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『狐の恋』作者:あれん

~登場人物~ ♂⤑2 ✰︎斉藤 咲耶(♂)『38』 東京の大学に通う一年生 ✰︎シロ(♂)『13』 神社を守る白銀の九尾の狐 『』⤑セリフ数 ~記号説明~ (幼)⤑幼少期(小学一年) (N)⤑ナレーション 所要時間⤑約7分 【物語START】 斉藤 咲耶(幼) 「きょうはちがうみちでかえろー!」 斉藤 咲耶(N) 「小さい頃俺は東京の田舎の方に住んでいた。 小学一年生のある日の学校帰り、いつもとは違う道で帰った。 すると、古びた神社を見つけた。」 斉藤 咲耶(幼) 「じんじゃ?」 斉藤 咲耶(N) 「好奇心旺盛な俺は神社に立ち寄った。 少しすると騒がしい声が聞こえた。」 斉藤 咲耶(幼) 「だれかいるのかな?」 斉藤 咲耶(N) 「俺は声のする方へ歩いた。 そこには5年生ぐらいの男子3人が円になり何か蹴っていた。 何を蹴っているのか気になった俺はそれを覗き込んだ。 そこには白銀に染まった綺麗な毛並みの子狐がいた。 …いや、ただの子狐じゃない。」 斉藤 咲耶(幼) 「なにしてるの!! きつねさんがかわいそうだよ!!」 斉藤 咲耶(N) 「俺は止めに入った。 だが、3人はやめようとしない。」 斉藤 咲耶(幼) 「やめて!!」 斉藤 咲耶(N) 「俺は子狐に覆い被さるように庇った。 すると3人は一瞬蹴るのを止めたが標的を俺に変え再び蹴り始めた。 俺は耐えた。 俺が今逃げたら子狐がまた虐められる。 そう思ったから。 少しすると、3人はつまらなそうに帰って行った。」 斉藤 咲耶(幼) 「きつねさん…だいじょうぶ?」(痛みを耐えている) 狐(シロ) 「キューン…」 斉藤 咲耶(N) 「子狐は俺の頬(ほお)を舐める。」 斉藤 咲耶(幼) 「あはははは! くすぐったいよー! …きつねさん、しっぽがいっぱいあるね! もふもふだー!」 斉藤 咲耶(N) 「そう、ただの子狐ではなく9本の尻尾が生えた九尾の狐だった。 俺はその日から子狐とよく遊ぶようになり、子狐に『シロ』と名前を付けた。 そんな楽しい時間も長くは続かず小学三年生の頃俺は親の転勤で引越しをした。 それ以来シロとは会っていない。」 斉藤 咲耶 「…この神社懐かしいな…。 何年ぶりだ? …シロ、元気かな?」 斉藤 咲耶(N) 「俺は今大学1年生。 東京の大学へ進学することになり、一人暮らしをする為東京に戻ってきた。 久しぶりの地元は昔とは大分変わっていたがここだけは変わっていなかった。」 斉藤 咲耶 「あれっ誰かいる。」 斉藤 咲耶(N) 「神社の前で銀髪の美青年が座っていた。 不思議に思い見ているとその青年は俺に気付き、次の瞬間」 青年(シロ) 「咲耶!!」 斉藤 咲耶 「えっ?」 斉藤 咲耶(N) 「俺の元へ走り俺のことをいきなり抱きしめた。」 斉藤 咲耶 「ちょっちょっと!! 貴方誰ですか!?」 青年(シロ) 「…えっ、俺のこと…忘れたのか?」 斉藤 咲耶 「貴方みたいな美青年は俺の友達にはいません!!」 青年(シロ) 「…あっそうか、人間の姿で会うのは初めてだったな。」 斉藤 咲耶(N) 「そう言った瞬間、その青年は綺麗な白銀の毛並みの、神社程の大きな狐に変化(へんげ)した。」 斉藤 咲耶 「えっ… もしかして…シロ?」 シロ 「そうだ。 覚えてくれてたんだな。 いきなり俺の前からいなくなって寂しかったんだぞ。」 斉藤 咲耶 「それは…ごめん… いきなり父さんの転勤が決まって急に引越ししたんだ。 だからシロに挨拶出来なかった。」 シロ 「そうだったんだな。 まあ、寂しかった事実は変わらない。 お詫びとして寂しさを埋めてくれ。」 斉藤 咲耶 「っ!!」 斉藤 咲耶(N) 「シロは俺を抱きしめた。 …狐のまま。」 斉藤 咲耶 「んんんんんんんん!!!!」 (口が塞がって苦しがっている) シロ 「ん? どうしたんだ? …あっすまない、これじゃ息が出来ないな(笑 これでいいか?」 斉藤 咲耶(N) 「人間に化けたシロは再び俺を抱きしめた。」 シロ 「あー、咲耶の匂いだ…」 斉藤 咲耶 「おいそんなに嗅ぐなよ。 俺臭いぞ。」 シロ 「いやいい匂いだぞ。 すごく美味そうな匂いがする。」 斉藤 咲耶 「美味そうって(笑 俺は食えないぞ(笑」 シロ 「食べれるぞ。」 斉藤 咲耶 「!?」 斉藤 咲耶(N) 「そう言うとシロは俺にキスをした。」 斉藤 咲耶 「シ、シロ?」 シロ 「ずっと待ってたんだ。 大好きな大好きな俺の咲耶が帰ってくるのをな。」 斉藤 咲耶(N) 「そう言うとシロは激しいキスをした。」 斉藤 咲耶 「…はぁ、はぁ、シロ…こんなところで、恥ずかしい…」 シロ 「ふーん? んじゃここじゃないとこだと思う存分食べていいんだな?」 斉藤 咲耶 「えっ?そういうことじゃ… ってシロ!?」 シロ 「続きは中でしようか? 今日は帰さないからな?」 斉藤 咲耶(N) 「シロは俺を抱え神社の中へと入っていった。 そのあと2人がどうなったかは、皆さんのご想像にお任せします。」 END


キーワード:BL・人外・2人・男2・あれん



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