【登場人物】
金山葵・・・主人公。♀
玉野越・・・♂
【ストーリー】
金山葵(かなやまあおい)『…ただいまぁー…。はぁ、また話しかけれなかったなぁ…。』
[葵の声]
[私は、金山葵。ゲーム【双剣無双(そうけんむそう)】が好きな、いわゆるオタクだ。それもガチ勢。中でも私の推しは……]
金山葵『はぁ、やっぱり亀角(かめかく)はかっこいいなぁー!さすが推しだわ……。これを語れる人入ればなぁ……。』
[葵の声]
[そんな時だった。学校の日、ふと玉野(たまの)くんのバックに付いているキャラを見た。]
玉野越(たまのこし)『このストラップ、見てくれねぇか?【双剣無双】のストラップだよ!かっこいいだろ?』
[葵の声]
[あれは、双剣の…新キャラの暁(あかつき)のストラップだ。凄い語ってるけど、好きなのかな?確かに男性でも好きな人いるし、そこは私も否定しないけど…。そんなことを考えてるうちに授業が終わった。]
玉野越『…さぁ、帰ろ帰ろ!……おう!わかってるってば!じゃあな〜!』
金山葵『(……はっ!…玉野くん、行っちゃった…。もう靴もないし、遅かった……)』
[葵の声]
[結局この日は、話しかけることは出来なかった。私は路地に帰って行った。そして月曜日。]
玉野越『おはようさん。おい、お前ら。持ってきてやったぞ、双剣のカード。』
[葵の声]
[…あ、双剣のカード……。あんなに持ってる。玉野くんやっぱり好きなんだ!]
玉野越『…あ、この【亀角】のカード。どうしたらいいもんか。俺の推しでもないし、参ったな〜。』
[葵の声]
[あれは!私の推しのカード!……よし!]
金山葵『…あ、あの!……そのカード、私に譲ってくれないかな?』
玉野越『ん?なんで?』
金山葵『実はね、【玉野くん】私も双剣無双が好きで、亀角が1番の推しなの…だから、捨てるくらいなら私が貰いたいの。』
[葵の声]
[めっちゃ見てる……引かれたかな??]
玉野越『お、おう…。亀角のカードの処理に困ってたから助かったぜ。…ほらよ。』
金山葵『わぁ…!ありがとう、たまのくん♡』
[葵の声]
[その時から、私は玉野くんの事を好きになった。その時もらったカードは、チケット予約限定で貰えるカードの1枚だった。しかも激レアアイテム!私もチケット予約してみたけど、すぐに売り切れて手に入らなかったんだよね。]
金山葵『……でさ、玉野くん。2回目になるかもしれないけど、私と一緒に双剣の映画、みにいってもらえないかな?』
玉野越『急に何?』
金山葵『急にごめんね。…私も見に行きたかったんだけど家族の用事で行けなかったの。…でも、玉野くんの都合が合うんだったら、今週の土曜日か日曜日に一緒に行きたいなって。』
玉野越『…スケジュール帳を見させてくれ、俺もすぐにYESとは言えん。…ええっと…お!土曜日なら空いてるぜ。それでいいか?』
[葵の声]
[その後、私達は映画鑑賞に出かけました。ずっと見たかった双剣無双の映画。心から楽しめたし、つい、我を忘れてしまっていた。グッズまで奢ってもらっちゃったし…至れり尽くせりしてしまった。]
玉野越『…どう?楽しかった?』
金山葵『うん!グッズまで奢ってもらったんだから。こんな私をここまで…。』
玉野越『なぁ、金山。…お前、そんなに見に行きたいんだったら、俺に声掛けしてくれりゃ良かったのによ。』
金山葵『…ごめん。』
玉野越『確かに、男女という立場上…言いにくいことはあるかもしれない。でも、一言でも伝えてくれたら俺は何かしらの対応ができる。
否定する可能性もあるけど、最初からそうするつもりもないし。都合が合えば行くさ。』
[葵の声]
[玉野くん…。そんなことを思ってたんだ…。なんか申し訳ないな…。]
玉野越『間違ってても、これでクヨクヨするんじゃねぇぞ?俺は全然怒ってないし、叱るつもりもない。…【もっと素直になって欲しいんだ。】…それに黙り込むのも、いいことじゃないと思うぞ?』
金山葵『……っ。』
玉野越『どうせ、【どうせ私なんて陰キャの極みだから、誰からも誘ってなんかくれないわ。】…なんて思ってんだろ?』
金山葵『ギクッ!?』
玉野越『…んなことねぇんだよ。…お前のことほっておく奴なんぞいねぇんだ。覚えとけ、証拠として【俺が居る】。』
金山葵『玉野くん……。』
玉野越『…強い口調になったのはスマン。だが、それぐらいお前のことを思ってる訳だ。…せっかくの高校生活だろ?つまらない終わり方なんぞ…俺にはごめんだ。』
[葵の声]
[そうして玉野くんは、私に手を伸ばす。]
玉野越『もし、少しでも自分の事を変える気があるなら、俺についてくるか?』
金山葵『…え?』
玉野越『だーかーら、俺について来るか?【Yes or No?】』
金山葵『…い、Yes!!私を返させてください!』
玉野越『了解した。…自分自身を変えるんだ。無理難題を課すかもしんねぇが、それを超えてこそ本当のお前になれる。いいな?』
[葵の声]
[彼には…玉野くんには本当に助けられた。笑顔や発生の練習、自分自身の生活の大幅改善…。好きな物は残しつつ、それ以外は大胆な変更をした。正直…そこまで頭は悪くないけど、秀(ひい)出てる訳でもない。…そんな私に魔法をかけてくれました。]
[玉野越の声]
[彼女を改善させてるうちに思った事…彼女は思った以上の美少女でした。要は彼女は、極度の恥ずかしがり屋で、人目に付くことがかなり嫌で、先生から当てられて欲しくないようです。]
[葵の声]
[【誰からも相手にして欲しくない。亀角だけ居ればいい。】そう思っていた。…そんなのとはもうおさらば。…心の支えには彼になるでしょうが、今は違う。]
玉野越『…俺の彼女は努力家だ。俺も学ぶべきことが数多(あまた)ある。』
金山葵『私には、素敵な彼氏がいるから!』
玉野・金山『これからも、私達は変わり続けるから!』
Fin.
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