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「」に対する検索結果が134件見つかりました

  • 『聖夜の魔法?!クリスマス女子会!』作者:schön Ton(シェントン)

    【登場人物】 A・・・女子会提案者。気まぐれでみんなを振り回す女の子。 B・・・Aに巻き込まれ、色々と苦労する女の子。 C・・・ちょっとした好奇心で女子会に参加すると言ったら大変なことに巻き込まれた男子。 D・・・ゲームをしていたら突然巻き込まれた男子1。 E・・・ゲームをしていたら突然巻き込まれた男子2。 妖精・・・突如現れた謎の妖精。(Aと兼役) 受付・・・『クリスマス限定 聖なる魔法サービス 妖精さん』の電話受付(兼役可) ※名前は自由に変更してご利用ください。 ※Nはナレーションの表記です。 【story】 A:「ねぇBちゃん」 B:「なぁに、Aちゃん」 A:「周りはすっかりクリスマスモードだね」 B:「そーだね」 A:「クリスマス、Bちゃんは何するの?」 B:「特には決まってないよ、Aちゃんは?」 A:「私も決まってない。……Bちゃん、女子会でもする?」 B:「あ!それいいね!!やろやろ!」 AN:初めは、女の子二人で純粋に女子会をする。ただそれだけのつもりでした。けど… C:「俺もやる、女子会」 B:「……Cさん?」 A:「いや、女子会……だよ?」 C:「うん、女子会、でしょ?」 AN:女子会ってなんだっけ……いや、深く考えてはいけない。…待てよ? A:「…いいね‼︎Cさん!やろ?女子会!」 C:「よし!やろう!」 B:「え⁈Aちゃん⁈でもCさんは女子じゃなi……」 A:「大丈夫Bちゃん、任せといて!」 B:「え?う、うん」 AN:私のいたずら心から、この女子会は混沌を極めていくのです。 〜クリスマス当日〜 C:「Aちゃんから連絡来ないね……今日どうするのかな?」 B:「女子会やろって……話だったけど……あ、待ってCさん、連絡きたよ えーと、なになに? 『Bちゃん、Cさんごめん!今日仕事になっちゃった💦世の中のクリスマスをぶっ壊してきまs……ゴホンゴホン。』 C:「え?今ぶち壊すって言ったよね?え?仕事じゃないの?こわ、バーサーカー」 B:「『女子会は二人でやってください!メンバー増やすもよし!(あ、てか増やすことは前提ね?)Bちゃん、強力なスケットに声かけておいたから、きっとBちゃんにとって楽しいクリスマスになると思うよ!』 え?私にとって?」 C:「強力なスケット?誰だろ?」 B:「なんか名刺が添付されてるね、『クリスマス限定 聖なる魔法サービス 妖精さん』 C:「なんだ?この胡散臭いの」 B:「送られてるってことはここに電話しろってことじゃかな?」 C:「多分」 B:「かけて大丈夫かな?……って、Cさんかけるの早い!」 C:「うーん、なんていうかさ、最近、振られたらとりあえず乗っかっとかなくちゃダメかなと思い始めて」 B:「……」 プルルルルル プルルルルル 受付:「はい、こちら『クリスマス限定 聖なる魔法サービス 妖精さん』の受付窓口でございます」 C:「え」 受付:「魔法のご依頼でしょうか?」 B:「いや、違います。すみません間違えましt……」 受付:「ふむふむ、クリスマス女子会をやりたいのに、メンバーが足りずできないと。」 C:「いや、何にも言ってないんですけど?!こわ」 受付:「お任せください!妖精がなんとかいたします。それでは、今からスタッフを派遣しますので、それまでに後数人、男性を集めておいてください!」 C:「メンバー足りないって言ってんじゃん?!なんで自分たちで集めるの?てか、妖精助けてくれるんじゃないの?何しにくんの?!」 B:「いや、だから、女子会なのに……なんで男性?」 D:「あれー?なんか騒がしいと思ったら、CとBさんじゃん、メリクリー」 C:「あ、D、それにEも。メリクリー」 E:「こんにちは」 D:「2人して騒いでどうしたのー?」 B:「いや、かくかくしかじかで」 E:「妖精さん?え、Aどゆこと」 D:「クリスマス?魔法?ちょっと面白そうじゃん?」 B:「そういう2人はどうしたの?」 E:「2人でポケ○ンやってた」 C:「ポケ○ンw暇なら2人も参加する? ちょうど人探してたし」 B:「もうすぐ妖精さん?もくるらしいしね」 E:「お、別にいーよ」 C:「ってか、妖精さんって一体誰なんだ?」 〜30分後〜 C:「いや、来なくない?」 B:「妖精さんとかやっぱいるわけ…」 妖:「呼んだ〜?」 D:「ん?なんだ今の声?」 妖:「お待たせしたぁ!妖精さんだよぉ〜」 E:「え…」 C:「嘘……」 B:「……」 妖:「『クリスマス限定 聖なる魔法サービス 妖精さん』から派遣されてきました!妖精です♪」 E:「いや、妖精っていうか……」 B:「Aちゃんじゃ……」 D:「A、何やってんの?」 妖:「A?違うよぉ〜、私は妖精だよぉ〜」 C:「絶対Aちゃんだよね?」 妖:「んー、もう!違うってば!その証拠に、今日はご依頼を叶えるべく魔法を見せちゃいます!女子会をやりたいんだよね?」 D:「魔法って……そんなの使えるわけないじゃん?」 妖:「むー!使えるもん!見ててよね!今から私の本領を発揮しちゃうんだから」 妖『メリーメリークリボッチ!ハピハピブレイクフェアリーズ!!!』 B:「え?え?!何何?!急に光が……」 B・C・D・E:「「「ぬわぁぁぁ」」」 BN:気づいた時、そこは私が知っているいつもの世界、のはずでした。でも、 B:「(低い男声で)ん?みんなは?あれ?まって、私なんか声が低く……?」 C:「(甲高い女声で)Bちゃん大丈夫?!」 D:「(甲高い女声で)があったの?!」 B:「え……?Cさん?D?2人ともどうしたの?まるで女の子みたいになってない?」 E:「(甲高い女声で)言ってるのBちゃん、2人は元々女の子じゃない」 B:「……!?E?!」 BN:私の目の前にいたのはまるで女の子な3人……ん?"元々”女の子? B:「え?どうなってるんだろう」 妖:「驚いたでしょう!Bちゃん!!」 B:「Aちゃん、これどーなってるの?!」 妖:「まぁだAちゃんいうかぁぁぁ!!だから私は妖精さんだって!!」 妖:「女子会をしたいっていうからBちゃんをみんな女子になってる世界に連れてきたんだよ?でもBちゃんだけ普通なのもつまんないから、男の子にしてみましたˉ̞̭ ( ›◡ु‹ ) ˄̻ ̊」 B:「それ結局女子会じゃなくない?!」 妖:「あ……まぁ、細かいことは気にしない、気にしない!」 B:「細かくなぁい!!」 D:「それにしてもBちゃんからクリスマス会のお誘い来るなんて〜」 E:「クリスマス一緒に過ごせるって夢見たい✨」 C:「そうね!私達、幸せ者だね」 B:「え?どういうこと?」 妖:「ふふふ、Bちゃんそれはね!2個目の特別サービス!男の子になったらさ、誰しも憧れると思うの、女子に囲まれるハーレム♪」 B:「ハーレムっていうか……ただの地獄絵図……」 D:「あ、Bちゃん、私ケーキ買ってきたよ!」 C:「私はおつまみとお酒!!」 E:「女子会始めようか!」 C:「Bちゃん、私がケーキあーんしてあ・げ・る♡」 E:「何言ってんの?!するのは私よ?」 D:「いいえ!私よ!!」 C・D・E:「「「Bちゃん、私よね!?」」」 B:「こんな世界いやだぁぁぁぁぁ!!!!」 (目覚ましの音) B:「………あれ?夢?……夢か、よかった」 (電話の音) B:「こんな朝から誰だろう?…あ、Aちゃんだ」 A:「あ、もしもしBちゃん?この前はごめんね〜女子会しようって言ったのに仕事になってさぁ」 B:「あ、いや、別に大丈夫だよ」 A:「終わりにさ、今度オンライン飲み会しよ!」 B:「お、いいね!」 A:「CさんとDとEに声かけてみたんだ!」 B:「あ……そ、そのメンツなんだ……」 A:「ん?だめ?」 B:「いや、全然!!」 A:「よかった!でさ!ちょっと面白いこと考えたのだけど、飲み会でさ、男女逆転ネタの声劇やらない?!その名も、『不思議な魔法で男女逆転ハーレm』 B:「ぜーーーっっったいにいやだぁぁぁぁ!!!」 B:「って夢を見たんだよね」 C:「え、それが初夢?!こっわ」 B:「でしょ?!怖いよね〜」 C:「クリぼっちのがマシだわ、てかもうお正月だし」 B:「それねw今更感w」 C:「てか、夢オチすら夢ってべたすぎない?」 B:「いや、夢でよかったよ、飲み会回避できたし」 C:「きっとAちゃんがまたやりたい言いだすよ。あ、ほらAちゃんがきた」 B:「嫌だ嫌だ、もうC子はたくさんだよぉ〜」 C:「おい!」 Fin キーワード:ファンタジー・6人・男3・女3・schön Ton・シェントン

  • 『メルティーキッス』作品:あれん

    ~登場人物~ ♂⤑1 ♀⤑1 ✰︎姉(♀)『21』 高校1年生・チョコ嫌い ✰︎弟(♂)『20』 小学6年生・チョコ大好き 『』⤑セリフ数 ~記号説明~ (N)⤑ナレーション 所要時間⤑約5分 ~あらすじ~ お留守番中の姉弟。 外は雪が降っており家で一緒にゲームをする事に。 【物語START】 弟 「あーー!またお姉ちゃんに負けたーー!! 大人気ないよーー!!」 姉 「高校生だからまだ子供ですー。」 弟 「僕からしたら大人だもん!」 姉 「私と4歳しか違うじゃん笑」 弟 「4歳は大きいの! 僕まだ小学生だし!」 姉 「はいはい笑」 弟 「もーなんで何回やってもお姉ちゃんに勝てないの!?」 姉 「そんなにカリカリしなさんな。 カリカリ梅になっちゃうぞ?」 弟 「えっそれは嫌。」 姉 「そんなカリカリ梅になりかけの君にこれをあげよう!」 弟 「あっメルティーキッスだ! ありがとー!」 姉 「貰い物だけどね。」 弟 「ねぇまだ食べたい!」 姉 「えっもうないよ。」 弟 「えっそうなの!?」 姉 「1つ貰っただけだからね。」 弟 「えぇー。 もっと食べたかったなー。」 姉 「んじゃコンビニ行ってらっしゃい。」 弟 「寒いから嫌だよー。 …CMみたいにこの雪が全部メルティーキッスになったらいいのになぁ。」 姉 「雪が全部メルティーキッスになったら大変なことになるよ?笑」 弟 「大丈夫! メルティーキッスが降ってきたらみんな幸せ! 天国だよ!」 姉 「私からしたら地獄だけどね。 じゃあ仕方がない。 可愛い弟の為に私がメルティーキッスを降らせてあげようではないか!」 弟 「えっお姉ちゃんそんなこと出来るの!?」 姉 「見てろー? 『冬のキッスは 雪のよおなくちどけ 降る雪が全部メルティーキッスなら いいのにな』」 弟 「CMソングじゃん笑 そんなんでメルティーキッスが降ってくるわけ…えっ!? メルティーキッス!! お姉ちゃん!メルティーキッスが降ってるよ!! 姉 「えっ頭おかしくなった? …って、えええええ!!!! な、何これ。 一面地獄絵図なんだけど。 っていうか地面めっちゃ穴空いてるんだけど。」 弟 「メルティーキッス取ってくる!!」 姉 「待て待て待て待て!! よく見て! CMみたいにふわふわ落ちてきてる? 違うよね!? これは兵器だよ!弾丸だよ! 外に出たら100パー死んじゃうよ!!」 弟 「メルティーキッスなら痛くないから大丈夫だよ!」 姉 「あほ! 地面見ろあほ! あとあの家の屋根見ろあほ!」 弟 「…あれ?」 姉 「やっぱりメルティーキッスに目がいって他のところに気付いていなかったか…」 弟 「えっなんで!? CMではふわふわ落ちてきて痛くなさそうなのに!!」 姉 「これが現実だ。」 弟 「現実って残酷…」 姉 「…のんびりしている暇はないみたい。」 弟 「えっ?」 姉 「この家も危ない。 あの斜め前の田中さん家みたいにボロボロになるのも時間の問題だよ。」 弟 「あっ田中さんの家が!!」 姉 「幸いにもこの家には地下にシェルターがあるからそこに逃げよう!」 姉(N) 『私たちはすぐさまシェルターに逃げ込んだ。 数分もしないうちに私の家もメルティーキッスによって破壊された。 メルティーキッスは冬が終わるのと同時に止み、私たちは数ヶ月ぶりに陽の光を浴びた。 喜んだのもつかの間、私たちの目には変わり果てた街の光景が広がっていた。 そう、私たちの街はメルティーキッスによって滅びたのだ。 もし私があの時メルティーキッスを弟にあげていなければ、メルティーキッスの歌を歌っていなければこんなことにはならなかったのだろうか。』 END キーワード:日常・コメディ・2人・男1・女1・あれん

  • 『Lady`s dream』作者:schön Ton

    【登場人物】 オリビア・・・貴族のお嬢様。元々は平民の娘であり、コツコツと真面目に働いて暮らしていたが、父親が事業を成功させたことにより突然貴族の娘になる。 エドワード・・・オリビアの専属執事。仕事は常に完璧でとても優雅にこなす。 父・・・オリビアの父。学者として資源となる石などを研究していたが、ある日研究が、思わぬ成果を得て伯爵としての爵位を得る。 【story】 コンコン(ノック音) エ:「失礼します。お嬢様。お茶の時間でございます」 オ:「あーーー!!!退屈退屈退屈ぅぅぅぅ!!!」 エ:「お嬢様。どうされましたか?」 オN:突然の声に、特に驚く様子もなく、執事はいつものように平然と部屋に入ってくる。 オ:「どうしたもこうしたもないわ!!毎日毎日、特にすることもなく同じことの繰り返し。本当に嫌気が差すわ!!」 エ:「では、本日は気分を変えて、お庭でティータイムといたしましょうか?」 オ:「そういう問題じゃないの!暇なの!こんなダラダラとした生活、お嬢様なんて私には性に合わないのよ」 エ:「そう言われましても・・・こればっかりは慣れていただくしか」 オ:「慣れるわけないじゃない。私は貴族じゃないの!!そこら辺にいる平民の娘なのよ」 エ:「今は違います。あなたは、天才的研究で貴重な資源を発掘し、新たな事業を産んだクラーク伯爵のお嬢様、クラーク家の御令嬢なのですから」 オN:そう、私は少し前までどこにでもいる町娘であった。毎日出稼ぎに行き、帰ってくると家のことをする。父は学者として様々な資源の研究をしていた。特別貧しくもなく、特別裕福でもない。真面目にコツコツと働いていれば、それなりにまともな生活を送れる、そんな環境で暮らしていたのだ。そんな私が、どうして今、こんな風にお嬢様と呼ばれ、執事なんていう大層な存在をそばに置いているのか。 それは数ヶ月前のことだ。長年続けてきた父の研究が突然成果をあげ、世の中に大きな影響をもたらした。それは莫大な資産となり、父は街の学者からたちまち伯爵へと爵位を得ることとなる。それに伴って、私も『町娘オリビア』から『クラーク令嬢』となった。生活は一変し、毎日出稼ぎに出る必要など当然なくなり、忙しく質素な生活を送っていた私は、急に退屈で無駄に優雅な日常へと放り投げられたのだ。 オ:「こんな生活、私には耐えられないわ。私はゆったりとお茶を飲む時間よりも、忙しく汗を流しながら働いている時間の方が大好きなの」 エ:「・・・」 オ:「お父さんもお父さんだわ。研究が身を結んだのは確かに喜ばしいことだし、爵位を頂いたのはとても凄いことだけど、だからと言って、こんな風に生活をガラリと変える必要なんてなかったのに・・・お父さんは今までの生活が嫌いだったのかしら・・・」 エ:「お嬢様、そんなことはございません」 オ:「いいえ!そんなことある!!きっと不満だったんだわ」 エ:「オリビアお嬢様、旦那様には旦那様なりのお考えがあるのです」 オ:「考え?エドワード、あなたがお父さまの何を知ってるっていうのよ!!」 エ:「はぁ、仕方ありません。本当は旦那様には口止めされていたのですが、お話しいたしましょう」 オ:「口止め?」 エ:「はい。オリビアお嬢様、旦那様が今の生活をお選びになったのは、決して以前の生活に不満があったからでも、ましてや嫌いだったからでもありません。旦那様はむしろ、お嬢様と二人、穏やかに支え合いながら生きる生活に幸せを感じていたとおっしゃっています」 オ:「だったらどうして・・・」 エ:「旦那様はただ、お嬢様に幸せに暮らして欲しかっただけなのです。年頃の娘にせっせと働くことを強いてしまい、好きなことを何一つさせてやれていなかったと、そう悔やんでいられたのです。だから、研究が成功した今、お嬢様には目一杯好きなことをして幸せに暮らしてほしい。それが旦那様の一番の想いなのです」 オ:「お父さんがそんなことを・・・。でも、私とっての幸せはあの家に、あの暮らしにあったのよ。お父さんには申し訳ないけど、こんな風に無駄な時間がただ流れているだけの生活、幸せとは思えないの」 エ:「失礼ながら申し上げます。今が無駄な時間と感じられるのは、お嬢様自身がそうしてしまっているからではないですか?」 オ:「というと?」 エ:「確かに生活は豊かになり、お金の心配もいらない。今までみたいに、汗水垂らして働く必要は無くなったかもしれません。身の回りのことも私達使用人がいたします。でも、それは決して何もしてはいけないということではございません。」 オ:「それはそうだけど・・・」 エ:「無限にある時間、莫大な資産、それらがお嬢様にもたらすのは、贅沢でも退屈でもありません。できることの可能性を増やしてくれるものではないでしょうか?使い方はお嬢様次第なのです」 オ:「・・・」 エ:「旦那様がお嬢様にお与えになりたかったのは、そういうものなのです。思い出してください。あなたの夢はなんですか?やりたいことはないのですか?」 オ:「あっ・・・・」 オN:私のやりたいこと・・・。 ➖➖➖➖回想➖➖➖➖ オ:「ねえねえお父さん!」 父:「なんだいオリビア」 オ:「お父さんの研究は、キラキラな綺麗な石もいっぱい見つかるんでしょ?」 父:「ああ、そうだね、宝石の原石なんかもいっぱい見つかるよ」 オ:「オリビアね、大きくなったら、お父さんの見つけた宝石で素敵なアクセサリーを作りたい!!」 父:「ほう、オリビアはアクセサリーが欲しいのか」 オ:「ううん、違うの。欲しいんじゃなくて、作りたいの!そしてね、お店を開くの!たくさんの女の子がお父さんの見つけた宝石で幸せに慣れたら最高だなぁって!!」 父:「!!オリビア・・・そうだね、素敵だ、とっても素敵な夢だね」 オ:「でしょでしょ!!」 父:「それなら父さんはもっともっと頑張って、いっぱい宝石を見つけなくちゃなぁ」 ➖➖➖➖➖➖➖ オN:お父さん・・・あのこと覚えてたんだ。 オ:「ねえ、エドワード」 エ:「はい、なんでございましょうか。お嬢様」 オ:「やっぱり今日のお茶はお庭でいただくわ」 エ:「かしこまりました」 オ:「それから」 エ:「はい」 オ:「私、家庭教師を雇いたいわ」 エ:「家庭教師、でございますか」 オ:「ええ。貴族としての教養と、そして、色んな知識を学びたいの」 エ:「ふむ、知識ですか。どのような?」 オ:「お店を立ち上げたいのよ。そのために必要な、経営の知識や役立つものを片っぱしから学ぶの!私、勉強なんて全くしてこなかったから」 エ:「かしこまりました。手配いたしましょう」 オ:「ありがとう」 エ:「・・・差し支えなければお聞きしてもよろしいでしょうか」 オ:「ええ、いいわよ」 エ:「一体なんのお店を?」 オ:「世界一美しい宝石の並ぶお店」 エ:「・・・とても素敵なお店でございます。オリビアお嬢様」 エN:日常というのは、どんなふうにも変えることができる。自分次第で無限大な可能性が生まれてくる。つまらないとそこで座り込んだりせず、少し視点を変えて、一歩を踏み出せば、新しい世界が広がっていくのだろう。これは、彼女が新しい一歩を踏み出す、始まりの物語。 Fin キーワード:ファンタジー・3人・男2・女1

  • 『貴方と、未来へ。』作者:一桜麗

    ○登場キャラクター ・咲空(さくら)/大学 2 年生 妹思いの優しい姉。妹の澄花とずっと二人暮らしをしている為「自分が妹を守らなければ」 という思いが強い。人一倍責任感があってしっかり者。小さい頃からピアニストになりたい という夢があり、毎日その夢に向かってひたすらピアノ練習を続けている。 (台本内での表記→「さ」) ・澄花(すみか)/高校 2 年生 姉思いの元気な妹。毎日夢に向かって輝く姉が大好きで、姉の夢の実現を心から応援してい る。自分も何か姉のように夢を持ちたいが、特にやりたい事や夢中になれる物が無く、将来 について悩んでいる。実はかなりの甘えんぼう。 (台本内での表記→「す」) ・ピアノの先生 オカマ。 ╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌ · · · ╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌ 【START】 ──────────────────────────── 〈姉(咲空)帰宅〉 《効果音:ドアガチャ》 す:あ、お姉ちゃん帰ってきた!お帰り!お疲れ様〜! 《ここからお好きな BGM や曲をおかけください》 さ:ただいま、ありがと!今日も疲れた〜 す:レッスンはどうだった?今日はちゃんと指、動いた? さ:うん、まあまあと言った所。でも、小さいミスは昨日よりも確実に減ったよー! す:そっかぁ!それなら良かった!さっすが未来のピアニストのお姉ちゃんだね。 さ:いやぁ、技術としては全っ然下っ端。プロへの道はまだまだ遠いよ...ん?なんかリビン グに音楽かかってる? す:お、気付いた〜? さ:これ、メロディも綺麗だしテンポ感も良いし落ち着くね。凄く好き...!なんて曲? す:えっと、これは...作曲者がまだプロとしてデビューしてないから、曲名も決まってない んだよ! さ:そうなんだ!初めて聴いた曲だけど私この曲気に入ったよ。その作曲者さん、きっとこ れからもいっぱい素敵な曲を作るんだろうなぁ... す:...えへへへっ さ:どしたの?なんで笑ってんのよ〜 す:ん〜〜〜とね......やっぱなし!内緒!! さ:えええええ何何気になる!!教えて教えて!!! す:ほ〜らお姉ちゃんはさっさとお風呂入っちゃってね〜今日もお疲れでしょ〜 さ:ちょちょちょ!!誤魔化すなってええええ!!!! ──────────────────────────── 〈寛ぎながら〉 す:そいえばお姉ちゃん、今日高校で進路の話してきたんだよね。 さ:あ〜そうなんだ。もう澄花もそんな時期か... す:うん、周りの友達もみんな夢があって、将来が見えていて、凄いなぁって...ちょっとだ け焦っちゃった。お姉ちゃんも毎日「ピアニスト」っていう夢に向かって、真っ直ぐ一生懸命 に進んでるでしょ。それなのに私は、将来の夢なんか全然... さ:澄花、澄花のやりたい事ってなぁに? す:え?だからお姉ちゃん、夢すらないのに私の将来やりたい事なんて... さ:ううん、澄花の「今」やりたい事だよ。 す:...今? さ:そう。「自分が前からずっと好きな事」とか、「最近ハマり始めた物」とか!夢を無理に見 ようとしなくていいの。自分が好きな事って意外と将来に繋がってるし、なんとなく、今澄 花は遠くを見すぎてるような気がする...自分の近くを一旦見てみてごらん。きっと何か発 見があるはず。 す:自分の近く、か... さ:そう。それにね、自分のやりたい事に本気になるって凄く楽しいよ。澄花の本気でやり たい事ってなぁに? す:私の、自分の、本気でやりたい事... さ:今日は色々考えちゃって疲れたでしょ、今夜は早めに寝な。 す:うん。おやすみ、お姉ちゃん。 ──────────────────────────── 〈突然の電話〉 《効果音:電話着信音》 さ:あれ、電話だ。澄花取れる? す:分かった! す:もしもし!...はい...あ、澄花です!...はい...はい...あ、分かりましたー!お姉ちゃん! ピアノ教室の先生から電話! さ:先生から?分かった、代わるよ〜...もしもし、お電話代わりました咲空です。 先生:もしもし、咲空ちゃん?なんと今日は大ニュースがあるのよ!!!! さ:え、あ、えっ...なんでしょうか? 先生:この前咲空ちゃんの練習曲をビデオに撮って、そのデータをピアノコンクールに送っ たじゃない?ビデオ審査ってやつ。 さ:そうですね...でも私確かその審査、落とされちゃいましたよね? 先生:確かに落とされたわ...「日本」の中ではね。 さ:日本の中、では...? 先生:なんとね、あなたのビデオが海外の有名な音楽プロデューサーの目に止まって、あな たのピアノを大絶賛してるらしいのよ!! さ:え、海外のプロデューサーが!? 先生:そうなのよ〜!!あなたの演奏が国を超えた人達の心を掴んだのよ。うふふふふ♡... てなわけで咲空ちゃん、1 ヶ月にはオーストリアのウィーンに飛んでもらうわ♡ さ:...え? 先生:え?じゃないわよ。有名プロデューサーがあなたの実力を生で見たいとせっかくおっ しゃってるんだから!!よっぽどの失敗をしない限り、もうあなたはピアニストとしてデ ビューは確実よ...デビュー後はそのままウィーンで活躍してもらうわ!!ま〜あなたも成 長したわね、先生もあなたが生徒で鼻が高いわ...あ、もちろんご家族や友達と一緒に来るの はダメよ。あなたの実力を見たくて呼ばれているのだから、他の方達は日本でお留守番にな るわね... さ:ちょっ...ちょっと待ってください!!!うちは高 2 の妹と 2 人暮らしなんですよ!? あの子を 1 人で置いて行くなんて、そんな... 先生:じゃ、そろそろ切るわね!!あーもう早くこの事を話したくてうずうずしてたの よ!!!ウィーンから届いた資料をあなたに渡しときたいから、明日の夕方くらいにピア ノ教室に来てちょうだい。手続きも終わらせちゃいたいから、行くのか行かないのかなるべ く早めに決めといてちょうだいね。音楽の都!ウィーン!!ほんと楽しみね〜うふふふふ さ:あっちょっと先生!?!? 《効果音:電話の切れる音》 さ:海外...? す:ん、お姉ちゃんどうしたの?そんなに驚いた顔して さ:あ、いや、えっと...何でも、ないよ... す:...?? ──────────────────────────── 〈資料を渡された日の夜〉 さ:はぁ...はぁ...おっも。いくら何でも資料 20 冊って...多すぎでしょ。それにしても...ど うしよう。いつあの子に言おう。姉としても澄花を 1 人で残して行くのは不安だからまだ 見守ってたいし...でも夢がすぐそばに...う〜...頭がおかしくなりそう...あ、家着いちゃっ た。普段通り普段通り... 《効果音:ドアガチャ》 す:あ、お姉ちゃんお帰り〜!...ってどうしたのその大荷物!? さ:あっ...えっとこれは...資料だよ!! す:なんの資料?大学のやつとか? さ:あぁっそうそう!!そんな感じ!!あはははは...(苦笑) す:ちょっとお姉ちゃん、どうしたの?なんか昨日から変だよ。 さ:ごっごめんね、多分私疲れてるんだ、ちょっと今日は早めに寝るね す:ちょっとお姉ちゃん!!! 《効果音:ドアガチャ》 す:まったくも〜お姉ちゃんったら。急に慌ててどうしたんだろう...あれ、なんか落ちてる ... 《効果音:紙ペラ》 す:...ん?何これ。「海外審査合格のお知らせ」...? ──────────────────────────── 〈決心〉 《効果音:ドアノック》 《効果音:ドアガチャ》 す:お姉ちゃん!なんか落ちてたよ〜 さ:んあ、落ちちゃってた?ありがとうね... す:...お姉ちゃん、見たよ。海外審査合格でしょ...本当におめでとう! さ:え、何でそれを...もしかして、落ちたのって... す:うん、これ。合格通知の紙。...行くんでしょ?ウィーン。音楽の都。 さ:...っ... す:私応援してるよ!!お姉ちゃん、頑張ってね!! さ:...行かないよ、私。大切な妹を、たった 1 人日本に置いて行けるわけがないよ。だって まだ澄花は高校 2 年生だよ、進路や勉強や友達関係にまだまだいっぱい悩む時期。そんな 時に相談相手のお姉ちゃんが傍に居てあげなきゃ... す:私、大丈夫。 さ:...!? す:お姉ちゃんにはね、絶対にピアニストになって欲しいの。それはお姉ちゃんの事を一番 近くで見てきた妹の私だからこその願い。お姉ちゃんは、妹の私をずっと守ってくれた。ど んな時も、何があっても、親がいない寂しさを感じさせない程の愛情をたくさんたくさんく れたの。私はもう十分。大丈夫。だから、私の事は気にしないで大事なチャンスを掴んで。 目の前の夢を掴んで。 さ:澄花...寂しくないの? す:ふぇ?さっ寂しくなんかないよ!!だってお姉ちゃんが海外に行ってデビュー出来る んだよ!?寂しいって気持ちだけで引き止めちゃったら、せっかくのお姉ちゃんの夢が... さ:ねえ、寂しくないんだったら...さ。なんで澄花はそんなに...辛そうな顔してるの...? す:...っ...だって、ずっと一緒だったお姉ちゃんが...来月にはいなくなっちゃ...あれ、なん か涙が止まらな... さ:...澄花、おいで。 す:(泣き崩れる) さ:寂しくなっちゃったの? す:うん...っ...でもね、咲空にはぴあにすとになって欲しいの... さ:そっか...うん、澄花は本当に優しい子だね。よしよし... す:あのさ、咲空はさ、澄花と離れちゃったらさみしい...? さ:...もちろんだよ。お姉ちゃんも寂しいに...決まってるよ。こんなに可愛い妹を 1 人置い て行くなんて...辛いよ。(泣きながら) す:...咲空。 さ:...なぁに? す:ウィーンに行って、絶対に夢を叶えてきて。今引き止めちゃったら、澄花はこれから一 生後悔すると思うの。だから、お願い。夢を掴んで。それが澄花からのお願い。約束。 さ:...うん、分かった。約束。 す:あとね、...来月お姉ちゃんが飛行機に乗る日まで、いっぱいいっぱい構って欲しい。ち あの、甘えてもいい...? さ:...もちろんだよ!かわいい妹め。いーっぱい、思う存分、甘えておいで。 ───────────────────┄──────── 〈夢への旅立ち〉 す:忘れ物はない?パスポートは持った? さ:ちゃーんと持ちましたっ!も〜澄花ったらはりきりすぎ〜 す:だーってだってだって今日はお姉ちゃんがピアニストへの道を大きく踏み出す日だ よ!!!もうわくわくで昨日は全然寝れなかった... さ:まったくもう笑 《効果音:ぴんぽんぱんぽーん》 さ:あ、アナウンス鳴ってる...そろそろ行かなきゃ。...澄花!こっちおいで。 す:はぁい! さ:1 か月前、澄花が寂しさをぐっと堪えながら、海外への背中を押してくれたから。「目 の夢を掴んで」...そう、澄花が言ってくれたから。今お姉ちゃんはこうして空港に居ます。 あなたに、心からのありがとうを改めて伝えたくて。 す:私からも、ありがとう...今本当にやりたい事を気付かせてくれて。 さ:澄花の本当にやりたい事...? す:私ね...将来の夢、決めたの。海外で活躍する作曲家だよ。 さ:作曲家...?あ、もしかして。前にリビングでかかってた、あの名前のない曲って... す:うん、実は私が作ったんだ。昔から音楽に楽しそうに触れている姿を見てきて、なんだ か私もやってみたくなっちゃったというか...最近試しに適当に曲を作ってみたら、どんど ん楽しくなってきちゃって。あの時お姉ちゃんに曲を褒められて、更に自信がついたんだ... さ:そっかそっか...!じゃあ...お姉ちゃんからも 1 つだけ約束、いい? す:なぁに? さ:将来作曲家になったら...プロのピアニストのお姉ちゃんに 1 曲、作って欲しいな。私、 澄花の作った曲をピアノで弾きたい。絶対姉妹一緒にステージに乗ろう。 す:...えへへ、分かった。約束。 さ:澄花がやりたい事を、ただ一直線に、真っ直ぐ進むんだよ。お姉ちゃんは、好きな事に きらきら目を輝かせている妹が大好きなんだから。どんな時もお姉ちゃんが味方。...それを 忘れないで。 す:うん、ありがとうお姉ちゃん。いつか絶対有名な作曲家になってそっちに行くから。ウ ィーンで待っててね。 さ:待ってる。約束だよ。 す:うん、約束。また会う日まで。 さ:また...会う日まで。 ──────────────────────────── 【END】 キーワード:家族・感動・3人・男1・女2・一桜麗

  • 『ハッピーバッドエンド』作者:ゆーたん

    2~3人用 人物 航平(男) 真奈美(女) 花屋(女) ~概要~ 真奈美が事故で亡くなってから10年、 主人公航平は日々後悔をしてた。 彼女に告白の返事が聞けないまま10年がたとうとした時、ある一言がきっかけで彼女にもう一度会いたいと一輪の花を置き願う。 〈STORY〉 もう…何年たったのだろうか。 どれくらいの月日がたったのだろうか。 いつからだろう 君が…いつだって俺を支えてくれた真奈美がこの世から居なくなったのは。。。 いつも元気で素直で優しい真奈美は小さい時からの幼馴染で、いつもよく遊んでいた。 中学1年の時、俺から彼女に告白をしたその日に真奈美は事故で亡くなった。 そうまさに今日開催されている夏祭りの夜に。。。 もう10年かー、結局彼女の返事は聞けないままだったな… あれからこの祭りの雰囲気は正直好きじゃない。 真奈美が居ない祭りなんて… あぁ、真奈美がいたあの頃の夏祭りはどうだっただろうか。 ~回想~ 真奈美「ねぇーこーへー。」 航平「ん?どした?」 真奈美「一緒に帰らない?」 航平「あぁ、いいよ!」 真奈美「ふふっ!はい、引っかかった!」 航平「なんだよ?」 真奈美「こーへー今日補習でしょ?なーに帰ろうとしてんの?」 「テスト赤点だったみたいだね、ほんと昔からバカなんだから」 航平「げっ、バレてたのかよ!この事知ってるの源太と弘樹だけだぞ?」 真奈美「その源太君と弘樹君に聞いたんだよ!」 「2人が急いで走ってきて、私に「お願いだ真奈美!あいつを、航平を助けてやってくれ!」って2人とも息を乱しながら」 航平「あいつらが?なんでだよ!w」 真奈美「これからの夏休み成績悪い人は学校で補習あるじゃない?え?まさかこのこと知らなかったの?」 航平「うそだろ。。。じゃあ俺はもうバラの夏休みをおくれないんじゃ」 真奈美「来週、赤点だった人達の再テストがあるみたいだからまだチャンスはある!だから私が頼まれたんじゃない!」 航平「え?マジか、って事は???」 真奈美「付き合ってあげるよ、勉強。」 航平「おぉーまじか!あぁー神様まなみ様 !君って奴は本当にさいこーの幼馴染じゃあねぇーか!」 「んじゃ明日からって事で!…」 真奈美「今からするの!もうこーへーは本当こういう事はちっともダメダメなんだから」 航平「ん?って事は他のことはかっこいいってことか!」 真奈美「そ、そんな事…言ってないし(照れながら)」 「とにかく今日からビシビシ教えるからね!」~ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 真奈美「この数式はこうしてこうして…」 航平「なぁ真奈美?」 真奈美「んー?」 航平「おまえってさ今好きな奴いるの?」 真奈美「え?なに急に?どうしたの?w」 航平「いやーさ、こういう話って今まででした事ねーと思ってさ」 真奈美「え?んじゃあ私が今、教えてる事は頭に入っていないと?」 航平「いやいやいや、両方考えてた!…と思う」 真奈美「それならいいんだけど…好きな人ねー多分いないかな?」 航平「え?多分ってどういうことだよ?」 真奈美「うーんなんて言うんだろ…気になってる人は。。。いる」 航平「へーそうなんだぁ」 真奈美「一応!私も聞く。こーへーは?」 航平「一応ってなんだよ!…いるよ好きな人。」 真奈美「え?そうなんだぁー誰?w」 航平「そ、それは教えない!ってか絶対に言わない!」 絶対に言えない…ってかこのタイミングじゃあ言えない。お前が好きだって、ずっとずっと前から好きだなんて… ってか、真奈美…気になってる人いるって言ってたけど…誰なんだろ?あいつ結構可愛いし人気あるし、それに… 真奈美「おーい、こーへー?」 航平「あ、ごめんごめん。よし!勉強すっか!」 航平「なぁまなみ?」 真奈美「まーだなにか?」 航平「もし俺が再テスト切り抜けれたら見事 真奈美のおかげってことになる!」 真奈美「なに?その言い方w」 航平「まぁまて、だからさ、再テスト合格したら…今年の夏祭り一緒に行かね?」 真奈美「えぇ!?んー…いいよ、行ってあげる。」 航平「よっしゃ、なんか分かんないけど気合い入ったかも!」 真奈美「て言うか毎年一緒に行ってるじゃん、私の家族とこーへーの家族とで」 航平「まぁそうだけど…今回は家族無しで…たまには2人でもいいんじゃね!?」 真奈美「それじゃあ、今年は浴衣来てこようかなぁ?」 航平「激アツじゃん!」 真奈美「だからこそ再テスト合格しなきゃね!」 航平「うぅ。。。分かってるよ。」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ そして再テストも無事合格して祭りの当日となり俺は浴衣を着ている綺麗な君に告白をした。 ちょっと待っててと彼女はそう言いそのまま二度と真奈美が帰ってくることは無かった。 その時は振られたのかって… 後に事故で亡くなったと聞いたおれは頭が真っ白になった、後悔をしてた。「あの時引き止めていたら…」次の日の朝に告白した展望台に行ってみるとそこには見たことの無い花が1輪ベンチに置いていた。 その時はただの花としか思わなかった。 後にアングレカムの花だと知った僕はそれから毎年のこの夏祭りの日、展望台の隅っこにアングレカムの花を置くことにした。 今年で10回目だな… 10年前がつい昨日のように思えてしまう。 あの時、あの瞬間の真奈美の姿がまだ鮮明に記憶に残ってる。 祭りの終わり際、前もって注文してる近所の花屋にアングレカムの花を取りに行く。 もう…こんな時間か。。。 花屋「こーへー君いらっしゃい!」 航平「おばさんこんばんは!」 花屋「はいこれ、アングレカムの花。」 航平「いつもすいません。」 花屋「そんな事別にいいのよ!それより…今日が10年目になるのよね。」 航平「はい。」 花屋「今回は料金はいらないわ」 航平「お気遣いありがとうございます。でもこれは俺からの花なので…すいません。」 「それにしても今日も色んな花が置いてあってみんな優しい匂いがしますね。」 「確か花にはそれぞれ思いが込められてるってのを聞いた事があります。」 花屋「それを花言葉って言うのよ。」 「例えばバラの花言葉は愛情。チューリップの花言葉は愛の告白とかね。その時の気持ちを花に込めてプレゼントしたりするのよ。」 航平「へぇー!そうなんですね。勉強になります!じゃあこのアングレカムの花言葉って分かります?」 花屋「そうね、アングレカムの花言葉はとても素敵よ、花言葉は…」 アングレカムの花言葉を聞いた僕は唖然とし、その瞬間、涙が止まらなかった。 花屋「こーへー君?どうしたの?」 航平「おばさん、ありがとう、おかげでやっと分かったよ!今から会いに行ってくる!」 花屋「え?あぁ、うん。気をつけてね。無理はしないように」 航平「今まででなんで気付かなかったんだろ、なんでこんな事が分からなかったんだよ。。。真奈美の答えはもう出てたのに…なんで今更気づいたんだよ!!!」 「展望台に行こう。今日が終わるのはあと何時間後だろ?…あと1時間しかない。。。急いで向かおう。長い時間待たせてしまったこと、謝りたい。そしてまた僕の想いを伝えたい」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「はぁはぁ1年ぶりだなぁ、ここだけは本当に昔から変わってないな。」 展望台、ここは昔からのジンクスみたいなのがある。 「想いが強き者には天をも貫かん」 言わば願いが叶うと言う都市伝説みたいなものだ。 真奈美が亡くなってからの祭りの雰囲気は嫌いだった。だけど今は違う。 「今なら…また…君に会えるかな?」 また涙が溢れ出る。 「真奈美…待たせてしまったこと本当にごめん。この花を置いたのは君だったんだね。」 僕はアングレカムの花をそっとベンチに置いた。 「会いたい…嘘でもいいから、夢でもいいからもう一度君に会いたい。」 「神様、お願いします。一生のお願いです。真奈美にもう一度会いたいです。会って待たせてしまったこと、俺の想いを伝えたい。彼女の笑顔をまた僕に下さい。」 後30分しかない?! 今日なんだ、、、今日じゃなきゃダメだ! ここで思いを伝えないとまた後悔してしまう。 「神様…真奈美…顔を見せてくれ…」 「アングレカムの花が…消えていく…」 真奈美「こーへー?」 航平「え?ま、なみ?真奈美なのか?」 真奈美「やっと会えた。」「やっと気付いてくた…もう、バカ。」 航平「やっぱり、君が花を置いてくれたんだ」 真奈美「うん。そうだよ、あの日こーへーから告白してくれてびっくりしたけどすごく嬉しかった。私もこーへーの気持ちに応えたいってだからすぐ近くの花屋さんに行って私の好きな花を…花言葉を渡したかったの、だけど出来なかった…だから私の想いをこの花に込めて展望台のベンチに置いたの。」 「嬉しい。本当に叶ったんだね。ありがとうこーへー。」 航平(彼女笑った顔を久しぶりに見た。みるみる涙が溢れ出てくる。) 航平「遅くなってごめん。返事を待ってたのは真奈美の方だったんだな。ほんとにごめん。」 真奈美「ううん。いいの、みんなに会えなくなったのは正直寂しい…みんな悲しんでたと思う。だけど私はこーへーのあの告白が嬉しかったの、こーへーじゃあなきゃダメだってそう思ったの。こうやってまた貴方と出逢えて…あれ?私も泣いてる?幽霊なのに?死んじゃたのに???」 航平「ほんとだ、2人して泣いてるじゃん」 「…なぁ真奈美。」 真奈美「ん?」 航平「俺はお前が好きだ。」 真奈美「うん。私も大好きだよ。」 ゴーンゴーン 航平「鐘がなった。日にちが変わろうとしてる合図だ。」 真奈美「私はここまでみたい。」 航平「なんで?!まだ話したいのに…逢えたばかりなのに?!」 真奈美「そんな感じがするの。成仏って言うのかな?笑」 「こーへー?改めて、本当にまた会えて嬉しかった。あなたの顔を見れて良かった。貴方の声が聞けて良かった。」 「最後に、再テストに出るかもしれない問題です!アングレカムの花言葉はなんでしょうか?」 航平「あぁ、もう忘れないよ、一生忘れてたまるか…真奈美ありがとうそしてこれからも君の事は忘れない…」 「花言葉は…」 一緒にもしくは航平「~いつまでも貴方と一緒に~」 END キーワード:恋愛・感動・3人・男・女2

  • 『狐の恋』作者:あれん

    ~登場人物~ ♂⤑2 ✰︎斉藤 咲耶(♂)『38』 東京の大学に通う一年生 ✰︎シロ(♂)『13』 神社を守る白銀の九尾の狐 『』⤑セリフ数 ~記号説明~ (幼)⤑幼少期(小学一年) (N)⤑ナレーション 所要時間⤑約7分 【物語START】 斉藤 咲耶(幼) 「きょうはちがうみちでかえろー!」 斉藤 咲耶(N) 「小さい頃俺は東京の田舎の方に住んでいた。 小学一年生のある日の学校帰り、いつもとは違う道で帰った。 すると、古びた神社を見つけた。」 斉藤 咲耶(幼) 「じんじゃ?」 斉藤 咲耶(N) 「好奇心旺盛な俺は神社に立ち寄った。 少しすると騒がしい声が聞こえた。」 斉藤 咲耶(幼) 「だれかいるのかな?」 斉藤 咲耶(N) 「俺は声のする方へ歩いた。 そこには5年生ぐらいの男子3人が円になり何か蹴っていた。 何を蹴っているのか気になった俺はそれを覗き込んだ。 そこには白銀に染まった綺麗な毛並みの子狐がいた。 …いや、ただの子狐じゃない。」 斉藤 咲耶(幼) 「なにしてるの!! きつねさんがかわいそうだよ!!」 斉藤 咲耶(N) 「俺は止めに入った。 だが、3人はやめようとしない。」 斉藤 咲耶(幼) 「やめて!!」 斉藤 咲耶(N) 「俺は子狐に覆い被さるように庇った。 すると3人は一瞬蹴るのを止めたが標的を俺に変え再び蹴り始めた。 俺は耐えた。 俺が今逃げたら子狐がまた虐められる。 そう思ったから。 少しすると、3人はつまらなそうに帰って行った。」 斉藤 咲耶(幼) 「きつねさん…だいじょうぶ?」(痛みを耐えている) 狐(シロ) 「キューン…」 斉藤 咲耶(N) 「子狐は俺の頬(ほお)を舐める。」 斉藤 咲耶(幼) 「あはははは! くすぐったいよー! …きつねさん、しっぽがいっぱいあるね! もふもふだー!」 斉藤 咲耶(N) 「そう、ただの子狐ではなく9本の尻尾が生えた九尾の狐だった。 俺はその日から子狐とよく遊ぶようになり、子狐に『シロ』と名前を付けた。 そんな楽しい時間も長くは続かず小学三年生の頃俺は親の転勤で引越しをした。 それ以来シロとは会っていない。」 斉藤 咲耶 「…この神社懐かしいな…。 何年ぶりだ? …シロ、元気かな?」 斉藤 咲耶(N) 「俺は今大学1年生。 東京の大学へ進学することになり、一人暮らしをする為東京に戻ってきた。 久しぶりの地元は昔とは大分変わっていたがここだけは変わっていなかった。」 斉藤 咲耶 「あれっ誰かいる。」 斉藤 咲耶(N) 「神社の前で銀髪の美青年が座っていた。 不思議に思い見ているとその青年は俺に気付き、次の瞬間」 青年(シロ) 「咲耶!!」 斉藤 咲耶 「えっ?」 斉藤 咲耶(N) 「俺の元へ走り俺のことをいきなり抱きしめた。」 斉藤 咲耶 「ちょっちょっと!! 貴方誰ですか!?」 青年(シロ) 「…えっ、俺のこと…忘れたのか?」 斉藤 咲耶 「貴方みたいな美青年は俺の友達にはいません!!」 青年(シロ) 「…あっそうか、人間の姿で会うのは初めてだったな。」 斉藤 咲耶(N) 「そう言った瞬間、その青年は綺麗な白銀の毛並みの、神社程の大きな狐に変化(へんげ)した。」 斉藤 咲耶 「えっ… もしかして…シロ?」 シロ 「そうだ。 覚えてくれてたんだな。 いきなり俺の前からいなくなって寂しかったんだぞ。」 斉藤 咲耶 「それは…ごめん… いきなり父さんの転勤が決まって急に引越ししたんだ。 だからシロに挨拶出来なかった。」 シロ 「そうだったんだな。 まあ、寂しかった事実は変わらない。 お詫びとして寂しさを埋めてくれ。」 斉藤 咲耶 「っ!!」 斉藤 咲耶(N) 「シロは俺を抱きしめた。 …狐のまま。」 斉藤 咲耶 「んんんんんんんん!!!!」 (口が塞がって苦しがっている) シロ 「ん? どうしたんだ? …あっすまない、これじゃ息が出来ないな(笑 これでいいか?」 斉藤 咲耶(N) 「人間に化けたシロは再び俺を抱きしめた。」 シロ 「あー、咲耶の匂いだ…」 斉藤 咲耶 「おいそんなに嗅ぐなよ。 俺臭いぞ。」 シロ 「いやいい匂いだぞ。 すごく美味そうな匂いがする。」 斉藤 咲耶 「美味そうって(笑 俺は食えないぞ(笑」 シロ 「食べれるぞ。」 斉藤 咲耶 「!?」 斉藤 咲耶(N) 「そう言うとシロは俺にキスをした。」 斉藤 咲耶 「シ、シロ?」 シロ 「ずっと待ってたんだ。 大好きな大好きな俺の咲耶が帰ってくるのをな。」 斉藤 咲耶(N) 「そう言うとシロは激しいキスをした。」 斉藤 咲耶 「…はぁ、はぁ、シロ…こんなところで、恥ずかしい…」 シロ 「ふーん? んじゃここじゃないとこだと思う存分食べていいんだな?」 斉藤 咲耶 「えっ?そういうことじゃ… ってシロ!?」 シロ 「続きは中でしようか? 今日は帰さないからな?」 斉藤 咲耶(N) 「シロは俺を抱え神社の中へと入っていった。 そのあと2人がどうなったかは、皆さんのご想像にお任せします。」 END キーワード:BL・人外・2人・男2・あれん

  • 『俺は永遠の夢を見る』作者:あれん

    ~登場人物~ ♂⤑2 ✰︎アシル(♂)『80』 冒険者を目指す普通の男の子・不死者 ✰︎ディオン(♂)『46』 悪魔・好物は人間 『』⤑セリフ数 ~記号説明~ (N)⤑ナレーション 所要時間⤑15〜20分 【物語START】 アシル 「もう嫌だ…やめてくれ…痛いのはもう嫌だ!!」 ~間~ アシル 「んんーー!(伸びをする) 今日も良い天気だなー! 絶好の修行日和だなー!」 アシル(N) 『俺はアシル。冒険者を目指す、ごく普通の村人だ。 この村では15歳になったら村を出ることが許されている。 俺は今14。 だから15の誕生日になったらすぐに出て冒険をするんだ。 でも、双子の妹セシルに言うと、行かないでくれと泣いてしまう…どうしたらいいんだろう…』 アシル 「…って、こんなこと考えててもしょうがねぇ! 俺は誰がなんと言おうと村を出るって決めたんだ! だから修行してもっと強くなるぞ!!」 アシル(N) 『俺は修行をする為、いつもの森へと出掛けた。 そして時間はあっという間に流れ、夜。』 アシル 「はぁ…やり過ぎた…もうこんな時間か… 早く戻らないとみんな心配するな!」 ~走る~ アシル 「ん?なんか村の方が騒がしいな? 今日なんか祭りでもあったっけ?」 アシル(N) 『疑問に思いつつ村へと向かう。 村についた俺は目を疑った。 目の前には変わり果てた村の姿、変わり果てた村人の姿があった。』 アシル 「…な、なんだ…これは… はっ!! みんなは!?父さん、母さん、セシルは無事なのか!?」 アシル(N) 『俺は家まで全力で走った。』 アシル 「どうか、どうか無事でいてくれ!!」 アシル(N) 『…だが俺の願いは目の前の光景によって打ち砕かれた。』 アシル 「…えっ、父さん…母さん…セシル…うそ、だろ…?」 アシル(N) 『目の前には変わり果てた家族の姿。 そして、全身を赤く染め、美味しそうに肉を頬張る1人の人物。』 アシル 「嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ!! こんなの俺は認めない…こんなの…こんなの…!!」 ディオン 「ん?なんか騒がしいと思ったら、美味しそうな人間がもう1匹…ジュルッ いただきまーす。」 アシル 「お前は…俺が殺す!! うおおおおお!!」 アシル(N) 『俺は持っていた剣で目の前の人物に斬りかかった。 が、剣はあっけなく手から離れ、目の前には大きな口が… その瞬間、俺は言葉にならない叫びを発していた。』 アシル 「がっ!?あああああ!!!!!」 アシル(N) 『俺の右腕が奴に食われた。 奴は休む暇もなくまた俺へと視線を向ける。』 ディオン 「なんだこいつ? 他の奴とは比べ物にならないくらい美味い…」 アシル 「がっ!あっ!はぁ、はぁ…やめ、やめてくれ…もう、いや…」 ディオン 「ははは!やめるわけないじゃん! こんな美味しいものを残したらバチが当たる。」 アシル 「あああああああ!!!!!痛い痛い痛い痛い!!!!」 アシル(N) 『俺は左腕も食べられてしまった。 その次は右足、そのまた次は左足。 そこで俺の意識は途絶えた。 ああ俺死んだのか。呆気ない最後だったな。 父さん、母さん、セシル、俺もそっちに行っちまったみたいだ…』 ディオン 「おーい。 おーい、起きろよー。」 アシル 「ん…ん?ここは?俺、死んだんじゃ…って、なんだこれ!? 拘束されて身動きが取れねぇ…って、お前!?」 ディオン 「俺も死んだと思ったらいきなりお前の体が再生したんだ。 だから思ったよ、これは神様からのプレゼントなんだって…」 アシル 「再生…?」 ディオン 「この世には不死者(ふししゃ)がいると聞いたことがある。 だが、それが君とはな…俺はつくづく運がいい」 アシル 「不死者…俺が…」 ディオン 「だからもう飯には困らないな。」 アシル 「!?お、俺を食べるつもりか!?」 ディオン 「ん?当たり前だろ。 お前は俺の食料だ。逃げることは出来ない。」 アシル 「い、嫌だ! もうあんな痛い思いはしたくない!!」 ディオン 「そうか、痛かったか…しょうがない。」 アシル 「た、食べるのやめてくれるのか!?」 ディオン 「あー俺は美味いものは味わいながら食べる派だからゆっくりなんだよ。 でも、痛くて辛いんだったら一瞬で終わらせてやる。」 アシル 「…えっ? あ、い、嫌だ…嫌だ!ああああああ!!!がっ!!ああああああ!!!」 アシル(N) 『俺はまたこいつに食べられた。 あまりの痛さに気を失ってしまった。 俺はこの地獄から抜け出すことは出来ないのだろうか。 もう目を覚ましたくない…このまま眠り続けていたい… そんな願いも虚しく、俺は奴に無理矢理起こされた。』 アシル 「がっ!?あ…あ?ああああああ!!!」 ディオン 「あっやっと起きた。 お前どんだけ寝てんだよ。」 アシル 「手が…手が!!!ああああ!!!」 ディオン 「手1本食われたぐらいで騒ぐなよな。 全然起きないお前が悪いんだぞ?」 アシル 「痛い痛い痛い痛い。」 ディオン 「ああー、話にならねぇ……あっそうだ。 おい、ちゃんと話を聞いたら今日はもう食べないでおいてやる。」 アシル 「……えっ?」 ディオン 「だから、今ちゃんと話を聞いたら今日は食べない。」 アシル 「ほ、本当なのか?」 ディオン 「あぁ、本当さ。」 アシル 「…ぐっ…ちゃ、ちゃんと話…聞く…なんだ?」 ディオン 「へぇー。そんなに食べられたくないかー。 必死になるところすごく可愛いな…ジュルッ」 アシル 「ひっ!」 ディオン 「あぁーすまない、つい涎が。 で、話だがお前の名前はなんだ? 名前を知っていないと不便だからな。」 アシル 「ア、アシル…」 ディオン 「アシルか、いい名前だな。 アシル、アシル、アシル…ああ、やっぱダメだ。」 アシル 「がっ!?ああああ!!!」 ディオン 「アシル、美味しいよ。 残さず食べてやるからな。」 アシル 「ああああああ!!! や…約束と…ち、違うじゃ…ああああああ!!!」 ディオン 「あぁ、俺って約束守ったことないんだ。 悪魔だからな。」 アシル 「あく…ま? 悪魔って…人食べるのか…?」 ディオン 「んや、普通は食べないな。 普通はな。 だが俺は人の美味しさに気付いちまった。 それからはずっと人を食べている。 こんなに美味しい人間は初めてだがな。」 アシル 「あああああ!!!や、やめて…もう嫌だ…」 ディオン 「あはっ!アシルは可愛いなー。 ずっと食べていたいよ。」 アシル 「もう嫌だ…やめてくれ…痛いのはもう嫌だ!!」 ディオン 「んじゃ俺の名前呼んでくれたらやめてやるよ。」 アシル 「な…まえ?」 ディオン 「ああ。俺はディオン。 気軽にディオンと呼んでくれ。」 アシル 「ディ…オン…」 ディオン 「ん?聞こえないなー。」 アシル 「がっ!!ディオン…ディオンディオンディオンディオン!!!」 ディオン 「あはっ!良く出来ました。」 アシル 「がっ!!あああああああ!!!!!」 アシル(N) 『あれからどれだけの月日がたっただろうか。 俺はディオンに永遠と食べられ続けている。 ディオンは毎日が幸せそうだ。 俺は…死にたい、死にたい死にたい死にたい。 でも、死ねない… どうやったらこの地獄から抜け出すことが出来るのだろうか。 どうやったら… ……俺よりも美味い不死者を連れてくれば… はっ!! 俺は何を考えているんだ!』 ディオン 「アシル。」 アシル 「な、なんだ?」 ディオン 「お前、食べられたくないか?」 アシル 「!? な、なんだよ急に。 そりゃ食べられたくないに決まってんだろ!!」 ディオン 「そうか。じゃあお前にチャンスをやろう。」 アシル 「…チャンス?」 ディオン 「ああ。お前よりも美味いのを連れてこい。」 アシル 「えっ?」 ディオン 「だから、お前よりも美味い奴を連れてきたら食べるのをやめてやる。」 アシル 「ほ、本当なのか?」 ディオン 「ああ。」 アシル(N) 『きっと嘘だ。 人を連れてきた所で俺は食べられる。 でも、これで外に出ることが出来る。 助けを求めよう。』 アシル 「や、やる。」 ディオン 「そうか。 じゃあ、これ。」 アシル 「これ…」 ディオン 「銃だ。」 アシル 「!?」 ディオン 「どうした?これで殺して連れてこい。 まさか、逃げようとしてた訳じゃないよな?」 アシル 「し、してない!!」 ディオン 「そうか。 じゃあ楽しみにしているぞ。」 アシル(N) 『俺はディオンから銃を預かると外へ出た。 久しぶりの外。 …ああ、何ヶ月ぶりだろうか。 俺は辺りを散策した。 何もない… 村も何もない。 俺は歩いた。ひたすら歩いた。 すると村が見えてきた。』 アシル 「!? む、村…村だ!!!」 アシル(N) 『これで助かる…俺は村までがむしゃらに走った。』 アシル 「ひ、人がいる!! あのすみません!! 助けて下さい!!俺、悪魔に囚われていて!!」 アシル(N) 『次の瞬間目の前の村人が…死んだ。』 アシル 「…えっ?」 ディオン 「やっぱりな。」 アシル 「えっ?えっ?」 ディオン 「こうなることは予想出来ていたから後をつけていたんだよ。」 アシル 「えっ…。」 アシル(N) 『…俺は、こいつからは逃げられない。 どうやっても逃げることは出来ない。』 ディオン 「アシル、お前は俺から逃げられない。永遠にな。」 アシル(N) 『そう言ってディオンは俺を食べる。 幸せそうに。』 アシル 「ぐっ…ああああ……ん? 今日は…全部食べないの、か?」 ディオン 「なんだ?全部食べられたいのか?」 アシル 「そ、そういう訳じゃねぇ!」 ディオン 「ははっ冗談だ(笑 …気絶されたら困るからな。」 アシル 「えっ?」 ディオン 「お前にはここの村人全員殺してもらう。」 アシル 「…は?」 ディオン 「体が再生したら殺しに行くぞ。」 アシル 「…えっ。」 アシル(N) 『俺はディオンに言われるがまま村人に向かって銃を撃った。 響き渡る悲鳴、鼻につく血の匂い。 気持ち悪い、気持ちわるいはずなのに…』 アシル 「なんで俺、笑ってるんだ?」 ディオン 「はははっ! 面白いことになりそうだ。」 ~間~ アシル(N) 『あれから数ヶ月が経った。 俺は今でもディオンに食べられ続けている。 だが、今までと違うのは俺も人を食べているということだ。 あの日俺は人を殺すことに快感を覚えていた。 そして、 ディオンは俺をいつも幸せそうに食べているけど人ってそんなに美味いのか? と疑問に思った。 そして殺した村人を連れて帰り食べると今まで味わったことの無い味が口いっぱいに広がった。 感動を覚えた俺は毎日人を殺し、食べている。』 アシル 「ディオン! 見てくれよこの美味そうな人間!!」 ディオン 「おっ本当だ美味そうだな! だけど…アシルには負けるな。」 アシル 「ぐっ…い、いきなり食べるなよ… はぁ、はぁ、慣れたとは言っても急には困る…」 ディオン 「すまんすまん(笑 つい我慢できなくてな(笑」 アシル 「もう、ディオンはしょうがないな(笑 優しく食べてくれよ?」 アシル(N) 『いつになっても食べられると痛い。 だが俺は今幸せだ。 好きな人と過ごし、好きな人に食べられ、好きな人と一緒に人間を食べる…こんな幸せ他にはない。 …ああ、いつかディオンも食べてみたいな…』 END キーワード:狂気・シリアス・叫びあり・2人・男2・あれん

  • 『realize』作者:schön Ton(シェントン)

    A→アンジュ D→デビー D語り:運命は自分の手で切り開くものと言うけれど、それは人間に限ってのことだと思う。 僕達の運命は、生まれた時から決められていて、その命は神の気まぐれ一つで簡単に消える。 例え、望まない運命だとしても受け入れるしかない。 A「なぁ、デビー」 D「なんだい?アンジュ」 A「どうしてお前はいつまで経っても悪魔なんだ?」 D「…君は何が言いたいの?」 D語り:神から授かった使命、それは天命である。僕達は一緒に生まれ、同じ時を過ごした。だけど、与えられた役割は正反対だった。 アンジュは天使、僕は……悪魔。僕達は、お互いがお互いの天命を羨み、変えることの出来ない運命にどうすることも出来ずにいた。 A「俺達はいつまで、望まない役割を演じ続けなきゃならない? 俺は、天使なんて柄じゃない。お前も、悪魔なんて柄じゃない。 それはお前が一番よくわかってんだろ?」 D「アンジュ、君はいつまでそんなことを言ってるの?神様は、僕達に一番適している役割を与えているんだ」 A「本気で言ってんのか?お前、悪魔がどんな存在かわかってる?」 A語り:天使と悪魔は常に対立している存在、一般的にはそう思われている。 しかし、それは人間の中での認識だ。天使と悪魔は、いわゆるビジネスパートナーだ。お互いが存在しないことにはその役割は成立しない。そして、その役割を任されるのは一人ずつ。 俺達の使命は前任の天使と悪魔がその役割を終える時に決まった。 それまで俺達は何者でもなく、これから決まる自分たちの運命にただただ期待を膨らませていた。 ----回想---- D「僕達、天使と悪魔、どっちになるんだろうね?!ねぇ、君はどっちになりたい?」 A「お前さ、この話何回目だよ。どっちでも良くね?天使だろうが悪魔だろうがどうせ結果は一緒だろ」 D「全然違う‼︎たしかうにどっちも同じくらい大切な役割だよ? だけど、役割は対極なんだよ!どっちがかけても成り立たないんだ‼︎」 A「はいはい、わかってるわかってる。でも、どっちがなるかなんて、だいたい予想はついてんだろ?」 D「どっちがどうなるかは神様のご意志だから、まだわからないさ」 A「そんなこと言って、お前、天使になりたいんだろ?」 D「え?あ、いや、僕は……僕はどっちだって、神様から貰った役割なら全力でこなすだけさ!」 A「お前が天使だよ、なんたってお前は神様からの信頼も熱いし、」 D「え?そーかなぁ。そんなことないさ(照)」 A「それに比べて俺は、別に人間が好きと言うわけでもないし、悪魔の方が性に合ってる。どうせなら人間に試練を与えるっていうもっともらしい理由つけて好き勝手に掻き乱して楽しめそうじゃん?」 D「君の考え方は良くないと思う。けどたしかに君は天使っていう柄じゃないだろうね」 D語り:その日は唐突にやってきた。僕達の運命が決まった日。アンジュにはどっちでもいいなんて言ったけど、実際、僕は当然自分が天使になるものだと思っていた。だから、だろうか?神様の言葉に一瞬、理解が追いつかなかった。 神「お前たちに使命を与える。それに伴い、名前を授けようと思う。まずは天使だ。天使は悪魔から与えられる試練に対して人間をサポートするのだ。その役目はお前に任せた。いいか、お前は今日からアンジュだ。」 A「……は?え?俺?」 D「………っ」 僕の期待は、一瞬で打ち砕かれた。 神「お前はデビー。悪魔だ。人間に試練を与えて成長を促す。時には闇への誘惑も必要となる。お前は優しいやつだ。だからこそお前にこの役目を与える。お前たち二人ならきっと先代よりも良い仕事をするだろう。」 D「……ありがとうございます……期待に添えるように…頑張ります……」 A「……」 ----回想終わり---- A語り:俺達に与えられたのは予想とは全く反対の役割だった。俺はいい。どうせ適当にこなすから。けど、デビーは…… D「悪魔の役割……そんなの分かってる。悪魔は天使と協力して、人間の成長を促す存在だ。僕が彼らの弱さに付け込んで、試練を与える。天使の君は、人間がその試練を乗り越えるための手助けをする」 A「相変わらず綺麗ごとばっかだな。悪魔、それは人間を悪の道に誘う存在だよ。お前みたいないい子ちゃんに、その役目が務まると思ってんのか?……悪魔は俺にこそふさわしいんだよ」 D「……それは人間から見た悪魔の認識だろ?!神様はそんなことのために悪魔を作ったんじゃない。君がそんなんだから神様は君に悪魔の役割を与えなかった」 A「神様の意図なんてどっちでもいいんだよ。結果的に仕事が務まればいい」 D「君に悪魔を任せたらどうなる?君は全力で悪い事をする。それはもう見境なく、だ。 そうしたら僕は君を全力で止めきゃいけなくなる。それじゃあ試練どころじゃないだろ?僕達は、世界がよりよく回るように適切な役割を与えられているんだ」 A「お前、本当にそう思ってる?」 D「ああ」 A「嘘だ」 D「嘘じゃない!」 A「嘘だ!お前のそれは逃げだ。神様に与えられた?適切な役割?ふざけんな! お前はそれを言い訳にして、本当にやりたいことから目を背けてるだけだ」 D「そんなんじゃない!僕は神様から与えられたこの役割に誇りを持っている!」 A「お前さ、自分が仕事してる時の顔、見たことあんのか?誰かを傷つけて、自分も傷ついた顔して、そんなんで……そんなんで本当に誇りを持ってるなんて言えんのかよ!!」 D「……っ」 A:俺は、ただただ腹立たしかった。運命だから、とか、使命だからとか、そんな風にもっともらしい理由を付けて自分の感情を押し殺してる目の前の悪魔を見ていると無性にイライラする。 A「さらけ出せよ、てめえの欲望を。お前、悪魔なんだろ?言ってみろよ」 D「……ない」 A「ああ?」 D「悪魔なんてやりたくない!!人を傷つけることなんてしたくない!!!僕は、天使になりたかった!!」 A「ああ」 D「君が羨ましい、なんで、なんで僕が天使じゃないんだ?!なんで君みたいなやつが天使なんだ!!!!!」 A「それがお前の本音か。だったら、俺から奪ってみろよ、天使の座を」 D「そんな簡単な話じゃない!!君だってわかってるだろ、そんな事したら、僕達は、存在すら許されない。神の意志に背くことになる」 A「怖いのか?」 D「消えてしまったら、何にもできなくなる!!それじゃあ意味がないだろ?!」 A「俺は、怖くない。それくらい覚悟はできてる。満足できない今を生きるよりも、博打打って、自分の欲しいもん手に入れるためにもがいてた方がいい。何かを失う覚悟もなくて、何かを手に入れられると思うな!!!!」 D「……」 D:アンジュの言う通りだ。僕は今まで役割を盾にして自分の本当の気持ちから目を背けてきていた。逃げてきたんだ。それに比べてアンジュはどうだ?言い訳なんて一切せずに、自分の気持ちに正直に向き合っている。 A「俺と取引しろ悪魔。命がけの取引だ。」 D「とり…引き?」 A「内緒で入れ替わるんだ。俺達ならそれができる」 D「……もし……バレたら?」 A「バレたら消えることになる。でも、上手くいけば俺達は、本当にやりたいことをできる。自分達で切り拓くんだ」 D「出来るかな」 A「出来るだろ。だって俺達だぜ?今までだって二人でやってきたんだ。本当にやりたいことやったら、もっとすごい事ができるに決まってる」 D:自分に出来るだろうか、乗り越えることが……もしできるのならば僕は、きっと、もっと自信を持って輝けるだろう。 D「アンジュ、悪魔と取引することがどういうことか分かってるんだろうね?」 A「もちろん。覚悟はできてるって、言ってんだろ?……そういうお前も、覚悟、できたみてぇだな」 D「あぁ、もう自分の気持ちから逃げたりしない」 A「いい目してんじゃん、昔のお前みたいだわ」 D「昔の僕?」 A「自分の役目に期待膨らませる純粋な子ども」 D「こ、子どもって!」 A「僕は悪魔、君は天使。それが一番適してる役割なんだって、神様に教えよう!(デビーの口調を真似てデビー風に)」 D「……‼︎あぁ、手に入れるぞ、俺達二人で、本当になりたい自分を(アンジュの意図を汲み取ってアンジュ風に)」 A「切り拓こうぜ」 D「‘‘俺達‘‘で」 終わり キーワード:ファンタジー・3人・不問3・schön Ton・シェントン

  • 『笑顔のままで』作者:のどか

    登場人物 ・夏乃(女)28歳OL ・不思議な男の子(女の子でも可。)小学校高学年くらいの見た目(女の子に変えるなら一人称は「あたし」で) ・元彼 ・上司(元彼と兼任) ・秀平 ・サークル参加者A(男、秀平役が兼任。) ・サークル幹事(男の子役が兼任) 元彼:そういうことだからさ、ごめん、夏乃。俺たちもう別れよ。 夏乃:うん...わかった。今までありがとう。 夏乃:はぁ…私このままどうなっちゃうんだろ… 唐突ですが私、たった今、大学時代から8年付き合った彼氏に振られちゃいました。 「他に好きな人が出来た」...だってさ。つまり女としての魅力で負けたってわけね、私は。もういいや、知らない誰かに嫉妬したってしょうがない。でも… 不幸は重なるもので、失恋のショックから立ち直れないまま出勤したら、細かいミスは連発するわ、会議にも集中出来ないわで、上司にこっぴどく叱られちゃった。 上司:資料は作れない!会議も上の空!お前入社何年目だ!?この資料はやり直せ!全く…ちゃんと仕事こなせないなら、やめた方がいいんじゃないのか? 夏:はい...失礼します...。 もう、何にも上手くいかないな。 …生きてるの疲れちゃった。 うちのオフィスビルは多くの企業が合同で入居している建物だから、屋上に出れさえすればなんとか… あ、遺書とか用意してないな…いいや、めんどくさいし別にいらないか。 …結構高いな、ちょっと怖いかも。 って、今から死のうとしてる人間が何考えてんのよ全く…(深呼吸)よし。 意を決して1歩空中に踏み出そうとしたその時... 男の子:お姉ちゃん、何してるの? 夏:え!?おおっと…っと。(←最後の「っと」で助かって下さい) 屋上に1人だと思っていたのに突然子供の声で話しかけられ、私はバランスを崩してしまった。なんとか持ち直せたけど。 君、誰? 男:ここで何してたの? 夏:いやその、ええっと… 男:こんなとこじゃなんだしさ、1階のカフェで話そうよ、僕キャラメルマキアート飲みたい! 夏:質問に答えてくれる?まあいいや。飲んだら帰ってよね。 なーんか変なのに捕まっちゃった。もうさっさと飛び降りさせてよ… 男:ん〜美味しい!お姉ちゃんありがとう! 私を引き止めた少年は私の目の前で無邪気にキャラマキを飲んでいる。 夏:ちゃっかりグランデ頼んでるし、遠慮ってものを知らないのかしら…飲んだら帰ってよね! 男:なんであんなとこにいたの? 夏:は?そんなのなんだっていいじゃない。それに、君も大概でしょ。ていうか、あなた小学生?早く帰らないとママに怒られるわよ。 男:…死のうとしてたんだね。 夏:!?…あんたには関係ないでしょ。 男:色々辛かったんだね。恋人に振られ、仕事も行き詰まって。 夏:あんたさっきから何言って…なんで知ってるの? 男:お姉ちゃんから出てるオーラが教えてくれてる。今、ものすごい負のオーラが出てるよ? 夏:は、はぁ。 男:この危機を脱するにはね… 夏:いや、私脱したいなんて一言も 男:いいからいいから。 夏:…はいはい。反論するの疲れた。ちょっとならお遊びに付き合ってあげる。 男:お姉ちゃんさ、まずは新しい彼氏探そ!ね! 夏:は?いきなり何言い出すのよ。 男:大丈夫、お姉ちゃん可愛いからすぐ見つかるよ。 夏:あのね…君は分からないだろうけど、大人は顔が整ってるだけじゃ彼氏できないのよ? 男:大丈夫だって! 夏:でも…私もうアラサーよ?どんなに頑張っても若い子には勝てないだろうし、そもそも8年ぶりにフリーに戻っちゃったから、どうやって男の人と仲良くなったらいいか忘れちゃったわよ。 男:大丈夫、平気だよ。 夏:どこがよ… 男:彼氏出来たら教えてよね! 夏:出来ないし、教えないっての。 男:大丈夫大丈夫!さてと、キャラマキありがとう!じゃあね〜 夏:はあ、やっと居なくなった。今からでもビルの屋上に出れるかな… (LINE電話通知もしくはケータイ着信音) 夏:え?秀平くん?(ピッ)はい、もしもし。 秀:もしもし、夏乃ちゃん?久しぶり〜同窓会以来? 夏:そうだね、久しぶり、それでどうしたの? 秀:東京に出張。そいえば夏乃ちゃん上京してたんだっけって思い出して、電話しちゃった笑 俺、向こう1週間くらい東京にいるからさ、どっかでご飯行かない?東京の美味しい店教えてよ〜 夏:あ、そうなんだ…うん、わかった。明後日とかどう? 秀:OKOK!空けとくよ〜じゃあ、楽しみにしてる!またね! 夏:うん、じゃあね。(ピッ)全く、次から次へと… 男:よかったじゃん、男の人から食事のお誘い! 夏:うわぁ!あんたまだいたの!? 男:帰ろうとしたら着信音聞こえてさ、そこの電柱の影から全部聞いてたの笑 夏:はぁ…さっさと帰ってよ。 男:でもお姉ちゃん、ちょっとオーラの色が明るくなった。 夏:は? 男:とりあえず明後日の食事、楽しんできなよ。 夏:う、うん... まあ、約束も出来ちゃったし、死ぬのはしばらくお預けかな 2日後 上司:なんか今日服装張り切ってない?あ、もしかしてデート? 夏:いえそんなんじゃ...セクハラですよ? 上司:あはは、ごめんごめん!じゃあさっき振った仕事、頼んだよ。 夏:はい。...でも、男の人と2人でご飯食べに行くって...デートってことかな? 居酒屋にて(数秒居酒屋がやがやBGM) 秀平:で?最近どーよ? 夏:同窓会からまだ半年くらいだよ?そんなビックニュースなんてないよ。秀平くんは? 秀:あー実はねー、彼女と別れたんだ。 夏:え?それはそれは...てか彼女いたのね。 秀:そうそう、3年くらい続いたかなー。俺にしては結構続いた方だと思わない? 夏:そうだね、高校時代とか取っかえ引っ変えで、多分彼女途切れてなかったもんね。 秀:ちょ、もうちょいマシな言い方あるでしょ、超モテるとか!笑 夏:はいはい。 秀:でさ、俺らもそろそろアラサーじゃん?だから結婚とか考え始めてたんだけど、彼女、結婚はまだ考えてない、まだ遊びたいとか言ってどっか行っちゃったの。 夏:うわ、そんなことが。彼女いくつだったの? 秀:5個下。 夏:は!?ちょっ、5個下って...23!?なんでまたそんな若い子と... 秀:会社近くのカフェでバイトしてた子で、可愛くてタイプだったから声掛けたんだ〜 夏:なんていう行動力... 秀:そんでその子と付き合ってたんだけど、向こうが大学卒業したころから連絡の回数も減ってきて、思い切って今後どうするか聞いたら別れたい、だって。まあそんな訳でフリーなのよ。ねぇ、夏乃ちゃんの周りに良さげなフリーの子いない?紹介してよ〜 夏:居ませんって。居てもこんな尻軽男には紹介しないし。 秀:なにそれひどい! (がやがやBGM) 秀:は〜美味しかった!お酒も種類あったし、いいお店だったね! 夏:そう?ならよかった。あそこ選んで正解だったね。 秀:...夏乃ちゃんすごいな、すっかり都会の女って感じ。 夏:え?なにそれ? 秀:なんか、振る舞い?って言うのかな、全体的にクールな感じ! 夏:そう? 秀:そうだよー!もっと自信持ちなよ? 夏:自信、ねぇ。 秀:あ、じゃあ俺こっちだから、じゃあね! 夏:ああ、うん。じゃあまた。 夏:自信持てって言ったって...8年続いた彼氏と別れたばっかりの私の何がわかるってのよ。 男:秀平さんとの飲み会楽しかった? 夏:うわ、また!なんであんた...てか小学生がこんな時間に出歩いてていいわけ? 男:結構盛り上がってたみたいじゃん。それに、この前男の人と仲良くなる方法忘れちゃったとか言ってたけど、普通に仲良さそうに見えたけどなぁ? 夏:高校の同級生なんだから、それなりに仲良くて当たり前でしょ。 男:秀平さん彼氏にいいんじゃない? 夏:は!?ないない、誰があんなチャラ男...それに、あの人は出張で東京に来てて、来週には地元に戻るの。私遠距離は絶対無理だから。 男:えぇ〜?そっかぁ、もう仲良い人ならハードル低いと思ったんだけどなぁ。じゃあ秀平さんを見習って、いいなと思った人に声かけてみようよ!幸い多少のコミュ力はあるみたいだし! 夏:私にあんな尻軽に成り下がれって言うの?却下。 男:じゃあ彼氏出来ないじゃん! 夏:別に出来なくていいよ。 男:僕がやだ。 夏:あんたには関係無いでしょうが。 男:む〜。あ、じゃあさ、何か習い事始めてみなよ。没頭出来る趣味があれば、仕事でやな事あっても忘れられるし! 夏:なるほど、習い事ね、それいいかも。 1週間後 上司:...うん、この資料よく出来てるし、ミスもない。 夏:ありがとうございます。 上司:今振ってる他の仕事、ちょっと期限に余裕あるよね?定時よりちょっと早いけど、今日はもう上がってもいいよ。 夏:そうですね、そうします。では、失礼します。 男:今日ランニングサークルの日だね。 夏:ええ。走るのって楽しいわね、前より寝付きが良くなったおかげで仕事も捗るからいいことずくめよ。最近はサークルの日以外でも仕事終わりにちょっと運動してるし。 男:でしょ?習い事始める提案成功だったね 夏:そうね、始める時にあんたが、やれ男女比は半々がいいだの運動系にしろだの色々条件出して、いくつか候補まで持ってきたのは正直鬱陶しかったけど、今のサークルに入って正解だったかも。 男:うっとうしいとかやめてよ笑 今のサークルが当たりだったんだし、許して?笑 夏:全く...まあいいか、ありがとね。 男:うん!ふふ、お姉ちゃんやっぱり笑ってる方がかわいい! 夏:何?褒めても何も出ないよ? 男:えー?まあいいや、サークル楽しんできてね〜 夏:うん、そうする。あ、前からずっと気になってたんだけど、君って何者?名前も聞いてな...あれ? 夏:お疲れ様でーす。 参加者A:お疲れ様です!今日早いですね? 夏:はい、今日仕事ちょっと早く上がれたので。 A:そうなんですね。ちなみにどんなお仕事を? 夏:西区でOLをしてるんです。 A:そうなんですか?僕も西区で働いてるんですよ!意外と近くなんですね笑 夏:ほんとですね、すごい偶然笑 幹事:はーい皆さん、そろそろ始めますよ〜準備運動は済んでますかー?今日も先週と同じコースを走っていきまーす! A:じゃあ行きましょうか。 夏:はい! 幹事:はい、今日はここまで!お疲れ様でした! A:お疲れ様です。 夏:あ、お疲れ様です。結局走りながらずっと喋ってましたね笑 A:ほんとですね笑 あ、そうだ、連絡先交換しません?今度ゆっくりご飯でも食べながらお話出来たらなって。 夏:はい、いいですよ。ご飯も是非行きましょう。 数ヶ月後 A:あの、夏乃さん。 夏:はい、どうかしました? A:僕、夏乃さんと一緒に過ごしててすごく楽しいです。僕達そろそろ正式にお付き合いしませんか? 夏:!!はい、よろしくお願いします! ちゃんと彼氏出来たよってあの子に報告したいんだけど、最近めっきり私の前に現れないのよね...今までは呼んでもないのにひょこっと私の前に出てきてたのに。 ...でもあなたのおかげで、すっかり立ち直れたよ。ありがとう。 fin キーワード:3人・男2・女1・日常・その他・のどか

  • 『2人の決意』作者:あれん

    ~登場人物~ ♂⤑1 ♀⤑1 不問⤑1 ✰︎陸(♂)『21』 ✰︎綾(♀)『18』 ✰︎謎の声(性別不問)『4』 『』⤑セリフ数 所要時間⤑約3分 ~あらすじ~ ある日突然デスゲームに巻き込まれた陸と綾。 2人はお互い支え合いながらゲームを突破し遂に最後のゲームをクリアした。 だが…。 【物語START】 陸 「お、終わった… やっと最後のゲームをクリアした… やった…やったぞ綾!」 綾 「やったね陸!」 陸 「これで俺ら帰れるな! 仲間たちはみんな死んじまったけど、お前だけでも守れてよかったよ。」 綾 「…みんな…グスッ」 謎の声 「あーあー、マイクテスマイクテス、聞こえる?」 陸 「ん?なんだこのうるさい声は。」 謎の声 「なんかー全て終わったような顔してるけどー、終わってないよー?」 陸 「は?」 綾 「えっ?」 謎の声 「生き残れるのはただ1人だけ。 だから君たち2人には殺し合いをしてもらうよ。」 陸 「…はっ? いやいやいや、そんなん聞いてねぇよ。」 謎の声 「あっごめーん、言い忘れてたかもしれなーい、てへぺろ☆」 陸 「は?言い忘れてたかもしれない? てめぇふざけんじゃねぇぞ!!」 綾 「こ、殺し合いって…私と…陸が…?」 陸 「…そんな不安そうな顔すんなよ、大丈夫だから。」 綾 「だ、だって、殺し合いだよ? 私達が殺し合うんだよ!?」 陸 「殺し合いって言っても何もな…あったわ。」 綾 「拳銃…」 陸 「あー、これを取り合って殺す、というわけか。 ははは…最後はゲームじゃなく、自分自信の手で殺させるわけか…胸糞悪ぃな。」 綾 「この銃で陸を殺すなんて…出来るわけないじゃない!! ……陸、私を…殺して。」 陸 「!?何を馬鹿なことを言ってるんだ!!」 綾 「私は陸に生きてて欲しい、幸せになって欲しい! だから…だからお願い…」 陸 「…なぁ綾。」 綾 「…ん?」 陸 「お前さ…夢、あったよな。」 綾 「うん…世界中のあらゆるものを研究したい…」 陸 「そうそう、それで研究員になりたいんだったよな。」 綾 「うん…」 陸 「お前なら絶対になれるよ。」 綾 「えっ? …そういう陸も、夢…あるんじゃないの?」 陸 「ん?俺の夢? そうだなー…んじゃ、俺の夢を言う前に、1ついいか?」 綾 「うん…何?」 陸 「綾、俺、綾のことが好きだ。」 綾 「えっ?」 陸 「だから、ここまでお前のことを守れて、本当に良かった。 何泣きそうな顔してんだ? そんなに告白が嫌だったか?」 綾 「嫌じゃない!! 嫌なはずない!! だって…私も…陸のことが…好きだから…!!」(泣きながら) 陸 「ありがとう。」 綾 「……」 陸 「あー、俺の夢、だったよな。」 拳銃をリロードする音 陸 「俺の夢は…お前が夢を叶えて、楽しそうにしているのを見ることだ…」 綾 「…えっ?」 陸 「…応援してるからな。」 陸が自分の頭に向けて銃を発砲する 綾 「えっ…? り…りく……い、いやあああああああ!!!」 END キーワード:恋愛・シリアス・3人・男1・女1・不問1・あれん

  • 『世界は正直どうでもいいが、推しが消えるのは見過ごせん!』作者:schön Ton(シェントン)

    【登場人物】 A(一人称私、もしくは俺)……世界を救うために抜擢された勇者、しかし、本人は引きこもりニート。声優オタクでゲーオタ。こいつ、世界救う気あるのか?というくらい好きなこと以外の周りに関心がない。 B……勇者の友人。やる気のない勇者に仕事をさせるために政府から使命を与えられた。 ほみゅ・・・Aが最推している声優。 N:誰でも可。(セリフ数的にほみゅが好ましい) ※Aとほみゅは男女変えても良い。セリフも多少変更あり。 【ストーリー】 N:20○×年、世界をどよめかせるニュースが流れた。 あと一年で突如現れた謎の生物、通称「魔王」によって世界は滅ぼされると…… それを救うべく、世界は「勇者」という存在を抜擢した。 勇者は仲間と共に立ち上がり、修行を重ね、魔王を討伐……大体こんなシナリオが一般的だろうか? この場合、勇者に選ばれるのは大抵、何か特別な力を持った人間だとか、熱血少年だとか、勇敢な心の持ち主だとか、優しさ溢れる少女だったりだとか……そんなところだろうか? だがしかし、世界は何を間違えたのか、とんでもない人物を勇者に抜擢した。 それが……Aだった。 B「なぁ、A」 A「なによ、B」 B「お前さ、いつになったら世界を救いに行くわけ?」 A「は?行くわけないじゃん。なんで私がそんな面倒なことしなきゃいけないわけ?」 B「なんでって……政府からお前が勇者として抜擢されちゃったからに決まってるだろ?!本当、よりによってなんでお前なんかが……」 A「いや、知らないし、そんなの私に関係ないし」 B「あのなぁ、お前が動かなかったら誰が世界を救うわけ?世界滅びるぞ?」 A「いいよ?滅びるなら滅びるで。私、世界に未練とかないし、むしろ滅びるなら滅びるその瞬間まで引きこもって推し事してたいし」 B「お前クズだな」 A「ほっとけ」 B「てか、推し事って……世界滅びたら推しも滅びるんだぞ?推しの成長見れないぞ?」 A「え……ってことは、スパークリングスの新作アルバムも?」 B「ない」 A「ハマってるアニメの先の展開は?」 B「見れないだろうなぁ」 A「ゲームの最新作は?!」 B「買えるわけないだろ?世界滅びるんだから」 A「はあぁぁぁぁぁぁぁ?!んなこと許すわけないじゃん?!何て事しようとしてくれてんの魔王!!ぶちのめす!」 B「あ、やっとやる気になった」 A「推しがいない世界なんぞ、絶対認めるものか!!私が推しを守る!!」 N:世界の命運は、一人の引きこもりオタクニートに委ねられた。 A「んで、世界を救うのはいいとして、私は一体どーすれば良いわけ?」 B 「そもそもお前、今の外の状況知ってんの?」 A「知るわけないじゃん、外なんて滅多に出ないし」 B「だよなぁ。とりあえず、一回出てみてみろよ」 A「え、やだよ。なんで外に出なきゃいけないわけ?めんどくさい」 B「は?!お前さっき推しを救うって言ってただろ?!外に出ないでどうやって魔王を倒しに行くんだよ!!」 A「えー、なんかさ、あれじゃないの?世界を滅ぼすってさ、遠隔操作とかで、人工衛星落としてバーン、とか。んで、それ防ぐために、VR世界潜って魔族と称される悪いウィルス倒してくー、みたいな?」 B「お前、それどっかしらのデスゲームから影響受けてんだろ。VR世界で奮闘したところで世界救えるかよ!どこのS○Oだよ!」 A「なんだ、違うのか。ちょっと憧れてたんだけどなぁ」 B「お前は一回現実を見ろ!!」 シャッッッ(カーテンを開ける音) ガラガラ(窓を開ける音) A「ちょっ?!B?!何してくれてんの?!陽の光なんて入れたら、私蒸発して消えるよ?!」 B「うるせぇ、引きこもりニートが。お前は吸血鬼かなんかなのか?あぁ?って、そうじゃなくて、外を見ろ外を」 A「もう、ガミガミガミガミなんなのさぁー、わかったわよー………え………」 N:そこには、あり得ない世界が広がっていたのだ B「な?やばいだろ」 A「やばいって……いうか、え?私頭おかしくなったの?現実世界に……現実世界にいるわけないじゃん!スライム?ゴブリン?!ありえない!!」 B「S○Oの世界だって大概だったけどな」 A「でもあれは二次元に潜るわけだから、不可能じゃ無いじゃん?でもこれは非現実的すぎる!!」 B「意外だな。不謹慎に大喜びするかと思ったわ」 A「大喜び?なんで」 B「憧れの世界が現実に!!って」 A「流石の私もそれはないわ。てか何?私こいつら倒さなきゃなの?」 B「まあ、そういうことだわな」 A「こんなのどうやって倒せっていうのさ!!剣とか弓とかあるわけじゃ無いじゃん?何?修学旅行で買った木刀?それともフライパン?」 B「フライパンは絶対ない。でもまあ、木刀はありなんじゃないか?ないよりはな」 A「ムーーーリーーーー!!!やっぱりやめやめ!!」 B「推しはいいのか?」 A「良くないけど!!!でも無理なもんは無理!みんな死ぬときは一緒」 B「仕方ないなぁ。ちょっと待ってろ」 A「え?B?どこ行ん?」 N:ーーー10分後ーーー A「いや、戻ってこなくね?おっそいな。・・・・・・あっ!!待って嘘!!え!!ほみゅが配信始めた!?行かなくちゃ!!!」 ほ『みんなこんばんは!!唐突に配信始めちゃってごめんね!なんか最近世界が大変なことになっちゃったからさ。いつか伝えられなくなるその前に、大好きなみんなに伝えたいことがあって・・・』 A「ほみゅが私達に伝えたいこと?なんだろ・・・」 ほ『みんないつも俺のことを応援してくれてありがとう!みんなの応援が、好きって言葉が、俺の力になってるし、俺もみんなのこと大好きだよ。・・・』 A「ほみゅ!!!あーーー!!相変わらずかっこいい!!私も大好きだよぉぉぉぉぉ!!!!」 ほ『って、そんなことは聞き飽きたかな?でもね、みんなにこれだけ支えられているのに・・・俺は・・・俺は残念ながら世界を救うことができない。みんなのことを助けることができないんだ。声優はなんでもなれる、なんでもできる。でもそれはアニメとか、作品の中だけ。』 A「・・・そんな、そんな悲しいこと言わないでよ!!私達はこれだけほみゅに支えられてるのに・・・作品の中だけじゃないよ・・・ほみゅは私達ファンを救ってくれてる!!」 ほ『俺は、みんなともっと楽しみたいし、世界が終わるなんて嫌だ!!だから、今の俺にできることは、世界が決めた勇者を応援することだけなんだ!この想いが勇者に届くかはわからない・・・でも、もしどこかでこの想いが伝わるのなら・・・お願いです!どうかこの世界を救ってください!!みんなもどうか、俺に使ってくれる応援のパワーを、勇者さんに・・・この世界を救えるその人に託そう・・・。』 B「だってさ、どーする?最推し直々の願いだけど?」 A「おいB・・・お前」 B「なに?」 A「今までどこ行ってた?」 B「どこって・・・ちょっと電話しに」 A「やっぱりお前かぁぁぁぁぁ!!!!お前、政府から監視役頼まれたそうだもんな?こんくらいのことできるよな???推しを使ってくるなんて汚ねえぞ!!」 B「何のことだか」 A「ってか、どーやってほみゅに連絡とったのさ!!ズルすぎる!!お前絶対許さねぇかんな!!」 B「こっわ。まあまあ、そんなことより、どーすんのさ。推しを救うの?救わないの?」 A「・・・・・・・そんなの、そんなの!!!救うに決まってんだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」 N:こうして、勇者Aの世界を救う冒険が始まったのである。先生の次回作にご期待ください。 B「って!!!ふざけんな!終わる気満々じゃねえか!」 A「へ?」 B「へ?じゃねえよ!世界救いに行けぇぇぇ!!!」 N:この勇者の冒険は、いや、Bの勇者の監視役は前途多難である。 Fin キーワード:ファンタジー・コメディ・3人・男2・女1・男1・女2・schön Ton・シェントン

  • 『背負うべきものは』作者:schön Ton(シェントン)

    N・・・ナレーション ミ・・・ミツキ。友人のアラタの意思を継いでヒーローとして頑張っていた。心優しい少年。 サキ・・・ミツキとアラタの幼なじみ。幼いころに両親を亡くす。 N:自分の中で、何かが崩れる音がした。 その瞬間、初めてミツキは、自分の心の限界を知った。無理だ。自分には無理だ。向いていない、できない。でも辞めることはできない…… そう思いながら耐え続けた、その結果がこれだった。 ミ「ごめんアラタ、君の使命を代わりに果たそうと思った。君を取り戻そうと思った。でも……やっぱり僕には無理だったよ、そもそも最初から向いてなかったんだ」 N:憧れのヒーローとして活躍し始めた友人は、志半ばで闇に支配され、人ならざるものとなった。その時、ミツキは決意したのだ。大切な友人を必ず取り戻す、彼が守りたかったものを自分が守る、と。でも… ミ「これで、これでいいんだ……」 N:ミツキの髪をそよ風が優しく揺らす。彼の前には、澄み切った青い空と……どこまでも続く、大きな街並みが広がっていた。そこは、アラタと別れを告げることになった場所。街のシンボルの鉄塔の……上。ミツキは虚空へと一歩を踏み出そうとする。 サ「何してんの?」 N:後ろから静かな、でもはっきりとした声が聞こえて来る。 ミ「……」 サ「ねえ、何してんのって聞いてるの。その足、どこに踏み出すつもり?」 ミ「……サキ。どうしてここに?」 サ「質問してるのはこっちよ。ねえ、あなた、まさかとは思うけど……死のうとしてたわけじゃないわよね?」 ミ「……」 サ「なんで黙るのよ。ちゃんと答えて」 N:ミツキは大きく息を吐くと、誤魔化すのは無理だと悟ったのか、諦めたように口を開いた。 ミ「そうだよ。死のうと思ったんだ」 サ「…なぜ?」 ミ「僕にはさ、無理だったんだ。ヒーローなんて。ダメなんだよ、戦えないんだよ。こんな自分じゃ周りを危険に晒すだけなんだ。だから……(絶望し、勢いがない)」 サ「だから?だからなんだっていうの?ヒーローに向いてないから死ぬの?そんなのおかしいじゃない」 ミ「……僕は、世界を守るために、今まで沢山の闇堕ち人を倒してきた。最初はさ、彼らが人々を苦しめてる原因だと思ってた。でも、違った。本当は苦しんでいる人達は、闇堕ち人自身だったんだ」 N:闇堕ち人、それは世界を壊し、人々を苦しめて回る。そんな悪の存在だった。彼らによってミツキは大切な家族を失い、友を失った。しかし、その闇堕ち人は……。 ミ「闇堕ち人は、人間そのものだった。彼らは人間の心の弱さによって生まれる。もともと人間なんだ。母さんも父さんも、君の叔母さん叔父さんも……アラタも……みんな闇堕ち人に攫われたんじゃない、彼ら自身が闇堕ち人だった」 サ「……うん」 ミ「闇堕ち人はさ、元には戻れない。倒すしかない。僕は、みんなを助けるつもりが、大切な人たちを奪い続けてきたんだ……そう気づいた時、僕は闇堕ち人を倒せなくなった」 N:例え、大切な人であろうと彼らを倒さなくては、別の人が犠牲になる。そうわかっていても、ミツキは戦うことができなかった。 ミ「ヒーローとしての役割を全うできない僕には生きる価値なんてない。」 サ「…何馬鹿なこと言ってんのよ。あんたにヒーローが向いてないことなんて、最初からわかってたじゃない。あんたは優しすぎるのよ、闇堕ち人の真実を知って戦えるはずがなかったのよ」 N:ミツキは優しい子だった。引っ込み思案で、子どもの時からいつも、アラタとサキの後をついて回っていて、争い事が大の苦手で、でも、誰よりも人の心を思いやれて……そんなミツキが突然ヒーローになると言ったのは、ヒーローとして活躍していたアラタが唐突にミツキの目の前で姿を消した時からだった。 ミ「それでも僕はやらなきゃいけなかった!!アラタと約束したんだ!!みんなを救うんだって!!アラタの代わりに……そして決めたんだ。必ずアラタを助け出すって……」 サ「じゃあ、なんで死のうとなんてすんのよ!約束守れてないじゃん!!」 ミ「だから!僕には無理だったんだ!!そもそも、闇堕ち人をどうやっても助けることができないとわかって、それで僕に何ができる?!どうしようもない!!」 N:ミツキの中で今まで溜まっていた想いが溢れ出す。誰にもいうことができず、大きくなっていたそれは、止まることもできず、ただただ溢れ出す。 ミ「辛いんだ!みんなからの期待が!それに答えられないことが。怖いんだ……みんなからの失望が!!今の僕にはそれに耐えることなんてできない。このままだと僕まで闇堕ち人になってしまう……そうなる前に、僕は消えた方がいいんだ!!!」 サ「ふざけないでよ!!辛い?怖い?勝手に一人で色んなもん背負って、勝手に背負いきれなくなって、逃げようとしないでよ!!母さんも父さんも、アラタもいなくなって、その上ミツキまでいなくなったら……私は、私はどうしたら良いのよ!!」 ミ「サキ……」 サ「向いてないならやめればいい。倒せないなら、別の道を探せばいい。あんたにはヒーローは向いてない。でも他にできることはきっとあるはず……」 ミ「他に……できること?」 サ「そう、二人で探しましょうよ?闇堕ち人を倒さず、元に戻す方法を……」 ミ「……!!」 サ「一人で背負わないでよ。私だって、あんたとおんなじ。みんなを取り戻したいの」 ミ「サキ……ごめん……僕……」 サ「あなたが守ってくれた分、今度は私があなたを守るから」 N:ミツキの決意は今、一人のものではなくなった。背負うべきものは・・・決して一人だけのものではない。 fin キーワード:ファンタジー・3人・男1・女1・不問1・シェントン

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