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『ハッピーバッドエンド』作者:ゆーたん

2~3人用


人物

航平(男)

真奈美(女)

花屋(女)


~概要~

真奈美が事故で亡くなってから10年、

主人公航平は日々後悔をしてた。

彼女に告白の返事が聞けないまま10年がたとうとした時、ある一言がきっかけで彼女にもう一度会いたいと一輪の花を置き願う。



〈STORY〉

もう…何年たったのだろうか。

どれくらいの月日がたったのだろうか。

いつからだろう

君が…いつだって俺を支えてくれた真奈美がこの世から居なくなったのは。。。


いつも元気で素直で優しい真奈美は小さい時からの幼馴染で、いつもよく遊んでいた。

中学1年の時、俺から彼女に告白をしたその日に真奈美は事故で亡くなった。

そうまさに今日開催されている夏祭りの夜に。。。

もう10年かー、結局彼女の返事は聞けないままだったな…


あれからこの祭りの雰囲気は正直好きじゃない。

真奈美が居ない祭りなんて…

あぁ、真奈美がいたあの頃の夏祭りはどうだっただろうか。


~回想~


真奈美「ねぇーこーへー。」


航平「ん?どした?」


真奈美「一緒に帰らない?」


航平「あぁ、いいよ!」


真奈美「ふふっ!はい、引っかかった!」


航平「なんだよ?」


真奈美「こーへー今日補習でしょ?なーに帰ろうとしてんの?」

「テスト赤点だったみたいだね、ほんと昔からバカなんだから」


航平「げっ、バレてたのかよ!この事知ってるの源太と弘樹だけだぞ?」


真奈美「その源太君と弘樹君に聞いたんだよ!」

「2人が急いで走ってきて、私に「お願いだ真奈美!あいつを、航平を助けてやってくれ!」って2人とも息を乱しながら」


航平「あいつらが?なんでだよ!w」


真奈美「これからの夏休み成績悪い人は学校で補習あるじゃない?え?まさかこのこと知らなかったの?」


航平「うそだろ。。。じゃあ俺はもうバラの夏休みをおくれないんじゃ」


真奈美「来週、赤点だった人達の再テストがあるみたいだからまだチャンスはある!だから私が頼まれたんじゃない!」


航平「え?マジか、って事は???」


真奈美「付き合ってあげるよ、勉強。」


航平「おぉーまじか!あぁー神様まなみ様

!君って奴は本当にさいこーの幼馴染じゃあねぇーか!」

「んじゃ明日からって事で!…」


真奈美「今からするの!もうこーへーは本当こういう事はちっともダメダメなんだから」


航平「ん?って事は他のことはかっこいいってことか!」


真奈美「そ、そんな事…言ってないし(照れながら)」

「とにかく今日からビシビシ教えるからね!」~


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


真奈美「この数式はこうしてこうして…」


航平「なぁ真奈美?」


真奈美「んー?」


航平「おまえってさ今好きな奴いるの?」


真奈美「え?なに急に?どうしたの?w」


航平「いやーさ、こういう話って今まででした事ねーと思ってさ」


真奈美「え?んじゃあ私が今、教えてる事は頭に入っていないと?」


航平「いやいやいや、両方考えてた!…と思う」


真奈美「それならいいんだけど…好きな人ねー多分いないかな?」


航平「え?多分ってどういうことだよ?」


真奈美「うーんなんて言うんだろ…気になってる人は。。。いる」


航平「へーそうなんだぁ」


真奈美「一応!私も聞く。こーへーは?」


航平「一応ってなんだよ!…いるよ好きな人。」


真奈美「え?そうなんだぁー誰?w」


航平「そ、それは教えない!ってか絶対に言わない!」

絶対に言えない…ってかこのタイミングじゃあ言えない。お前が好きだって、ずっとずっと前から好きだなんて…

ってか、真奈美…気になってる人いるって言ってたけど…誰なんだろ?あいつ結構可愛いし人気あるし、それに…


真奈美「おーい、こーへー?」


航平「あ、ごめんごめん。よし!勉強すっか!」


航平「なぁまなみ?」


真奈美「まーだなにか?」


航平「もし俺が再テスト切り抜けれたら見事


真奈美のおかげってことになる!」


真奈美「なに?その言い方w」


航平「まぁまて、だからさ、再テスト合格したら…今年の夏祭り一緒に行かね?」


真奈美「えぇ!?んー…いいよ、行ってあげる。」


航平「よっしゃ、なんか分かんないけど気合い入ったかも!」


真奈美「て言うか毎年一緒に行ってるじゃん、私の家族とこーへーの家族とで」


航平「まぁそうだけど…今回は家族無しで…たまには2人でもいいんじゃね!?」


真奈美「それじゃあ、今年は浴衣来てこようかなぁ?」


航平「激アツじゃん!」


真奈美「だからこそ再テスト合格しなきゃね!」


航平「うぅ。。。分かってるよ。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


そして再テストも無事合格して祭りの当日となり俺は浴衣を着ている綺麗な君に告白をした。

ちょっと待っててと彼女はそう言いそのまま二度と真奈美が帰ってくることは無かった。

その時は振られたのかって…

後に事故で亡くなったと聞いたおれは頭が真っ白になった、後悔をしてた。「あの時引き止めていたら…」次の日の朝に告白した展望台に行ってみるとそこには見たことの無い花が1輪ベンチに置いていた。

その時はただの花としか思わなかった。

後にアングレカムの花だと知った僕はそれから毎年のこの夏祭りの日、展望台の隅っこにアングレカムの花を置くことにした。


今年で10回目だな…

10年前がつい昨日のように思えてしまう。

あの時、あの瞬間の真奈美の姿がまだ鮮明に記憶に残ってる。

祭りの終わり際、前もって注文してる近所の花屋にアングレカムの花を取りに行く。

もう…こんな時間か。。。


花屋「こーへー君いらっしゃい!」


航平「おばさんこんばんは!」


花屋「はいこれ、アングレカムの花。」


航平「いつもすいません。」


花屋「そんな事別にいいのよ!それより…今日が10年目になるのよね。」


航平「はい。」


花屋「今回は料金はいらないわ」


航平「お気遣いありがとうございます。でもこれは俺からの花なので…すいません。」

「それにしても今日も色んな花が置いてあってみんな優しい匂いがしますね。」

「確か花にはそれぞれ思いが込められてるってのを聞いた事があります。」


花屋「それを花言葉って言うのよ。」

「例えばバラの花言葉は愛情。チューリップの花言葉は愛の告白とかね。その時の気持ちを花に込めてプレゼントしたりするのよ。」


航平「へぇー!そうなんですね。勉強になります!じゃあこのアングレカムの花言葉って分かります?」


花屋「そうね、アングレカムの花言葉はとても素敵よ、花言葉は…」

アングレカムの花言葉を聞いた僕は唖然とし、その瞬間、涙が止まらなかった。


花屋「こーへー君?どうしたの?」


航平「おばさん、ありがとう、おかげでやっと分かったよ!今から会いに行ってくる!」


花屋「え?あぁ、うん。気をつけてね。無理はしないように」


航平「今まででなんで気付かなかったんだろ、なんでこんな事が分からなかったんだよ。。。真奈美の答えはもう出てたのに…なんで今更気づいたんだよ!!!」

「展望台に行こう。今日が終わるのはあと何時間後だろ?…あと1時間しかない。。。急いで向かおう。長い時間待たせてしまったこと、謝りたい。そしてまた僕の想いを伝えたい」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「はぁはぁ1年ぶりだなぁ、ここだけは本当に昔から変わってないな。」

展望台、ここは昔からのジンクスみたいなのがある。

「想いが強き者には天をも貫かん」

言わば願いが叶うと言う都市伝説みたいなものだ。

真奈美が亡くなってからの祭りの雰囲気は嫌いだった。だけど今は違う。

「今なら…また…君に会えるかな?」

また涙が溢れ出る。

「真奈美…待たせてしまったこと本当にごめん。この花を置いたのは君だったんだね。」

僕はアングレカムの花をそっとベンチに置いた。

「会いたい…嘘でもいいから、夢でもいいからもう一度君に会いたい。」

「神様、お願いします。一生のお願いです。真奈美にもう一度会いたいです。会って待たせてしまったこと、俺の想いを伝えたい。彼女の笑顔をまた僕に下さい。」

後30分しかない?!

今日なんだ、、、今日じゃなきゃダメだ!

ここで思いを伝えないとまた後悔してしまう。

「神様…真奈美…顔を見せてくれ…」

「アングレカムの花が…消えていく…」


真奈美「こーへー?」


航平「え?ま、なみ?真奈美なのか?」


真奈美「やっと会えた。」「やっと気付いてくた…もう、バカ。」


航平「やっぱり、君が花を置いてくれたんだ」


真奈美「うん。そうだよ、あの日こーへーから告白してくれてびっくりしたけどすごく嬉しかった。私もこーへーの気持ちに応えたいってだからすぐ近くの花屋さんに行って私の好きな花を…花言葉を渡したかったの、だけど出来なかった…だから私の想いをこの花に込めて展望台のベンチに置いたの。」

「嬉しい。本当に叶ったんだね。ありがとうこーへー。」


航平(彼女笑った顔を久しぶりに見た。みるみる涙が溢れ出てくる。)


航平「遅くなってごめん。返事を待ってたのは真奈美の方だったんだな。ほんとにごめん。」


真奈美「ううん。いいの、みんなに会えなくなったのは正直寂しい…みんな悲しんでたと思う。だけど私はこーへーのあの告白が嬉しかったの、こーへーじゃあなきゃダメだってそう思ったの。こうやってまた貴方と出逢えて…あれ?私も泣いてる?幽霊なのに?死んじゃたのに???」


航平「ほんとだ、2人して泣いてるじゃん」

「…なぁ真奈美。」


真奈美「ん?」


航平「俺はお前が好きだ。」


真奈美「うん。私も大好きだよ。」


ゴーンゴーン


航平「鐘がなった。日にちが変わろうとしてる合図だ。」


真奈美「私はここまでみたい。」


航平「なんで?!まだ話したいのに…逢えたばかりなのに?!」


真奈美「そんな感じがするの。成仏って言うのかな?笑」

「こーへー?改めて、本当にまた会えて嬉しかった。あなたの顔を見れて良かった。貴方の声が聞けて良かった。」

「最後に、再テストに出るかもしれない問題です!アングレカムの花言葉はなんでしょうか?」


航平「あぁ、もう忘れないよ、一生忘れてたまるか…真奈美ありがとうそしてこれからも君の事は忘れない…」

「花言葉は…」




一緒にもしくは航平「~いつまでも貴方と一緒に~」


END




キーワード:恋愛・感動・3人・男・女2


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