年は同じクラスだったし。 もう忘れたの?? 絹代:あら?そうだったかしら? 店のことで手が回らないの。 萌美:改めて、初めまして。“岡野萌美”と申します、いつも寛太くんがお世話になっております。 絹代:あらあら♡ (※はたらく細胞のマクロファージさんのイメージ) うちの寛太がいつも迷惑かけてごめんなさいね。 これ、感謝の気持ちってわけじゃないけどあげるわ。 萌美:こ、これって…。 フルーツ飴の大袋。こんなにも大きなのを頂いてしまって…。 絹代:いいのよ、気にしないで。 私にできることなんてこれくらいしかないから。 寛太:母さん。 絹代:“お前は黙ってな!!(怒)” はい、傘。少し萌美さんとお話するから。 寛太:…はい。 N:しょぼんとする寛太。途方にくれながらも傘を差して家路に着く。 絹代:ごめんなさいね。こんな馬鹿息子で。 学業の方は良いらしいんですけどね。 人付き合いがどうも苦手のようで。 萌美:大丈夫です。 何でしたら、彼にはいつも助られてばかりなので。 “素敵な副学級委員”ですね♪ 絹代:アハハ。 萌美:うふふ♡ N:寛太は家に到着。父の武が夕飯の用意をしていた。 寛太:ただいま…。 (※元気がない感じで) 武:おう、おかえり。 どうした?何だか元気が無いみたいだな。 寛太:何で本人がいる目の前で俺を侮辱するかなぁ? メンタルが抉(えぐ)られる側の気持ち、知らないはずでしょ。 武:ん?何があったんだ?? 取りあえず片づけて来い。 N:寛太、重い荷物と身体を引きずりながら自分の部屋へ。 寛太:(ざけんじゃねぇよ、マジで) N:手洗いうがいを済ませ、父と食事をとる。 寛太:あのさぁ。 さっきの件。 武:おう。 寛太:丁度さ、雨宿りで母さんの店に寄ったんだよ。 そうしたらさ、同級生の萌美って女子がやってきて母さんと話をしていたんだよ。 武:それで? 寛太:母さんがさ、 “うちの馬鹿息子が大変お世話になっております。”“学業以外全くできない屑(くず)なので。” (※オバサンになりきって) とか言い出したんだよ。張本人が目の前にいるのに、だよ? 武:それはイカンなぁ。 言うとしても、大抵は本人がいない状況だな。 そりゃ凹むよな?寛太。お前は悪くはない。 寛太:何なら、聞く? 武:え?あるの?? 寛太:ほい。 武:おっし、キャッチ。 N:寛太のスマホを開く武。時間的にそれらしき音声ファイルを発見。 開いてみると、やはりお話の通りだった。一部誇張はあるが。 武:それにしても、よく録(と)れたなぁ。 寛太:ケータイの画面を消そうと思ったらカメラのスイッチが入ったんだよ。それで、動画状態で録画スタートのボタンをポケットの衝撃で入れていたみたい。 武:偶然、ってわけか。 …よし、父さんに任せろ!! N:寛太が寝た頃、武は絹代と話をしていた。 武:お前、寛太のいる目の前で悪口言ったらしいな。冗談だろうけど、本人の目の前は流石に馬鹿だろ? 絹代:それくらい別にどうだっていいじゃない。 “私には関係ないわけだし” 武:よくそんなことが言えるもんだ、言い出しっぺのくせによ。 俺たち、寛太の親なんだぞ?本人がいる目の前で他人に馬鹿野郎とか罵るのは親として失格だぞ!まさか、自覚してないとか言うんじゃないだろうなぁ! 絹代:そんなわけないじゃない。 一種の愛情表現、ってやつよ。 武:“愛情”表現?! 冗談で済む話とは思わないけどなぁ。 N:翌日、学校にて。 萌美:あ、寛太くん。おはよう。 寛太:おはよう。昨日は色々とごめんよ…。 これ、あげる。 萌美:全然。気にしてないから。 あと、これって…。 寛太:今日から発売されるミルクキャンディー。 何故か俺んところでも売るんだとさ。個数限定らしいけど。 萌美:そ、そんなぁ。 ありがとう、後で美味しくいただくね♡ N:そして、昼休み時。萌美の教室にて。 妙:もえみん。その飴、どうしたの? 萌美:あ、これ?知り合いが私にくれたの。 妙:しかもそれ、今日発売の新商品じゃん!! いいなぁ。 萌美:うふふ♡いいいでしょ? ぱくっ。 (美味しい!) N:時を同じくして、甘太郎。この日は休日だが清掃をするために出勤。本日休みでもある武も手伝いをする。 武:なあ、お前。 絹代:何? 武:最近、売り上げがよろしくないらしいな。 近所から噂で聞いているぞ。 絹代:そりゃあ…。 今の若い人に駄菓子だなんて。 武:ん! (※ベシっ!) N:武、絹代にビンタ。 絹代:あなた!!! 武:お前。この店、先祖代々から受け継いでいるんだろ?こんなことで店じまいだなんて俺は許さん。 もしやるなら、寛太に任せてみればいいんじゃないのか?始めの2、3ヶ月はお金のことをマスターするために付き添わないといけないんだろうけどさ。 絹代:まだ彼は大学に行きたいと思っているのよ? 武:なら、行かせてやればいいじゃないか。 卒業後に継がせればいい。 絹代:あなたは本職どうするの? 武:続けるだけさ。今まで通り。 代わりに、俺から問題点とその改善方法を挙げておく。それを1つずつ潰したら売り上げも回復するんじゃないのか? N:その夜。 武:はい、改善点リスト。 俺がどうこう突っ込むものじゃないんだろうけど、これだけ見つかった。 絹代:ちょ、こんなにもあるの?! 武:あぁ、そうだ。事細かにしたかったから、ざっと30。わかりやすいように、重要度別で分けておいたから。何から取りくみゃ良いのかは一目瞭然だな。 寛太:あ、この新商品うめぇや。 (※勉強中) N:それから少し経って年末前のある日の学校。 寛太:明日は模試かぁ…。 妙:か~んちゃん♪ 寛太:あ、妙さん。 妙:よ! 何か、放課後にもえみんからキミに話があるんだってさ。 寛太:もえみん? 妙:萌美のこと。 前、飴あげたんでしょ?かなり気に入っていたみたいよ。 寛太:喜んでいたのならよかった。 妙:それの御返事とかじゃないかしら? 寛太:でも、それなら放課後に呼ばなくても。 妙:何か裏がありそうね。 寛太:無きゃ困る。裏無しにこんな真似をしたら流石に泣く。 妙:そりゃそうよねぇ。 N:その日の放課後。待ち合わせ場所にて。 寛太:確か、この辺りに来てとか言っていたような…。 萌美:“遅かったよ、寛太くん。私を待たせるだなんて。” 寛太:www “俺の方が先だったけどなw” 萌美:うふふ♡ 寛太:“僕と付き合ってください!!” 萌美:(彼、勘が鋭いわね。 好きよ♡) “私こそ、よろしくお願いします♡” 寛太:(だろうと思ったぜ。異性に呼ばれてこの状況なら、大抵のパターンならこう来るはずだからな。) 今朝、妙さんから聞きましたよ?前あげたミルクキャンディー、気に入ってくださったみたいですね。 萌美:あの味、私にはドンピシャだったの。 それに、あの店のおばさんと結構気が合ってね。 寛太:なるほどね。 (わからん。女性同士の気の合う条件がマジでわからん。) N:スイーツトークで盛り上がる2人。 高校卒業後、2人は別々の大学に通うことになるも恋愛は続いた。そうして大学を卒業してから3年後、2人は無事にゴールイン。 甘太郎は武の言った通り、寛太が第5代店長として活動をしている。 女の子①:お願いします。 寛太:はい。えっと、これだけ合わせて…。 はい、200円丁度です。 女の子①:ありがとうございます。 女の子②:早くしてよ。先に公園に行っちゃうからね。 女の子①:あとちょっと待って。すぐに行くから。 女の子②:早くしてよね。 寛太:アハハ。 萌美:女の子たち、元気そうですね。 寛太:そうですね。 あんな元気、今の私にはありませんから。 萌美:うふふ♡ おじさん:あんちゃん。これ、よろしく。 寛太:はい。 お会計、555円です。 おじさん:仮面ライダーかな? 寛太:電車に乗って登場はしませんよ。 おじさん・寛太:wwwwww おじさん:あんちゃん、良く知っているねぇ。 寛太:はい。全話は見ていませんが、ちょくちょく見ていたので。 ジャストファイズも、カラオケで歌っていますし。 おじさん:なかなかやるじゃないか。 それじゃあ、頑張れよ。 寛太:はい!ありがとうございます!! N:一粒の“あめ”から始まる恋物語、これにておしまい。 ~完~ キーワード:恋愛・9人・男4・女

  • 『ラブズアップ』作者:E-vos

    〔登場人物〕 ・大樹(たいき/♂)…三人組アイドルグループ“レオネス”の1人であり、グループリーダー。渾名は“DIE(ダイ)” ・佑介(ゆうすけ/♂)…レオネスの1人。常識人で真面目。渾名は“You(ユー)” ・誠弥(せいや/♂)…レオネスの1人。渾名は“セイヤー” ・遥香(はるか/♀)…レオネスのマネージャー。大樹のことが気になっている。渾名は“HAL(ハル)”。 ・亜美奈(あみな/♀)…レオネスのライブ及びイベントのプロデューサー。 ・隆登(りゅうと/♂)…テレビキャスター。アラームテレビを担当。ツアーファイナルの密着取材で特別に同行している。 ・ナレーター(♀)…N表記 〔注意事項〕 ・米印はト書きです。読まないでください。 ・カッコ内は読んでください。 ・このお話は男性4人と女性3人の、合計7人による声劇です。 ・言い換えは可ですが、お話の設定を壊すレベルは禁止です。 〔STORY〕 N:これは、とあるアイドルグループのメンバーとそのマネージャーによる禁断の恋物語。誰しもが憧れる最高のシチュエーション…。 (※ライブ終わりで、歓声が飛び交う。) 大樹:みんな~!今日はレオネスのライブに来てくれてありがと~!!! またたっくさん盛り上がろうな~!!! 誠弥:これからも、俺たち“レオネス”の活躍から目を離すんじゃねぇぞ~!! 見過ごした奴は~? 大樹:“せ~の!” 大樹・佑介・誠弥:“グッバ~イ!!!” 佑介:気をつけて帰るんだよ~!!帰宅するまでがライブだぞ。 忘れんな!! N:この日は、レオネスのライブ当日。大盛り上がりで終わった今回。満足したようで、笑みが毀(こぼ)れる。 亜美奈:3人とも、お疲れ様。かなり盛り上がったようね。 佑介:亜美奈さんのおかげです。自分たちは特に何もしていませんから。 誠弥:そんなこと言うなよ、ユー。俺たちだってダンスの調整なりソロ曲の練習したじゃん。 何故かは知らんけど、お前のソロシーンの時だけ泣き声が聞こえてくるし。 佑介:それは仕方ないよ。バラードだし、まぁ、破局の歌だから。少なくとも、喜んで・笑顔で歌うようなものではない。 亜美奈:ユーはさ、ロックとかポップとか明るい・激しい曲はソロでは歌わないわよね。 “貴女に寄り添います”的な感じのしっとりとした曲が多い。 その逆が誠弥。静か目の曲はほぼ無いわね。激しめの曲が多いのかしら?ダンスナンバーが多いイメージよね。事実、そうなのだけど。 誠弥:元気印、という立ち位置ですからどうしてもそうなってしまうんです。 話がずれましたが、亜美奈P(ピー)に何度も救われているのは確かです。今回も。 佑介:(アイツは表に出したくないタイプみたいだな。素直ではないと言えば、そう言えるのだろうが。) N:それから20分くらいは経過しただろうか?リーダーの大樹が遅れて到着。 大樹:申し訳ございません。ただいま到着しました。 誠弥:リーダー、お疲れ。 遅かったじゃん。何してたの? 大樹:ちょっと諸事情でね。少し時間がかかったんだ。 誠弥:リーダーだから、って理由でおk? 大樹:…まぁ、そんなもんだ。 亜美奈:ダイは、人知れず努力している超真面目君なのよね。 案外、世渡り(よわたり)も上手だし。 佑介:それで、次回のライブの準備もできていますでしょうか? 亜美奈:問題ないわ。基本的にはこのセットのまま。9割は今回と同じ。残りの1割を別の物になるわ。 誠弥:ライブ担当から聞いた話によると、リーダーが重大発表をするとか言っていたけど。 生憎、俺もユーもダイの隠し事知らないんだよ。いくら尋ねてみても黙りこくるし。 佑介:仕方ないさ。1か月後の次回ライブがファイナルなんだ。そこでビッグサプライズがあってもおかしくないね。 大樹:…そ、そう!そういうことそういうこと!! (ユー、感謝!!) ということだからさ、2人は先に上がっていいよ。マネージャーからも許可貰った。 誠弥:了解。 佑介:お先に失礼します。 N:2人が帰宅。 “1組のカップル”とプロデューサーの話し合いに。 遥香:亜美奈プロデューサー、お疲れ様でした。 亜美奈:遥香さん、そちらこそお疲れ様。 次回のライブで、いよいよ発表なのね。 とりあえずは、 “ご結婚、おめでとうございます。” 大樹:プロデューサー。流石に早すぎませんか? ライブ当日に言ってほしいです。 遥香:うふふ♡それもそうですね♪ 亜美奈:とりあえず置いて。 次回のライブで婚約発表は行う。婚姻届けを既に提出したことも報告。 まさかだけど、歌を歌うとか無いわよね?! 遥香:流石にそれはしませんw 大樹:あるとすれば、遥香の顔出しかなぁ? (マネージャー、呼び捨てゴメン!!) 遥香:それは考えてはいるわ。 どこかで映る事にはなるだろうから。 亜美奈:それもそうね。 …まぁ、あくまでも“サプライズ”。あまり期待はしないように。 大樹・遥香:はい。 N:大樹・遥香夫妻の婚約発表をライブで行うというサプライズ。 実は、サプライズはこれだけではない。 亜美奈:さてと。私も帰宅しますか。 N:亜美奈が帰宅。 佑介:おかえり、あ~みん♡ 亜美奈:あなた、戻ったわ。 N:佑介と亜美奈、実は入籍をしていたのだ。他の3人はこの情報を全く知らない。 佑介:どうするんだ?サプライズは。 亜美奈:リーダーとマネージャーの婚姻発表を行うのは知っているわね。 佑介:あぁ。 亜美奈:そのついでに、私とあなたの婚姻発表も行おうかしら? ってわけ。 佑介:アリなんじゃない? 誠弥には申し訳ないけど。 亜美奈:誠弥にはMCでもしてもらいましょう。 しゃべりは上手な方だし。 佑介:それもそうだな。 N:時を同じくして、リーダー夫妻。 大樹:いよいよ公(おおやけ)での発表だな。 何か緊張するなw 遥香:そうね。こんな堂々とした発表で、尚且つ、ファンの前で。 私、何だか申し訳が立たないわ。 大樹:気にするな。あくまで夫婦になるってだけで脱退するとかそんな事じゃない。歌い手とマネージャーの関係は変わらないわけだし、メディアにも出続ける。 俺、脱退するって宣言したか? 遥香:してないわ。 大樹:だろ? そういうことだ。余計な心配はしなくていい。 遥香:えぇ。 N:それから1週間後、とあるTV曲から、ツアーファイナルの密着取材をしたいとの電話が亜美奈の許(もと)に飛び込んだ。 亜美奈:はい、亜美奈です。 隆登:はじめまして。私、アラームテレビのキャスターをしている隆登と申します。 亜美奈:はい、はじめまして。そちらの番組、拝見いたしております。 隆登:ありがとうございます。 今回ですが、レオネスさんのツアーファイナルの密着取材をさせて頂きたくオファーをさせて頂きました。 もしかすると、他局や同局の別番組からオファーを受けているかもしれませんが、どうかご検討のほど、よろしくお願いいたします。 亜美奈:はい、かしこまりました。マネージャーと相談したうえで折り返しご連絡いたします。 隆登:ありがとうございます。お願い致します。 N:それから1週間も経たないある日。ダンス練習を終えたメンバーとマネージャーの許を尋ねた亜美奈。 亜美奈:みんな、ちょっと集合。 リーダー:あ、プロデューサー。 遥香:何か御用でしょうか? 亜美奈:ライブの件で1つお願いがあるの。 アラームテレビがこのライブの密着取材をしたいらしいんだけど、どうかしら? 誠弥:え?マジ?! 直接のお声がけ?! 亜美奈:そうみたいよ。 佑介:独占取材、という形であれば私はOKです。他の番組が介入したら、その件は無し。 誠弥:おいおい。 そこはさ、嘘をついてでもいいから“お断りなのです”とか言ってスルーすればいいんじゃない?“お断り”とはいかないまでも、スルーすればいいと思うよ? リーダーはどうなの? 大樹:俺は良いと思うよ? カメラ慣れにももってこいだろうし、お近づきになれるチャンスだと思えば。 遥香:それもそうですね。 あまりメディア向けの活動をしていませんでしたし。上手くいけば、その番組のテーマソングも担当させて頂けるかも? 佑介:その可能性は否定しない。 大樹:ということで、満場一致だな。 佑介:あぁ。 誠弥:うん。 遥香:えぇ。 大樹:プロデューサー。後はお願いします。 N:許可が下りたところで、ライブの同行が決定。 亜美奈:ライブ当日の5日前くらいに決起集会を用意してくれるみたいだから、そこではお酒は飲まないように。アフターも計画していただけるみたいだから、そこではOK。 迷惑をかけないように。 N:ライブ当日5日前。決起集会。 隆登:今回は、ツアーファイナルを迎えるレオネスの皆さんの密着取材が出来るとのことで、少々早めの決起集会も兼ねて食事会の開催でございます。 レオネスの皆さん!どうぞ! 大樹:皆さん、初めまして! 大樹・佑介・誠弥:“シーガルソングライター、レオネスです!!!” 隆登:お願いします! 大樹・佑介・誠弥:お願いします。 隆登:簡単に自己紹介を。 大樹:リーダーの大樹です。“ダイ”と呼んでください! 佑介:佑介です。“ユー”と呼ばれています。 誠弥:“セイヤー!”って呼ばれています。誠弥です。 N:場所を移して、決起集会の始まり。 大樹:では、ライブの成功を願って。 “乾杯!” 佑介・誠弥・隆登:“乾杯!” N:食事が進み、レオネスとは何かという話題に。 隆登:かなり素朴な疑問なのですが、グループ名の由来を教えていただけませんか? 佑介:由来は、とある野球選手の名前から頂いています。というのも、元々3人とも好きな野球チームが同じなのです。そこでカッコいいと思った選手の名前にそれが含まれていたので使用させていただいたという訳です。 隆登:だから、“シーガル”ソングライターと。 佑介:仰る通りです。 隆登:結成のきっかけは? 誠弥:元々、大学が同じで学部も同じ。カラオケ好きというのもあって、それなら自分たちでユニットを結成しちゃおうということです。その場のノリと勢いですねw リーダー決めに関しては、大樹が楽器を弾けるという理由で即決です。 隆登:結構あっさりしていますね。 大樹:私たち自身が、どうしてもねちっこいやり取りが嫌いなので。 決めてもいいけど、ある程度納得できる理由や根拠をもって提案をしてほしいという思いを持っていますね。 N:さらに話は進み、漸く(ようやく)、本題のライブの件に。 隆登:いよいよ、ライブ本番が数日後なわけですが。 今回の目玉ともいえる“重大発表”とは、如何なものなのでしょうか? 大樹:誤解を招く前に、これではないということだけお伝えしますね。 “解散や脱退の発表ではありません” 誠弥:重大発表ってなると、悲観的なことを思ってしまうファンが少なくないんだよね。どうしても。 そりゃあ、悲しい報告だったらライブをしている時もかなり苦しい思いをしますよ? 佑介:最後のライブだから気を引き締めていこう、という気は起こるのでしょうが。 如何せん、もう後がないと思うと寂しくはなりますよね。他のグループやユニットがどんな感じかはわかりませんよ? でも、そんな思いは持っているんじゃないかなぁと思いますね。 隆登:確かに。 心なしか、何だか寂しげに。 佑介:そういうことです。 大樹:発表は本番までのお楽しみです。 でも、この企画で少しでも我々の事を知っていただけたら幸いです。 誠弥:あまりメディア出演無かったもんね。 いつかはこんな感じの取材は有るだろうとは思っていたけど、このタイミングとはね。 大樹:突然だったもんね。そりゃあ少しは驚くよ。 N:気が付けば、お開きの時間に。メンバー一人一人からのメッセージである。 隆登:では、最後にメンバーから一言ずつファンの方・TVの皆さんにお願い致します。 佑介:ライブ当日にお会いする方は、是非とも一緒に楽しみましょう。行かない方・行けない方は後日談を楽しんでもらいつつ、当日の密着取材の様子を楽しんでいただけたらなと思います。 誠弥:重大発表ばかりが独り歩きしているようだけど、私たちは“歌い手”ですからね! パフォーマンスを楽しんだうえで、それを心待ちにしてほしいと思っております。 大樹:初めてのTV出演がこんな最高なスタートだとは思いませんでしたwアラームテレビの皆さん、ありがとうございます。 ファンの皆さん、TVをご覧の皆さん。ライブ、お楽しみにしていてください!! 隆登:レオネスの皆さんでした。 ありがとうございました。 大樹・佑介・誠弥:“ありがとうございました!” N:2組の夫婦が誕生するサプライズを引っ提げて迎えるライブのツアーファイナル当日。レポーターの隆登はメンバーと共にバスの中。 隆登:皆さん、おはようございます。 大樹・佑介・誠弥:“おはようございます” 隆登:いよいよですが、意気込みを。 大樹:いつも通りのことをするだけです。特に何も気にしていません。 佑介:さっき窓から様子を伺いましたが、これだけたくさん集まっていただけるのは本当に嬉しい限りです。 誠弥:ただ、気になるとしたら、TV局の人がやけに多い気がしますね。 リーダー。メディアの数って、過去のライブでもこんなにいたっけ? 大樹:いいや?全然だぞ。今回が異常なくらい。 誠弥:だよね。 N:サプライズ予告をしているだけあって、メディアの数がやけに多い。 そこもかしこもカメラとレポーターだらけ。 亜美奈:皆。そして、隆登さん。おはようございます。 大樹・佑介・誠弥:“おはようございます。” 隆登:おはようございます。お邪魔いたします。 亜美奈:今回のサプライズ発表の件についてだけど。 発表のタイミングはライブの後半にするわ。そして、その時からMCを隆登さんにお任せするわ。 隆登:え?!私でよろしいのですか??!!! 亜美奈:本当は誠弥にする予定でしたが、せっかくだと思ってお願いすることにしました。 隆登:かしこまりました。 N:TV側もOKを出したようだ。笑顔でいる。 遥香:(いよいよ、発表なのね…。) N:本番数分前。舞台裏にて気合いの円陣。 大樹:みんな!そして、“隆登さん”! 隆登:はい! 大樹:今回はあなたもチームの一員です。 MC、頼みましたよ! 隆登:“お願いします!” (※できる限り大声で、実際に気合を入れる感じで) 大樹:“絶対成功させるぞ~!!” 大樹・佑介・誠弥・隆登・亜美奈・遥香:“オオオーーー!!!” N:ツアーファイナル、幕開けである。 大樹:みんなァ~~!!お待たせ!!! 佑介:ツアーファイナル!盛り上がっていくぞ~~!! 誠弥:さぁ手拍子だ! ハイ!ハイ!ハイ!ハイ! N:オープニングからアクセル全開のレオネス。完全燃焼をする気である。 隆登:(こ、これがレオネスのライブ…。素直に楽しそう…。) N:セトリを順調にこなしていくメンバー。 ライブ中盤、お待ちかねのトークタイムである。 誠弥:さて、トークタイムなんだけど。今回は、とあるゲストに進行をしていただこうと思います。どうぞ! 隆登:皆様、はじめまして!アラームテレビに出演しております、キャスターの藤井隆登(ふじいりゅうと)と申します。よろしくお願いいたします! N:ファンの方が温かく迎え入れてくれた。 隆登:レオネスのファンの方が本当にやさしくて泣いちゃいそうです。 大樹:泣くの早くないですか? ねぇ?皆さん?? N:観客は黄色い歓声をあげて盛り上げる。 隆登:かなり心にジーンと来ちゃって。実は、こういったライブの司会も初めてで。 誠弥:嘘でしょ?! 隆登:殆どがニュースの読み上げ、事件や事故の現場からリポートするばかりで。エンタメ系はあまり触れてないのです。 佑介:それは緊張の1つや2つありますよね。 隆登:素直な反応ですw …ま、それはおいて置き。そろそろ、重大発表と行きましょうか! 皆さんも、それをお待ちでしょうし。 “ですよね?皆さん!!” N:歓声が上がる。待ちきれないようだ。 大樹:では、私の方から発表いたします。 “私、角谷大樹(すみやたいき)。先月の頭をもって、入籍いたしましたことをご報告いたします!! 報告がかなり遅れてしまったこと、大変申し訳ございませんでした!!” 佑介・誠弥・隆登:“えええええええ????!!!!” N:ファンの方もあちこちで驚きの声が上がる。 大樹:お相手ですが、このレオネスのマネージャである“西森遥香(にしもりはるか)”です。 “遥香!ちょっと来てくれ!!” N:マネージャーの登場。かなりの美人である。 遥香:“皆さん、初めまして。西森遥香と申します。 ファンの方には大変申し訳ございませんが、この度、リーダーの大樹様とゴールインいたしました。” 誠弥:とりあえずさ、アレだけ言っておこうぜ? 佑介:だな。 誠弥:“遥香さん、リーダー!” 佑介:“せーの!” 佑介・誠弥・隆登:“ご結婚おめでとうございます!!!” 大樹:ありがとう!! 遥香:ありがとうございます!! 佑介:実は…。 大樹:? 隆登:佑介さん、如何なさいましたか? 佑介:“実は私もゴールインいたしましたァ~~!!!” 大樹・誠弥・隆登・遥香:“えええええええ????!!!!” N:ファンはさらに驚愕してしまった。 それもそのはずである。2組の夫婦の誕生の報告が一気に報告されたのだから。 隆登:佑介さん。お相手を紹介していただけませんか? 佑介:勿論です。 “お~い、こっちに来てくれ~。” N:現れたのは、プロデューサーの亜美奈。 亜美奈:皆さん、初めまして。レオネスのプロデューサーである亜美奈と申します。 佑介:改めて。 “私、久地佑介(くちゆうすけ)は岩本亜美奈(いわもとあみな)様と入籍したことをここに報告いたします。” 亜美奈:また、私には佑介さんとの子を身篭っていることを併せて報告いたします。 隆登:これは凄いことになりましたよ!!! まさかのおめでたいニュース3連発!!! 誠弥:う、うそでしょ…。 隆登:これは誠弥さんも拍子抜け(ひょうしぬけ)をしている! 誠弥:そりゃそうでしょ?! 大樹:確かに2組、籍を入れました。 でも、レオネスが解散することはございません。もしかすると、活動をやや控えめにするかもしれませんが、これからも活動は続けていきますし、この後は再来週に発売する新曲をライブで初披露します。 佑介:禁断の恋愛であるということは大樹さんに私と重々承知いたしております。だからと言ってこれで活動を終了することはありません、 “パパさんアイドル”を目指して活動するだけです。 隆登:私の伺った情報によると、誠弥さんも籍を入れたとか? 誠弥:そこで言うんかい!もう少し経ってから報告したかったのに!! “あぁ、そうだよ。昨日、リハ前に届けを出したよ。” 隆登:合っていましたか。 誠弥:お相手に関しては、高校時代の同級生とだけ言っておくよ。 本人のことも尊重してね。 隆登:ということで、今からは“パパさんアイドル”ってことですね! 大樹:そうなりますねw 佑介:ちょっとやりづらいなぁ。 (ちょっとどころじゃないけどw) 誠弥:そんな酷いこと言うなよ。 せっかくファンの前にいるんだぜ?弱音はダメだろ。 大樹:そうだぞ、ユー。 “パパさん♪ファ~イト♪” 隆登:www 佑介:はいよ、やるから安心しろ。 誠弥:(そうこなくっちゃ!) 隆登:では、新曲の用意をお願い致します! N:ドキドキの重大発表も無事に終わりライブ再開。 幸いなことに、ライブ後も目立った混乱は起きなかった。 隆登:どうやら、用意が整ったようです。 ではお聴きください。 “ステインゲート” 佑介:皆、今日は本当にありがとう!! 驚かせてゴメンよ!! 誠弥:これからも、レオネスと俺たちをよろしくね!! それと、 “隆登さん!MCありがと~!!!” 大樹:“最後まで!燃え尽きるまで!俺たちと燥ぎ(はしゃぎ)まくるぞ~!!!!” N:ライブが終わって数日後、打ち上げとなった。 何故遅れたのかは明白である。MCまでもが燃え尽きたのだ。 隆登:今回はメンバーとその奥さんの5人でオフ会でございます。 改めて、皆様、お疲れ様でした。 大樹・佑介・誠弥・遥香・亜美奈:“お疲れ様でした。” 隆登:乾杯の音頭を、“遥香さん”お願い致します。 遥香:皆さん、改めてライブお疲れ様でした。おめでたいニュースもありました。 今後の皆さんの幸せと発展も願って。 “乾杯♪” 大樹・佑介・誠弥・隆登・亜美奈:“乾杯♪” 隆登:今回は、メンバーの御三方の馴れ初め話を伺おうと思います。 リーダーから、お願い致します。 大樹:馴れ初めと言っても、前からよく連絡は取り合っていたのでそれの延長線みたいなものですね。気づいたら惹(ひ)かれ合っていたって感じですね。 遥香:そうですね。連絡を取り合って、たまに2人で食事をしながら直接話し合って。 そんなことをしているうちに、素敵な人だなって思っちゃいました♡ 佑介:それを言えばこちらも同じようなものですね。 亜美奈:そうですわね。 隆登:佑介さん、お願い致します 佑介:私の場合も、プロデューサーと連絡を取り合っていくうちにいつの間にか惹かれ合って今に至りますね。 亜美奈:佑介さんの場合は、勉強熱心なところに目が行きましたね。 活動の合間を縫ってはボイストレーニングに通っているみたいなのです。 ストイックですよね。 佑介:自分、少し歌が苦手なのでそれの克服も兼ねてお忍びで。 誠弥:え?歌、そんなに下手だっけ?? 歌もいいし踊りもいいと思うよ? 大樹:同感だ。 でも、こうやってさらに高みを目指す姿は俺たちも見習わないとな。 亜美奈:一番気になる馴れ初め話って、誠弥さんなんですよね。 遥香:確かに、その通りね。 隆登:私は、たまたま高校の取材で誠弥さんの母校を訪れたことがありまして、そこの外国語担当の教員からそのようなお話を頂きました。 誠弥:wwww アイツしかいない…wwww 大樹:どういうこった? 誠弥:あのね? N:ここから、誠弥の馴れ初めエピソードが始まる。 誠弥:元々、大学で外国語志望をしていたんだよ。それでね?それが苦手な女子がいたんだ。その子が俺の妻なんだけどさ。 かなり苦手だったみたいでさ。高校入試も外国語はかなり危なかったみたいで。 それで、俺から教えに行ったんだよ。先生の説明も理解に苦しんでいたようだったし。そうしたら、めきめき出来るようになって、考査では安定した高得点を出せるようになってさ。確か、2回くらい満点とっていたな。 遥香:すごいですね! 誠弥:その後、大学はバラバラになっちゃったけど連絡は取り続けていたし、デートも何度か行った。 それで、そのライブ前日が妻の誕生日でさ。 “一緒に暮らそう”って話をしてきたからOK出して今に至るってわけ。 亜美奈:ってことは、誠弥は教員免許持っているの? 誠弥:持ってますよ。小学校・中学校・高等学校のどれでも外国語教員として働けます。免許更新は大変ですけどねw 隆登:かなりのインテリだった…。 誠弥:いえいえ。それほどはないですよ? 大樹:すごいなぁ、本当に。 N:楽しい時間もあっという間。お開きに。 隆登:では、三本締めで締めましょう。 “亜美奈さん”お願い致します。 亜美奈:また通常の活動に戻りますが、ライブを無事に終えることが出来たことに感謝を。そして、今後も活躍できますように。 皆様、お手を拝借。 “よ~!” (※亜美奈の音頭による、皆で三本締め) 隆登:ありがとうございました!!! N:アイドルによる禁断の恋愛物語、お開きであります。 【キーワード】恋愛・7人・男4・女3

  • 『彼氏いない歴=年齢ですが何か問題でも?』作者:のどか

    登場人物 かなこ(女)大学生 ゆみ(女)大学生、かなこの友達 店員(男) オタクの朝は早い。といっても、「大事な用事」がある時だけだけど。 か:あちっ!はあ、やっぱヘアアイロンの練習しとくべきだったかな…ここなら髪下ろしてれば見えないか…? 普段は適当に髪を結ぶだけの私が、不慣れな道具で、やけどしてもなおヘアセットを続ける理由なんて、言うまでもない。 か:ライブ楽しみだなあ…しかも今回なんと2列目!ひゃーやばばば!!目合っちゃうかも!あちっ!…ああもうまた!…落ち着くのよかなこ、せめて髪巻き終わるまでは…ってそんなの無理~~!!楽しみすぎて落ち着くなんて絶対無理~~!! か:私、かなこ!勉強にバイトに推し活に、楽しい学生生活を満喫してる女子大生!え?恋愛はどうしたって?う…よく聞いてたね…。じ、実は…彼氏とか、今までいた事ない…。っ何よ、問題ある!?…まあ、気にしてないわけじゃないけどさ、気づいたら成人までこのまま来ちゃったのよねー…。ご覧の通り、推しを追っかけてるのがすっごく楽しくてさー!今日もこうしてライブに参戦して思いっきり推し活してるってわけ! アイシャドウはライブ参戦用に買った推しカラーのこれを… (用意できれば着信音) お?ゆみから着信だ。 か:もしもし、ゆみ?どったの? ゆ:おはよ~。今日は待ちに待ったライブ当日でっせ、かなこ殿~ww か:ゆみこそ、ちゃんと練れた~?ww ゆ:いや小学生かて。…いや、ちょっと夜更かししちゃったw か:まじかwwしゃーなし、移動中寝ていいよ? ゆ:大丈夫大丈夫、寝不足ではないからww か:さすがゆみww ゆ:じゃあ、10時に駅集合ね! か:おけおけ!後でね~。 (用意できれば通話を切る音) か:さて!支度の続きをしますか! ~ライブ終了後~ か:あ~~楽しかった! ゆ:ね、あのアンコールの選曲はずるいわ。 か:それな!あ~余韻!サイコ~! ゆ:じゃあ時間も時間だし、たっぷり語りながらご飯にする? か:する!この辺どんなお店あるかな?検索検索っと。 ゆ:うーん、あ、ここは?評価も悪くないし、すぐそこみたいだよ。 か:いいね、おいしそう! ゆ:じゃあ決まり! ~入店~ 店員:いらっしゃいませ。何名様ですか? ゆ:二人です。 店:空いてるお席にどうぞ。 か:ねね、あの店員さん、イケメンじゃない? ゆ:あー確かに…かなこの推しに似てるかも、なんだっけ?かなこがやってるゲームの… か:とも君?あー…言われてみれば…いや!とも君の方がかっこいい! ゆ:はは、そうですか。…って言いつつ結構目で追っちゃってるじゃん? か:いや別に!そんなこと! ゆ:ふーん?…注文決めた? か:あ、うん! ゆ:じゃあボタン押すね。 店:ご注文お伺いいたします。 ゆ:私これで。 か:私はこっちで。 店:かしこまりました。あの… ゆ:はい… 店:今日ってもしかしてライブだったんですか?同じTシャツを着た人がたくさんいらっしゃってて… ゆ:あ、そうなんです。7colors(セブンカラーズ)っていうアイドルなんですけど… 店:そうだったんですか!実はそのグループちょっと気になってて、何か見てみたいと思うんですけど…おすすめとかあります? ゆ:そうですね…この間出たオールタイムアルバムは今までの曲が新しいのも古いのもバランスよく入ってるので、聞きやすいんじゃないですかね? 店:そうなんですね。参考になります!では失礼いたします。 ゆ:…ねえちょっと? か:…へ⁉何⁉ ゆ:いや…何じゃないよ、なんで一言もしゃべらないのよ?せっかく話すチャンスだったのに。 か:えぇ~、あんな好みドストライクのイケメン前にして普通にしゃべれるわけないじゃ~ん。 ゆ:はは、ドストライクって認めたわこの子。 か:負けました。 ゆ:どうする?連絡先聞く? か:えぇ⁉なんでそうなるの⁉ ゆ:だって、次ここに来るのいつかわからないじゃない。気になるなら何かしら声はかけとくべきだと思うけどね~? か:ゆみならできるだろうね。彼氏いたし、学校でも男子と話すの余裕っていうか? ゆ:まあそれは認めるけど…かなこも男に慣れとくべきだと思うよ?あなた。今年いくつになるんだっけぇ? か:うぅ、意地悪な…今度21だよ… ゆ:でしょ?学生のうちに一人くらいは経験しとけってうちの先輩も言ってたし、ほら! か:うぅ~~。…いや、やっぱいいよ。 ゆ:えぇ~。 か:だって、あの店員さんも私の「推し」なんだもん!推しとは付き合えないよ! ゆ:ははは、なるほどね。そりゃ無理だ! か:そう!だからこうして遠くから見てるだけで十分…ふふふっ ゆ:結局今の私らには恋人より推し、だね! か:うん!じゃあこれからのうちらの推し活に乾杯! ゆ:はは、まだお水しかもらってないけど、乾杯! か:私達がリアルでちゃんと恋愛をし始めるのが何年先になるかまだわからないけど、今は目の前にいる推しを全力で推そうと思う!だって、推ししか勝たん、だもんね! 【キーワード】日常・3人・男1・女2

  • 『ぬいぐるみ』作者:のどか

    女性1人台本 「ぬいぐるみは、持ち主の愛情を吸い取ってしまうから恋愛が上手くいかないかも!」 …なんて事を、昔テレビで見たような。 今年29歳、世にいう「結婚適齢期」ってやつに差し掛かったようで、友人たちから「結婚しました」「出産しました」というおめでたいニュースが波のように押し寄せてくるようになった。 もちろんおめでたい事なんだけど、ふとした瞬間、自分にそのような話が全くないことに焦りを覚える。 いや、それ以前の問題で浮いた話すらないんだけど。 大学を卒業した後、今の会社に入社し、必死に働いてきた。憧れの業種で、彼氏なんていなくても毎日楽しかった。 新人の頃、同期と女子会で泊まりがけの旅行に行った時に、水族館で一目惚れしたアザラシの特大ぬいぐるみを、抱き枕のようにして大切にしている。 抱きついて眠りにつくのが毎日の癒しで、仕事上の多少のストレスはこの子が全部吸い取ってくれてた。 もし、恋愛が上手くいかないのがこの子に愛情を吸い取られてるせいだとしたら…? 思い切って捨ててみ…いや、それは出来ないな。 うちに来て6年くらい経ってるのかな、それは愛着もわくでしょうね。 恋愛はしばらくご無沙汰だったおかげで、今更1から恋愛するのもおっくうになってしまったし、いっそこのまま独りなら、他人に流されて湧き上がるこの寂しさまで吸い取ってよ。 私の愛情も愚痴も全てそのもふもふな綿の間に吸い込んだあなたなら、出来るでしょ? 【キーワード】恋愛・1人・女1人・女1

  • 『Hello cutler(ハロー=カトラー)』作者:Evo-s

    〔登場人物〕 ・イクヒロ(♂)…刃物男で神出鬼没。住居の中でも現れる。 ・キリコ(♀)…専業主婦。 ・リン(♀)…ニュースに出てくる伊田凛のこと。イクヒロにより刺殺される。 ・ヒロヤ(♂)…トラオとメグミの2人が所属する警察署のアナウンス担当。 ・チヒロ(♀)…スポーツ報告というスポーツ紙の会社のスタッフ。 ・トラオ(♂)…警察官。メグミの先輩。 ・メグミ(♀)…警察官。トラオの後輩。 ・トモアキ(♂)…ニュースキャスター。 ・アイ(♀)…今井藍のこと。イクヒロとの不倫相手の1人。 ・エミ(♀)…警察官。 ・アスカ(♀):河野明日香のことで、イクヒロと不倫した1人。 ・ナレーター(N表記/♂) 〔注意事項〕 ・暴力的なシーンやグロテスクなシーンを含みます。耐性のない方はご遠慮ください。 ・米印はト書きです。読まないでください。 ・カッコ内は読んでください。 ・このお話は男性4人と女性6人の、合計10人で考えている声劇です。兼任は自由なので、必要演者数が変わる可能性もあります。 (※男性はヒロヤとトモアキを兼任でお願いいたします。女性はアイ・アスカ・チヒロの中で2役の兼任を考えています。) ・このお話はフィクションです。 〔STORY〕 トモアキ:ニュースをお伝えします。今日の午後2時半頃、万幹県(まんかんけん)四家市(よんかし)にて刃物男が帰宅女性の家の襖(ふすま)に隠れているという事件が発生し、この家の住人である伊田凛(いだりん)さんが心臓を抉る(えぐる)ように刺され死亡が確認されました。 現在犯人は逃走中で警察は行方を追うと共にこの事件の調査を進めています。 イクヒロ:3度目の不倫がバレた腹いせでこんなことヤっちゃっているけどさ。 このリンって女性は、俺が二番目に不倫した相手だっけな?なかなかのヤリ手でさ。 …ま、今は故人となってしまったわけだ。この家の他の住人には申し訳が立たないけど。 N:2121年5月26日。待ち伏せしていた刃物男による殺人事件が発生。住居の信州に関しては破損部分がどこにも確認できておらず、ある意味で完全犯罪が達成してしまった。 閑静な街中で起こってしまったということもあり、町全体が不安に包み込まれていく。 キリコ:さっきから警察官が犯人捜査のために来ているけどパトカーやらヘリやらドローンやらで監視されていて心配だわ。 買い物に行こうにも行けないじゃない。一体どうしてくれるのよ? N:監視の目が突然強化されるわけだ。自由を奪われていることと何ら変わりがない。 食事に行こうにも買い物に行こうにも、そう易々と外に出してくれるわけがない。 イクヒロ:人の目はそうだけど、防犯カメラにも死角はある。そこを通ればセンサーでも設置されていない限りは問題なし。 それに、いざとなればEMP(イーエムピー)だって装備しているんだ。ドローン停止には十分すぎる。 2階以上にスタンバイできないのが悩みだけど、こう見えて元野球選手なんだ。脚力もあるんだぜ?盗塁も当たり前のようにしていたし。 次は、どちらの女を“処理”しようか…。 N:セイデンイクヒロ。35歳。元野球選手。能力としては十分すぎるほどに強く、先輩の盛り上げ役としても振る舞っていた。 しかし、彼には致命的な欠点があった。“女付き合い”である。既婚者であるにも関わらず不倫。一度だけでも問題なのに、最終的には3度の不倫。よくここまでできたものだ。 あれだけ注意をしても無視をするのだ。辞めさせられて当然である。 トラオ:メグミくん。何か犯人の情報は得られたか? メグミ:トラオ部長。今出ている情報によれば、身長は180センチほどで上下で黒い服だったとのこと。男性と思われていますね。 ただ…。 トラオ:ん?どうした?? メグミ:その時、W(ダブリュー)と記された黒いキャップを被っているのを見たという証言が少なからず上がっています。 この地域でWマークと来たら…。 トラオ:…何となくだが、この県のスポーツチームにそんなところがあったな。 メグミ:まさか、とは思いますが…。 トラオ:我々警察には、そのまさかが答えになることが少なくない。 “パトロールの強化とSNSによる情報収集を大支給開始せよ” メグミ:“了解!” キリコ:あら?メールだわ。 何かしら?? N:メールだ…。 (※逃走中のナレーションのように) キリコ:県から警察発信で届いているのね。 どれどれ? 「現在発生している殺人事件に関し、とある容疑者が浮上しました。 その名も、セイデンイクヒロ。 御存じの方も多いでしょうが、万幹県とはかなり所縁(ゆかり)のある元野球選手です。何か心当たりのある方は、以下の連絡先にすぐにご連絡ください。 ご協力をお願いいたします。」 そういえば、この男、また何かやらかしたってことでニュースになっていたわね。 腹いせかしら?自己中心的な男ね、いい年をして。 チヒロ:「イクヒロという男ですが、伊田凛さん以外に“河野明日香(こうのあすか)”と“今井藍(いまいあい)”という2人の女性と不倫していました。もしかすると、そのどちらかを狙っている可能性があります。 一刻も早く彼女たちの身の安全の確保をお願いします。」 送信完了。 電話でも念のため伝えておきますか。 N:チヒロ。スポーツ報告所属のスポーツライターでプロ野球を担当している。 過去に奴の密着取材を敢行したことがあるものの、幸いなことに肉体的関係は持ってはいない。 メグミ:部長!無線です! トラオ:なんだ? ヒロヤ:“メグミとトラオへ。君たちは、すぐに今井藍という女性の自宅に向かい彼女の身の安全を確保せよ。 確認が取れ次第、警察署に向かえ。” トラオ・メグミ:“了解!” N:2人は現場に急行。彼女の無事を確認。 メグミ“アイさん!今井藍さん! 警察です!!助けに来ました!!” アイ:警察官さん!来てくれたんですね!! メグミ:はい! 貴重品を直ぐにまとめて、パトカーに乗ってください。安全な場所に避難しましょう。 アイ:お願いします。 N:メグミ、アイの安全を確保しトラオが待機しているパトカーの中へ。 トラオ:さぁ!早く乗って!! アイ:失礼します! トラオ:“こちらトラオとメグミ。ターゲットの安全の確保を確認。そちらに向かいます。” ヒロヤ:“こちらヒロヤ。確認した。 現場に急行せよ。“ N:その頃、明日香の自宅付近。 イクヒロ:さて、アスカを処理しますか! エミ:あら?イクヒロさん。 イクヒロ:(ギクっ!!) …あ、あ。どうもww エミ:少しお話があるのです。 (※胸元から見えた警察証明書) イクヒロ:(…あ、警察官でしたか。) な、何のことやら。 トラオ:あなたを、殺人の罪と不法侵入の罪で逮捕します。 エミ:詳しいことは、是非とも署にて。 アスカ:…一体何の用?? イクヒロ:(チャーンス!!!) 貴様も死んでもらおう!! トラオ:こら!!それを手から離せ!!! エミ:アスカさん!早くパトカーに乗って!! アスカ:…は、はい!!! イクヒロ:アスカー!!アスカー!! “グヘっ!!” (※文字にならない声) トラオ:“詳しいことは署でな” (※イケボ) N:結局、犯人はこの男だった。 悪びれもせず懲りもせず。反省をしないものだ。 ヒロヤ:何故スター選手だった君がこんな真似をしたんだ? イクヒロ:簡単です。 “ちやほやされたかったから” ヒロヤ:キミは既にちやほやされているはずだ。 イクヒロ:若い女性に弄ばれたかった。それだけです。 肉体的関係も3人にはかなり持ちました。 ただ、別れようと不倫相手側が伝えて来たので、殺してあげたという訳です。 “待ち伏せ”という点に関しては、少しでも相手に脅しをかけるつもりでした。当たり前ですが、不法侵入もしています。侵入方法に関しては、…。 N:聴取の様子をミラー越しに伺う2人。 メグミ:スターも大変なんですね。 トラオ:そりゃそうだ。俺たちよりも自由が利かないんだ。移動と試合ばかりじゃフラストレーションも溜まるばっかり。はけ口の1つや2つ、ほしいものさ。 メグミ:甘えたいと? トラオ:それもあるだろうな。 トモアキ:ニュースをお伝えします。先日発生した殺人事件の犯人が逮捕されました。 犯人は、元野球選手の“セイデンイクヒロ”35歳。第2の殺人が起こる前に身柄の拘束に成功しました。 イクヒロは容疑を認めており、“異性にちやほやされたかった”との供述をしていました。また、殺人の動機に関しては、“相手が別れようと振ったため、腹いせで殺した”と供述しておりました。 今後、さらなる調査が行われる模様です。 今夜のニュースはここまでです。また明日。 ~完~ 【キーワード】サスペンス・12人・男5・女7・Evo-s

  • 『THE FINAL LOVE』作者:Evo-s

    THE FINAL LOVE 作:Evo-S 〔登場人物〕 ・イノン(♀)…女性5人組アイドルグループ“スイッチ”の1人であり、リーダー。 ・サツキ(♀)…スイッチの1人。 ・アカリ(♀)…スイッチの1人。 ・リサコ(♀)…スイッチの1人。 ・ミユキ(♀)…スイッチの1人。 ・アキラ(♂)…スイッチのファン。 ・リョウ(♂)…スイッチのファン。 ・カツユキ(♂)…ライブの現場スタッフ。舞台装置のテスターとし身体を張る。 ・モリオ(♂)…スイッチのプロデューサー。 ・コウヘイ(♂)…警備員。ライブ会場である“ポイポイドーム”の専任者。 ・ユウジ(♂)…警備員。コウヘイと同じくポイポイドームの専任者であり、先輩。 ・ナレーター(N表記/♀) 〔注意事項〕 ・このお話はフィクションです。 ・米印はト書きです。読まないでください。 ・カッコ内は読んでください。 ・この作品は男性6人と女性6人の、合計12人の声劇です。 (兼任も可能ですが、ナレーターのみ単独でお願いします。) 〔STORY〕 サツキ:みんな~! 今日はライブに来てくれてありがと~! アカリ:次は福川(ふくかわ)県のポイポイドームでライブをするから、忘れずにチェックするんだよ~!! アカリとの、“お・や・く・そ・く♡” イノン:ということで。 イノン・サツキ・アカリ・リサコ・ミユキ:“まったね~!!!” (※歓声のSEがあれば、ここで流す) N:彼女たちは、今を時めくアイドルグループ“スイッチ”である。 元々はインターネットでの活動をメインとしていたのだが、巷での評判が良いとのことで音楽番組に出演したのを機に表舞台での活動が増えた。彼女たちのライブは非常に人気であり、ファンクラブ内でのチケット争いも壮絶と噂されているほどである。 リサコ:“プログラム=スイッチ!” リサコ・ミユキ:いぇ~い♪ (※2人で軽い拍手を) ミユキ:昨日のライブ、皆大盛り上がりで大成功だったね♪ リサコ:ね♪ このまま、次回のライブも大成功させちゃおう! ミユキ:福川県のファンの皆さん。 ライブ当日に逢えることを楽しみにしています。 N:表舞台が多くなった分インターネット上での活動は少なくなったはものの、一週間に1回は少なくとも更新をしている。その甲斐あってか、動画配信サービスでのチャンネル登録者数は150万人を超えている。 モリオ:いやぁ~、毎度毎度嬉しいね♪本当に♪ スイッチのみんなが人気なのは尚更だけど、スタッフには毎回迷惑をかけてばかりだからね。頭が上がらないよ、本当に。 N:とあるメディアへのインタビューを受けているこの男。彼はプロデューサーのモリオ。褒めるところはとことん褒めて叱るべきことはとことん叱る。保健体育の教師のように熱血ではないが、メンバーやスタッフからは一目置かれる存在である。 コウヘイ:ふぅ~。今日も一日異常なし。 ユウジ:野球だから、まだそこまで問題はないと思うよ?マナーやモラルの強化も徹底させているみたいだし。 コウヘイ:あ、ユウジ先輩!お疲れ様です!! ユウジ:お疲れ様。 次の我々の警備対象はスイッチのライブだ。 しかも、今回のライブはこれまでのとは違い、我々警備員もライブに巻き込まれる可能性がある。どうやら、警備員巻き込みのライブは音楽業界にせよ演劇業界にせよ史上初めてのことらしい。 特に我々は舞台とファンの間で仕事をすることとなるため、巻き込まれるリスクが非常に高い。覚悟をして臨め。 コウヘイ;覚悟と言っても、どうすれば? ユウジ:コウヘイ。俺たち、2週間くらい前から謎の踊りを練習しているよな? コウヘイ:えぇ、はい。とりあえずこれの振りを覚えておけと言われ、動画を見ながら練習して。 ユウジ:少なくとも、その踊りはマスターしておかないといけない。後はその場のノリと勢いで何とかなるだろう。 プロデューサーからもありがたいことに、 “無理して固まらなくていい。一緒に歌ったり手拍子をしたりして相槌をすればいい” って念押し貰っているから。 コウヘイ:了解です。 では、先に上がりますね。失礼します。 ユウジ:おう!気をつけろよ。 N:そうして、彼は一通のメールを送る。 コウヘイ:…これで、送信!っと。 今日はありがたく早いご帰宅だ。久々に会えるといいんだけど。 N:メールの着信音が鳴る。 送信先からだ。 コウヘイ:お、来た来た。 “コウヘイさん、お疲れ様です。ちょうど、近くのコンビニでお金を卸しているところです。御食事のお誘い、ありがとうございます。こちらこそ、よろしくお願いいたします。私のいるコンビニで落ち合いましょう。” よし!移動開始だ!! N:それからおよそ5分後、彼女と落ち合うことに成功。 コウヘイ:お待たせしました。 ミユキ:お疲れ様です。 “コウヘイさん?待たせ過ぎですよ??” (※小悪魔みたいな言い方で) コウヘイ:大変申し訳ございませんでした。 ミユキ:うふふ♡ “じょ・う・だ・ん♡” さぁ、行きましょ? コウヘイ:はい! N:2人は近くのフレンチレストランへ。 コウヘイ:乾杯♪ ミユキ:乾杯♪ フレンチ料理のお店だなんて、紳士なのですね。 コウヘイ:いえいえ。 先日、職場の上司に誘っていただいた店がこちらでした。お魚料理がおいしいとのことで訪れたのですが、申し分なしの美味しさでありました。 今回はお肉料理を選んだ次第であります。 ミユキ:なるほど。 実は私、お魚料理好きなのですよね。蒸しものや揚げものに、マリネのような生魚の料理。どれでもいけます。 N:料理を食べ進めていくうちに、次回のライブの話に。 コウヘイ:話を変えて。 もう少しでまたライブですね。話しを聞くと、私も巻き込まれるかもとのことですが。 ミユキ:はい! “巻き添えです♡”(※ウインクするイメージ) コウヘイ:(やっぱしそうなるか~。) アハハ。 ミユキ:私、プロデューサーから伺っていますよ? 貴方のパフォーマンスはバックダンサーと同じくらいに素晴らしいと。 コウヘイ:いやいやいやいや。 そんなことないですよ。 何かの見間違いや聞き間違いではないのですか? ミユキ:そうじゃないみたいですよ? “期待してま~す♡” コウヘイ:やれることはやってみます。 N:コウヘイ、赤面。プレッシャーにはかなり弱いようだ。 モリオ:イノンくん。そしてリサコくん。 リサコ:はい。 イノン:要件をお願いします。 モリオ:次回のライブについてだが、アクロバティックな内容を多めにしようと思っている。 イノン:ということは、ダンス多めのプログラムですか? リサコ:後は、ワイヤーアクションでピーターパンのように! モリオ:リサコくん。大正解だ。 イノンくんの言うように、ダンスナンバーも通常時よりは多めになる。だが、今回はそっちを重視する。また、他にも床に仕掛けを用意してファンをアっと驚かせるような仕掛けを用意する予定だ。 リサコ:安全対策もキチンとするんですよね? モリオ:勿論だ。リハ時やそれ以前で装置チェックをする時は現場スタッフに実際に立ってもらって検証をする予定だ。 キミたちが乗るなら、リハの時に1回と本番の時になる。 が、一部装置については本番時のみの対応となる。かなり危険なものを用意しているからだ。その仕掛けに関してはリハ時もスタッフが行うことになるから、それをよく目に焼き付けておくように。 イノン・リサコ:はい。 モリオ:よし。 後は頼んだ。 N:こうして、ライブまでの準備が進められていく。 ファンの期待への高まりも言わずもがな。 アキラ:おいおい、聞いたか? リョウ:一体何なんだよ?急に。 アキラ:何か、次回のライブはアクションモノになるみたいだぜ? ワイヤーアクションに下から上に飛び出す仕掛け。他にもいろいろやるらしいぜ? リョウ:なるほどね。いつものスイッチでは見られないようなアクションを目撃できるってわけね。 アキラ:らしいぜ? カツユキ:はーい。リフトアップ、お願いします。 (※リフトが上に突きあがる) “ハッ!!” (着地!!) OKです。問題ないですね。 ユウジ:会場の大枠が出来てきたみたいだな。一応、今日の仕事はおわているんだけどね。数日後には、この舞台を護る仕事をしなくちゃいけないから、様子見しておかないとね。 カツユキ:次、ワイヤーアクションお願いs…。 “すみません!そこの警備員さ~ん!!” ユウジ:(ん?俺か??) は~い!!何でしょ~?? カツユキ:お忙しいところ申し訳ないんですけど、ワイヤアークションのテスター、ご協力お願いできますか? 警備員にもしていただく予定になっているので、被験者としてお願いします。 事故が起こったら全てこちらでサポートしますので。 ユウジ:(ま、断るわけにもいかないか。後輩君のためにも!) は~い!お願いしま~す!! N:急遽、ユウジもさせて頂けることに。 カツユキ:絶叫系のアトラクションは大丈夫ですか? ユウジ:問題ありません! カツユキ:ありがとうございます! “アクション、開始!!” N:2人を吊ったワイヤーが上昇。 ユウジ:上昇、問題なしかな。 カツユキ:“回転、お願いします!” N:カツユキ側のワイヤーが会場を反時計回りに周り始め、後を追うようにユウジのワイヤーも回転する。 ユウジ:ヒャッハ~~!!! N:ワイヤーはそのままエイトクロスを始める。 ぶつかりそうでぶつからない。プロの技だ。 カツユキ:これだけ回せていて接触もなければ問題は無いですね。 ユウジ:私のワイヤーで見れば、劣化や致命傷に繋がりそうな傷も見当たりません。これで問題ないでしょう。 カツユキ:ユウジさん、ありがとうございました。 ユウジ:カツユキさん。こちらこそありがとうございました。 ライブの成功、応援しています。 N:しかし、結果は…。 ミユキ:今宵はありがとうございました。 ご馳走様です。 コウヘイ:いえいえ。喜んでいただけたのなら光栄です。 気をつけて帰ってくださいね。ライブ、楽しみにしています! ミユキ:はい!ありがとうございます。 おやすみなさい♡ コウヘイ:おやすみなさい。 N:コウヘイの帰宅途中、一本の電話が。 コウヘイ:はい、コウヘイです。 ユウジ:ユウジです、お疲れ様です。 コウヘイ:先輩!お疲れ様です! ユウジ:さっき、今回のライブの舞台装置のテスターとしてワイヤーアクションをやってみたけど特に問題なかったよ。 コウヘイ:了解です。 …てか、最初から私が担当をするみたいな話しないでくださいよ!! ユウジ:アハハwww 冗談だよ。 コウヘイ:本当にやめてくださいよ。 ユウジ:スマンスマン。 それじゃ、リハの時にまた。 コウヘイ:はい。お疲れ様です。 N:時間は過ぎて、公式リハーサル当日。 イノン・サツキ・アカリ・リサコ・ミユキ:よろしくお願いいたします! モリオ:皆。リハーサルだと思わずに、本番同様に挑んでくれ。 カツユキ:プロデューサー。先日の装置テストでは異常は見受けられませんでした。 モリオ:ありがとう。 コウヘイ:これが今回のライブのステージになるのか…。 ユウジ:そうだ。一般的な会場とは全く異なる形だからな。 モリオ:ユウジくん。 ユウジ:それでさ、そn…。 は、はい!プロデューサー!! モリオ:先日のテストはご協力ありがとう。 どうだった? ユウジ:はい!生まれて初めてのアクション、楽しませて頂きました! また、特に問題もなく、装置にも傷や目立った損傷が見受けられなかったのでこのままいけば問題なく追われると思いました。 モリオ:わかった。ありがとう。 それと、きみは誰なんだ? ユウジ:私の後輩にあたります、“コウヘイ”と申します。 モリオ:コウヘイくん、ね。 警備、よろしく頼むよ。 コウヘイ:はい!お任せください!! イノン:“ジャーンプっ!” よし!決まった! アカリ:リサ!どう?私たち、上手く回るれてる?? リサコ:うん!できているよ!! イノン:パレードフロートからの景色はこうなるのね。 ミユキ:動ける範囲はやや広めかな?歌いやすいのは間違いなさそう。 コウヘイ:(そうだ!あのフロートに向かって呼びかけてみよう!!) “お~い!ミユキさ~ん!!イノンさ~ん!!” (※大きい声を挙げながら手を振る) イノン:あ!警備員さんが呼んでいるよ! ミユキ:本当だ!! “お~い♪コ~ヘ~さ~ん♪” コウヘイ:(よし!気づいた!!) “景色はどうですか?!” ミユキ:“い~感じになりそ~!!” コウヘイ:“期待してま~す!!” N:和気藹々(わきあいあい)としながら公式リハーサルが終了。 残るは本番のみ。 アキラ:いよいよ明日だ! イノンちゃん♪待っていてくれよ!! リョウ:リサちん♪ 明日は、俺が君を迎えに行くからね♪ コウヘイ:ミユキさん。 いよいよ数時間後ですね。 ミユキ:そうですね。 少々不安ですけど。 コウヘイ:貴女なら問題ありません! “愛しています” ミユキ:うふふ♡ がんばりますね♪ “私も、愛しています♡” N:夜が明け、本番。 モリオ:キミたち!後は頼んだよ!! イノン:はい! N:気合いの円陣だ。 イノン:“絶対成功させるぞ!” イノン・サツキ・アカリ・リサコ・ミユキ・モリオ・カツユキ:“オオーー!!” N:支える側も、気合が入る。 ユウジ:さぁ、俺たちの出番だ。パフォーマンスを任されたら精一杯演じてファンを楽しませるのだ!いいな? コウヘイ:言われなくても!! (※2人で拳を突き合わせるイメージ。読売ジャイアンツの原監督を想像すればOK) N:ライブの始まりである。 アキラ:さぁ!どんな始まり方をするんだ? リョウ:“来るッ!!” (※イケボで決めてください!) N:舞台から飛び出したメンバーたち。 イノン:みんな~!お待たせ~!! アキラ:イ!イ!イノン!!イ!イ!イノン!! アカリ:福川県のみんな~!!はっじまっるよ~!! リサコ:暑さに負けないように、着いてきてね~!! リョウ:“フォーーーー!!!” ユウジ:(現在、特に問題は無し。このまま続けばよいのだが…。) コウヘイ:(悪事は許さん!!) N:セトリが続き、パーフォーマンスタイムに。 ミユキ:(コウヘイさん♡) コウヘイ:(ん?誰だ??) !! ミユキさん!! ミユキ:出番ですよ♡ コウヘイ:了解です!! 〈ユウジ先輩、ユウジ先輩。 コウヘイ、パフォーマンス入ります。〉 ユウジ:〈こちらユウジ。了解した。現場は任せろ。〉 コウヘイ:〈お願いします。〉 N:メインともいえるパフォーマンスの時間だ。 サツキ:さぁ、ここからは史上初!警備員もパフォーマンスに参加します!! ミユキ:コウヘイさん! コウヘイ:ミユキさん!! N:先にコウヘイがワイヤーで射出。それを追うように射出するミユキ。 リョウ:おい!あれを見ろ!! ピーターパンと娘さんじゃねぇか!! アキラ:あの警備員、なかなかやるなぁ。 歌って踊れるんだもんなぁ。 N:すると突然、、何かの切れる音が。 サツキ:(え?プツン?? 嫌な予感がする…。) ユウジさん。 ユウジ:〈こちら、ユウジ。サツキさんですね?〉 サツキ:はい。今、裏から何か切れるような音がしました。 ユウジ:〈え?まさか?!〉 サツキ:否定できません。 天井の方の警戒をお願いします。 ユウジ〈了解しました。すぐに伝達します。〉 N:“バックは大パニックだった” カツユキ:ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバヤバイ…!!! (※焦った感じで読んでください) モリオ:急にどうした? カツユキ:ワイヤーが切れそうです…。 モリオ:“何ィ?!” N:その瞬間。 “プチン” カツユキ:“ああああああああああああああああーーーーーーーー!!!!” モリオ:“そんな馬鹿な!!” (※スローモーションをイメージして読んでください。) コウヘイ:ん?ワイヤーが。 N:コウヘイ、観客の下に真っ逆さま。 コウヘイ:“ぎゃああああああ~~” ミユキ:“コウヘイさん!!!!!!!!!” アキラ:お、おい!! 上を見ろ!!! N:2度目の、 “プチン” ミユキ:“キャーーーーーーーーー!!!” (※大絶叫) コウヘイ:“ミユキ~~!!!” (ミユキを守らねば!!! 俺が下敷きに!!!) ユウジ:“コ~ヘ~~!!! ミユキさ~~ん!!!!” リョウ:“もう1人上から来るぞ~~!!!”“ N:幸いなことに、この曲で一旦休憩となった。 だが、鈍い音が会場全体に地味に響く。 コウヘイ:“グヘっ” (※言葉に表現し難い音を出してください。) ユウジ:“キャッチ!” ミユキ:…え?? ユウジ:ミユキさん。 ミユキ:ユウジさん。 コウヘイ:…。 (※息の根が止まりました) N:何とかミユキのキャッチに成功したユウジ。コウヘイは自らを下敷きとしてミユキの落下の衝撃を抑えようとした。 見事にその作戦が功を奏したコウヘイだったが、この事故の瞬間、ミユキの命と引き換えに再度昇天したのだ。 ミユキ:…。 コウヘイさん…。 ユウジ:コウヘイ…。 N:2人は察していた。 カツユキ:…。 モリオ:コウヘイくん…。 N:裏の2人も。 その後、アキラとリョウの2人の青年のおかげで3人はすぐに病院へ。 2人は何とか意識があったが、彼のことに触れることが出来なかった、 モリオ:ライブは、何とか続けさせる。 後は歌うだけだから何も仕掛けは無い。このまま続行させる。 N:一応ライブの完走には漕ぎ着けた(こぎつけた)ものの、この事故で失った者の対価は計り知れない。 イノン:…。 サツキ:リーダー…。 アカリ:ミユキが助かっただけでも良しとしようよ! メンバーが助かったのは大きいと思うよ? サツキ:確かにそうだけどさ!! 人が亡くなったんだよ?!現実逃避でもする気なの?! 冗談じゃない!!! リサコ:まぁまぁ、まぁまぁ。 気持ちはわからなくはないよ? サツキ:リーダー、何とか言ってよ…。 イノン:…サツキの気持ちはわからなくはないし、アカリの気持ちもわかる。ミユキが無事で軽傷で済んだ分良しとしてもいいのかも。後遺症もなかったみたいだし。 モリオ:…。 (※静かに泣いています。) イノン:一番悲しんでいるのはプロデューサーとカツユキさんだよ。 あれだけ安全検査には十分に配慮したのに、それでも事故は避けられないんだよ…。 今回の件で、ポイポイドーム側にも責任が取られるし…。 サツキ:…こ、今回は、 “単なるアクシデント” ってこと? イノン:そうならざるを得ないわね…。 リサコ:“ヒューマンエラーって、ゼロにはできないんだね…。” N:イノンとサツキが静かに頷く。 リサコ:弔いもしないと…。 N:それから数日後、告別式兼お別れの会が挙行された。 メンバーは勿論だが、ユウジ、カツユキと言ったバックの面々。そして、ポイポイドームの従業員も姿を現した。 ミユキも身体の方は回復したようで、弔辞を読むこととなった。 ミユキ:演技の本番中、突然のトラブルがまさか最悪の事態を招いてしまうとは私たち演者側もスタッフ側も予期しておりませんでした。安全対策に抜かりなく、何度も見直しをしたにもかかわらず、お別れを告げることになってしまいました。 2人で宙へと舞った時は、まるで夢の世界でも見ているかのような夢見心地でした。ライブ前の時も何度かお食事に誘っていただいては私のメンタルを気にしつつお声掛けをしていただいて。心身ともに万全の状態で臨んだ結果…。 私を救ってくださって、本当にありがとうございました。ユウジさんとの連携で、こうして私は立つことが出来ています。コウヘイさん。貴方は私のヒーローです。専属のヒーローです。ヒーローは先に旅立たれるというお話を耳にしたことがあります。貴方は実際に私を救出してはまた新たな救出ミッションへと旅立たれたのですね。 今後の救出ミッションのご活躍、期待しております。 “コウヘイさん、心から愛しております。これからも私たち、スイッチのことをよろしくお願いいたします” N:こうして、彼は数え切れない人に見送られこの世から見送られました。 悲劇の禁断ラブストーリー、これにて幕引きでございます…。 【キーワード】恋愛・事故・12人・男6・女6・Evo-s

  • 『BLACK & BLUE』作者:Evo- s

    〔登場人物〕 ・朝森(♂)…巷で噂のFPSゲーマー。サバゲ―経験者。銃の腕前は申し分なし。 ・寺本(♂)…元米軍兵。つい最近まで、陸上自衛隊に所属していた。 ・井上(♀)…何の変哲もない子持ちママ。1歳半と4歳の子を持つ。 ・月紀(つきのり/♂)…4歳児。井上の子である。 ・吉野(♀)…ゲス薬局の店舗スタッフ。 ・馬飼(うまかい/♂)…ゲス薬局の店長。 ・天野(♂)…銃の密売人で今回の犯人。というよりは、発端の一人。 ・門井(かどい/♀)…可憐な一匹狼。敵か味方か不明。 ・榎田(♀)…ゲス薬局所属の薬剤師。 ・ナレーター(N表記/♂) 〔注意事項〕 ・このお話はフィクションです。 ・米印はト書きです。読まないでください。 ・カッコ内は読んでください。 ・このお話は、男性6人と女性3人、合計9人の声劇です。 (ナレーター以外であれば、特に男性陣は兼任も可能です) ・言い換えは可ですが、お話の設定を壊すようなことはご遠慮下さい。 ・ジャンルは、復讐モノ、ミステリーです。 〔STORY〕 N:これは、数百年も経過した日本での物語。時は2930年。相変わらず銃刀法は存在していたが、裏の世界では銃の密売が横行しており検挙数が地味に目立ち始めていた。 そんな銃で狂い始めてきた日本を度々救っている男がいた。朝森である。 朝森:はい!レイベックスのチャンピオンになりましたよと。マスターランクのトリオでソロチャンプは朝飯前だね。 次は、リボルバー縛りでソロランクマでもしてみますか。 N:一見すると、彼はゲーマーである。 しかし、本物の銃を持たせたら彼の右に出る者はいないと言えるほどの実力を発揮する。 アメリカやグアムでの実銃射撃体験ではトリックショットを軽々と熟し(こなし)てはスタッフを黙らせていた。 朝森:それじゃ、食料も底をつきかけているから買い出しにでも行きますか。 N:問題は、それまでの道のりである。 朝森:相変わらずの不穏な空気。慣れれば特に問題は無いんだけどさ。 警察や自衛隊が通ると、急に皆ビビるんだよね。見栄っ張りも大変なもんみたいだねw N:通り道は、ほぼほぼ密売商人たちの巣窟と化していた。何度も通れば、彼らも朝森を危険人物だとは思わないのであろう。 “手出しをこちらからしなければ” 朝森:お、見えた。到着だ。 N:そうこうしているうちに、目的地であるゲス薬局に到着。 吉野:いらっしゃいませ。 朝森:www 今日も賑わっているなぁ~。 朝森:ふぅ~。今日も無事に買えましたと。 袋5個分も買っちゃったよw 買いだめしようとすると、つい余計なものも買っちゃうんだよね。 N:問題はこの後。 2人の子を連れたママさんがご来店。しかし、その子供が入店してから金切り声を上げるかのように叫ぶわ叫ぶ。まるで動物園で飼育されている動物のように。 月紀:アーー!アーー!アーー!アーー! 井上:こら!静かにしなさい! 月紀:アーー!アーー!アーー!アーー! N:それでも聞く耳を持たない4歳児。 馬飼:…。 天野:…!(怒) N:店長だってダンマリだ。周りの客も黙ってはいない。 それでも絶叫を続け、挙句の果てには物乞いを始めてしまう。 月紀:まま~!アンマンマンのチョコレートがほしい!アンマンマンのチョコ~! 井上:また今度買おうね。 今はママ忙しいからね~。 月紀:アンマンマン!アンマンマン!アンマンマン!!アンマンマン!! 門井:元気な子供さんだこと。 ウフフ♡ 月紀:アンマンマン!アンマンマン!アンマンマン!!アンマンマン!! (※先ほどよりも声を大きくして) 井上:はい、行くわよ。会計を済ませるから待ってなさい。 月紀:“アンマンマ~~~~ン!!” (※大絶叫) 天野:(※ブチンとキレる) N:子供の絶叫がピークを迎えたその瞬間、聞こえてはならぬ音が。 天野:“うっせェんじゃ!オラァ!!” (※銃の発砲音) N:男が叫んだ子に向けて手持ちのハンドガンを発砲。華麗なるヘッドショット。 榎田:え?何々?? (とりあえず、急いで調剤所と第一類医薬品売り場をを閉めないと…) 井上:“キャーーーーーーーーーーー!!!!!!” (※大絶叫) 馬飼:“一体何なんだ?!” 天野:(これで少しは落ち着くだろ。本当はこんなところで銃を大っぴらにするのはNGなんだけどね。) 門井:フンッ! (※銃を一発発射) 天野:?! N:奥から、子供を殺した銃を男の手から離そうと一発発砲した女性。 現場はカオスである。 門井:子供を殺すだなんて、相当短期な男なのね。 天野:アマに言われたくはねェんだよ!! お前が子持ちかどうかは知らんがな、ここまでうるせぇとオチオチ買い物なんてしてらんねぇんだよ。ここまで冷静に居られるわけ、先に話しておくわ。うるせえ奴が消えたからな。これで落ち着いて買い物が出来るわ。汚れは少々あるがな。 馬飼:お客さん。少しよろしいでしょうか? お話したいことがございまして。 天野:知らん。 (※銃の発砲音) N:天野、店長に話を振られても別のハンドガンですぐに射殺。ジャケット内に何丁か用意しているようだ。 井上:つきのり~ィ!!! ううう…。ううう…。 N:突然の別れに悲しむママさん。 吉野:(もしもし、警察ですか?殺人事件です。場所は、ゲス薬局の東頭〈ひがしあたま〉店です。救急も可能なら連絡をお願い致します。) N:突然のことにも動揺せず、警察に冷静に電話を入れる社員。 カオスどころの話ではない。 門井:さっき銃を撃ったそこのアンタ。 天野:アマよ、次は何だ? 門井:バーン。 (※天野の足元に発砲) 天野:痛いッ! …あ。 門井:私は、アンタの心臓なんて狙わないわ。 “動きを封じるだけ” 天野:テメェ!!! N:その瞬間、2人による熱いガンファイトが繰り広げられた。 あちこちで2人の繰り出す銃弾が床に散らばる。 寺本:さて、家に帰りますか。 …て、アレ? N:かすかに聞こえる発砲音。 何処かでガンファイトが勃発しているようだ。 寺本:この銃声は、マカロフとKAP-40(カップフォーティー) これまた良いハンドガンのチョイスなことだ。僕みたいに慣れてないと、聞き分けなんて無理だね。 天野:このアマ!はよ死ねや! 門井:そのセリフ、アンタにそっくりお返しするわ。 N:2人によるガンファイトは、結局、警察が到着するまで続けられた。 天野:チッ(※舌打ち) サツが来やがった 門井:“もらった!!” 天野:(クソッ) N:門井の放った銃弾は天野の心臓を貫いた。即死である。 門井:はい、おしまい。 N:すると、突然電話をかける彼女。 門井:“あなた、余計な人物を抹殺したわ。” 寺本:“了解。 …ったく。お前と来たら、いっつも無茶して警察のお世話になっちまうんだから。俺の苦労も少しは考えてくれよ。” 門井:“ごめんなさいね。 私は、少しでもウザイって思うと本当に消さない限りスッキリしないのよ。” 寺本:“俺も同じだよ。 でもさ、流石に少しは場所を選ぶなりしようぜ?これ以上やると、お前自身が危なくなるからな。けっこう口酸っぱく言ったつもりだけど。” 門井:“それもそうね” N:こうして、警察が到着。 門井は事情聴取を受けることとなった。 馬飼:吉野くん。 吉野:はい、店長。 馬飼:私も事情聴取を受けることになったから、一旦店のことは頼んだよ。榎田くんのこともよろしく。 吉野:かしこまりました。 N:事情聴取は、予想外なことにあっさりと終わってしまった。 というのも、防犯カメラの映像を馬飼が警察に渡した結果、最初に子供を撃った男を倒したとして、減刑となる可能性を示唆したのだ。 当然ながら彼女自身は罰を受ける気でいるようだが、寺本が保釈金を用意してくれるらしい。 井上:月紀…。 N:もちろん、未だに項垂(うなだ)れている女性も然り(しかり)。 吉野:お客様…。 井上:…。 吉野:…ご愁傷様です。 同情したいのも山々ではありますが、今回の一件は、貴女のせいでもあります。 本音としては、これ以上深掘りや首を突っ込みたくはないのですが、ここで発生してしまった以上、私からもお伝えしなければなりません。 井上:…。 吉野:結論から申し上げますと、今回をもって貴女はゲス薬局を出禁といたします。ゲス薬局の全店が対象となります。勿論、本部等への連絡も禁止です。 もしかすると、こちらから何度かお電話をかけるかもしれませんが、返信のお願いが無い限り、基本は受け付けません。 井上:月紀…、あなた…。 吉野:今回だけは、特別にお買い物の許可を下ろします。 もう後(あと)はございませんが。 N:吉野から通達を受けた井上。榎田も姿を現す。 榎田:申し訳ないんだけどさ、貴様のせいでここでの調剤が不可能になっちまったんだよ。 店のスタッフからは優しい言葉を貰ったんだろうけどさ、こちとら調剤をメインでお金を稼いでいるんだわ。貴様は知らないだろうがよ、調剤をするにはそれ相応のスペースと設備が必要なんだわ。しかしながら、先程の戦闘でこちらにも被害を及ぼす羽目になったんだわ。当分の間は、ここで処方箋対応もできんのだわ。 “ありがたいことに” 悪いけど、俺はアンタを一生に憎むから。恨むから。 井上:…ま、まこ、誠に申し訳ありませんでした…。 吉野:榎田さん…。 N:榎田、怒りの身体を事務所方向へと歩かせる。 榎田:“Like father, like son.(ライクファザー、ライクサン) この親にしてこの子アリ。 親が親なら子も子なもんだ。” 井上:…はい…。 N:この榎田の一言が、井上のハートを大きく抉ら(えぐら)せることとなった。 朝森:…よし、配信できてるな。 それじゃ、レイベックス夜の部、やっていくよ! えっと、何々? “今日の夕方頃にとある薬局で銃撃事件が発生したの知ってます?”だって?? 知らんなぁ。 N:朝森、事件前に買い物を済ませて帰宅しており全然気づかなかったようだ。 朝森:おっと?俺の知り合いからメッセージが来たぞ。 どれどれ? “俺の妻が、子供を発砲した男とガンファイトを繰り広げたらしい。多分、この事なんだろうな” だってさ。…ま、それが答えなのでしょう。あとで彼にはじっくりと詳細を問い詰めようと思います、っと。 N:意外にも、彼は鈍感らしい。 人間は不思議なものである。 朝森:おっと?俺と遊ぼうとしている奴がいるな? 誰だ?? 寺本:“グッダ~イ!” 朝森:www お前かw 寺本:YES! 朝森:まぁいいや。 ゲームしながら、状況を話してくれ。 寺本:おけい。 ~完~ 〔出典・参考〕 ・コールオブデューティーブラックオプス ウィキペディア (https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB_%E3%82%AA%E3%83%96_%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3_%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%AA%E3%83%97%E3%82%B9) ・コールオブデューティーブラックオプス2 ウィキペディア (https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB_%E3%82%AA%E3%83%96_%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3_%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%AA%E3%83%97%E3%82%B92) 【キーワード】その他・事件・男6・女4・Evo-s

  • 『大人に成りきれない大人達へ』作者:Evo-s

    〔登場人物〕 ・ナリタ(♂)…今回の主人公。名前はシンジ。 ・タカネ(♀)…ナリタの彼女。 ・コウスケ(♂)…ナリタの知人。 ・ヒサノリ(♂)…ナリタの父。基本はナレーション。 ・ソウコ(♀)…ナリタのクラスの担任。 ・エイコ(♀)…ナリタの高校時代のガールフレンド。付き合ってはいない。 (※人名の後にN表記があれば、そこは語りのシーンです) 〔注意事項〕 ・このお話はフィクションです。 ・米印はト書きです。読まないでください。 ・カッコ内は読んでください。 ・この作品は男性3人と女性3人の、合計6人による声劇です。 ・言い換えは可能ですが、話を壊さない程度にお願いします。 〔STORY〕 ナリタ:タカネ、愛してる…。 タカネ:うん♡私も♡ ナリタ(N):こんなラブラブができるようになったのもここ最近のこと。それまでは、比較的誰ともかかわりを持たず一人で過ごすことが多かった。知人やクラスメートと外出をすることもなく陰キャ街道まっしぐら。ひたすら勉強に追われるばかり。参考書とにらめっこの高校時代。テレビっ子。 見事な孤独生活である。 ソウコ:ナリタくん、いつも一人でいるけど寂しくなんかないの?何か悪いこととか企てているんじゃないでしょうね? ナリタ(N):担任にまで不審に思われる始末。心配しておきながら何を口に出しているんだ。俺、何か悪いことでもしたか? コウスケ:おい、ナリタ。 今度、一緒に映画にでも行こうぜ。 “武者滅の刃(むしゃめつのやいば)”の前売りチケットが余っていてさ。どう? ナリタ:ありがとう。一緒に行こうか。 コウスケ:よし!決定!! ナリタ(N):たまにはこうして誘ってもらえることもあるけど、中学時代ではこの一回きり。小学校時代?ずっと家だった。 “外は危ないから家に居ようね” だってさ。高校時代もそう。 “大人に成ったら外に出ようね” だってさ。 “もっとお金を稼げるようになってから外に出ようね” だってさ。 大人に成れねぇじゃねぇかよ!!ふざけんな!! 一生どこにも行けねぇじゃねぇか!! ソウコ:だから私は心配しているの。恨みや妬みから事件を起こすんじゃないのか、って。 貴方なら、本当にしでかしそうなんですもの。 ナリタ(N):誰かこのセンコウを黙らせてくれ。今すぐコイツを殺したいんだ。 お前がマッチポンプだって少しは意識してくれ。 ナリタ:そんなことはしませんよ。したら即退学ですし、進学だってできません。 ソウコ:素朴な疑問なんだけど、貴方は普段何しているの? ナリタ:え?勉強くらいしかありませんが。 ソウコ:だけ? ナリタ:あとは…、読書? ソウコ:あるじゃない。どんな本なの? ナリタ:これです。 ソウコ:どれどれ? “日本大改革” ナリタ:ネットでこの本が面白いということで読んでます。 ソウコ:そんな変な本は読まないで。 ナリタ(N):知るか!貴様らが洗脳されてるじゃねぇか。 ヒサノリ(N):彼は、一言で表現するなら“一匹狼”。我々がそのように育ててしまったのも要因としてあります。それでも孤軍奮闘しながらここまで来られたのは親として嬉しい限りです。 そんな彼は、第一志望の高校に無事入学。ひたすら勉強するばかりで、趣味らしき趣味はありませんでした。あっても音楽を聴く程度。そんな余裕もほぼほぼ無かったようですが。 ナリタ:もうあと数日でセンター試験かぁ。 早いよなぁ~、全く。 エイコ:でも、ナリタくんはいつも補修頑張っているんでしょ? 先生から聞いたよ?補修の前にいつもきれいに黒板を消してくれるからやりやすいって。 そんなキミなら受かるよ! “私、信じてるから!” ナリタ:アハハ。 ありがとうございます。何だか、照れますね…。 ヒサノリ(N):恋愛経験が皆無だった彼。彼女との出会いと付き合いは高校生活のクライマックスにはもってこいのシチュエーションであったと言えるでしょう まさに、“青春(アオハル)” ナリタ(N):こうして、無事に大学に進学。入試前に交換していただいた手紙が心の支えとなった。 しかし、今では赤の他人。久々に電話をしてみても 「アンタ誰?」でおしまい。 悲しいもんだぜ…。 ナリタ:…ん?電話だ。 はい、もしもし? コウスケ:おう、久しぶり。 突然だけどさ、今度の金曜日に飯でもどうだ? ナリタ:気持ちは嬉しいんだけど、無理だわ。 その日、入学前のオリエンテーションが一日中実施されるからさ、パスできないんだよ。 コウスケ:その後に来ればいいじゃん。 ナリタ:そういうじゃん? 終わりの時間が分かってないんだよ。目安として午後5時ってなってるけど、そっちに戻るころにはとっくに飯会始まってると思うぜ? コウスケ:遅れてくればいいじゃん。 ナリタ:ついでに言うと、その日の前日に入学者事前学力測定、っていう試験があってそれにも出なきゃならないんだよ。 “流石に、休みたい。” 変更とかはできないんでしょ? コウスケ:そうだね。こっちの方で確定させた。 ナリタ:他の奴には相談したのか? コウスケ:“お前以外”には相談したよ。 そうして、こうなった。 ナリタ:“お前ら、殺してもいいか?” (※電話を切る。イライラしている) ナリタ(N):俺なんて、居て居ないようなもんだ。 “どうでもいいやつ”って証明ができたねwww ヒサノリ(N):その時の電話、私も耳にしていました。丁度出かけており私が運転していました。かなりキレてましたね。気持ちも分からなくはないです。 ナリタ:親父ィ~。ざけんじゃねぇよ~。 ヒサノリ:仕方ないじゃないか。そっちが決めたことなんだろ? ナリタ:なんでこうも俺のことガン無視で黙りこくるんだよ…。 冗談じゃねぇよ…、ったく。 ヒサノリ:悪意アリだと思っているのか? ナリタ:Yes! でなきゃこんなこと起こらねぇよ。 ヒサノリ:そりゃ嫌だよな。 少数派をガン無視する多数決ってさ。 ナリタ(N):親父はわかっていた。俺の気持ち、怒りの矛先。 迷走していたのだ。 ヒサノリ:成人をしても彼は大人に成れていなかった。馬鹿なことを考えていたのだ。 テレビのバラエティー番組でのドッキリを見ては “もっとド派手にやれ” “甘いなぁ” と口にする。 品評会系の企画では、世界の名うてのコンクールでグランプリをとるレベルの発言をそのまま鵜呑みにして、 “この方が言うんだから、間違いなく不味い” “この商品はダメだから一生買っちゃダメなんだ” と思い込んでいる。 あくまで、一個人の感想ではあるのだが、バックが大きすぎるため、そのまま信じ込んでしまうようだ。 一時期、その商品の不買運動を仕掛けようとしたとかしなかったとか。 当然、絶賛する商品は “これはあの人が絶賛したから間違いなく美味しい。絶対に買わないといけないんだ!” となる。 クソゴミに操られるとこうなってしまうのだ。 ナリタ(N):大学三年生になる直前、親父にこんなことを話してみた。 ナリタ:俺さ、ちょっとコスプレが何なのか気になるんだよね。 ヒサノリ:ん? 急にどうした?? ナリタ:この辺りってさ、サブカルチャーが発展しているでしょ? それを直接体験したくてさ。 大きいイベントがあるんだけど、定期券の区間内が最寄りでね。交通費もかからない。 ヒサノリ:ほう。 行ってみればいいじゃないか。 ナリタ:ありがとう。 ナリタ(N):そこで初めて、私はコスプレの世界に足を踏み入れた。 カメラマン、ということではあるがどのカメラマンさんもレイヤー様も初めての私に優しく接してもらえて感動した。 ありがたいことに、今でも撮影の方はしているし人気のアニメを知る場としても利用させていただいている。 ヒサノリ(N):それから数年後、彼はイベントで知った方と別日にプライべートな撮影を実施し、タカネという女性と出会うことになります。 それが、今のシンジの彼女です。 ナリタ:もしも~し? タカネ:もしもし。 先日の撮影、ありがとうね。とても楽しかったよ。 ナリタ:俺も楽しかったよ。 …でも、あまりタカネのことを撮れなくて悔しいよ。 タカネ:仕方ないよ。 ナリタ:それでさ、今度一緒に撮影でもしない? タカネ:え? いいよ? ナリタ:ありがとう。 ヒサノリ(N):そこから彼は彼女に告白。現在、お付き合いしている真っ只中です。 ソウコ(N):時を同じくして、彼の知人で会ったコウスケは大学の入学式直前になって合格を取り消しとなりました。 というのも、彼が開催した食事会を巡って大きなトラブルがありました。参加予定で考えていた当時のクラスのメンバー全員に話を聞いたと彼が口にしましたが、実際に参加してみると参加予定者30人中17人しか集まらなかったのです。この30人には担任であった先生は含まれていませんでしたが、会の途中で、彼の口から直々に 「俺の嫌な奴は最初から日程調査のアンケートなんてしてないよw良い奴らの意見だけを取り入れたのさ♪」と発言。 それを耳にした担任が大激怒。しかも、そのタイミングでナリタを含む“取り残された”メンバーから次々に怒りと心配のメッセージをラッシュで受信。酷いことに、一部のメンバーからは参加費のみ徴収し返金をしなかったとのこと。 当然ながら無事に済むわけもなく、参加していたメンバーに警察官がいたということもあって彼は逮捕。 ちなみに、ナリタ自身は徴収されていなかったため特に何もなかった。 エイコ(N):“大人に成りきれない大人達へ” いつまでも子供でいるとどこかで大損します。最悪の場合、人生が終わります。家族ですらあなたを救っては頂けません。自分自身で何とか名誉挽回をする他はありません。いつまでも脛(すね)をかじり続けているのは周りからもみっともないと見られるだけです。 ヒサノリ(N):このお話を聞いている方々へ。 もしかすると、他人事(ひとごと)では済まされませんよ?改めて自分の言動を省みて(かえりみて)ください。 “今なら、まだ間に合います” ~完~ 【キーワード】学園・6人・男3・女3・Evo-s

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