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『死神少女と青年』作者:Natal

【登場人物】

真琴・・・男


死神・・・女


【ストーリー】


[真琴の声] […はとこが死んだ。って言っても…俺は顔も声も知らない。 今日…この葬式で、初めて顔を見るのだ。 棺に入っているはとこの顔を見る。 真琴(まこと)『…綺麗な顔をしてるね。』 特に感情のない事を言う。 葬式が終わり、火葬場に向かう為にバスに乗り込む親戚達。 俺は関係ないけど、親族達を送るために少し離れていた。すると… 1人……見慣れない人が居る。 葬儀場のスタッフかな?俺は気になり…その人に近付く。] 真琴『…嘘だろ…。』 [真琴の声] [俺はその人の顔を見て、青ざめた。なぜなら……目の前に居たのは… 先程、親族達に見送られた…あの少女と【同じ顔】をしていたからだ。 俺が愕然としていると、死神は喋り始めた。] 死神『…そんなに驚いたか?あの少女と同じ顔をしていて…。』 真琴『いや、だって!!さっき棺に入ってて…!!』 死神『そうだな。棺に入っていたな。』 真琴『…これは夢だ…これは夢だ…』 死神『夢ではない。現実だ。お前はバカなのか?』 真琴『ばっ!バカじゃねぇよ!!』 死神『なら、私の存在も分かるだろう…?』 真琴『お前、誰なんだよ。ここのスタッフには見えねぇし……。』 死神『私か?私は、死を司る神様……ここらの人らには【死神】と言われてる。』 真琴『しっ、死神っ!?』 [真琴の声] [俺は思わず、腰を抜かした。それもそうだろ……だって、死神だぜ? 死神って魂とか、取られちまうんだろ?] 死神『どうした?そんな事で腰を抜かすとは…弱いなぁ…』 真琴『うるせぇ!それより…死神さんよ…』 死神『…なんだ?』 真琴『お前、なんで葬儀場に居るんだよ。死神ってもんは墓場や病院に居るもんだろ?』 死神『まぁな。』 真琴『じゃあ、なんで居るんだよ。』 死神『居たら悪いのか?』 真琴『ここ、葬儀場だぞ?』 死神『私がここに居る理由が知りたいのか?』 真琴『まぁ…。』 死神『…迎えに来たんだよ。【片割れ】をな。』 真琴『…片割れ?』 死神『…私とあいつは【双子】になるはずだった。でも、神のイタズラで 私は……。』 真琴『…それで、死神なっても…お前の片割れを見てきたのか……。』 死神『寿命が尽きるこの時までな。』 真琴『…お前も彼女も、綺麗な顔をしてるな。』 死神『…お世辞か?それとも本心か?』 真琴『…まぁ、神様に嘘は付けねぇからな……』 死神『あはは…面白いやつだな。』 真琴『…で、その…彼女は来たのか?』 死神『…どうやら、また離れ離れになるみたいだ…あいつは天国に行く。私は着いて行けない。』 真琴『そうか…。』 死神『…私は、永遠に死神として生きていくしかない…。そういう運命だ。』 真琴『…じゃあさ、俺と一緒に来ない?』 死神『…は?』 真琴『俺は親父もお袋も死んじまったからな。1人は寂しいんだ。』 死神『…寿命を縮めることになるが、いいのか?』 真琴『別に構わないさ。』 死神『…なら、お言葉に甘えさせてもらう。』 [真琴の声] [……あれから数年後、俺は心筋梗塞で死んだ。 享年(きょうねん)36歳。最後まで孤独に死んだ……いや、違う…。 彼女が…【死神】が…最期まで居てくれた。 死神は、最期に俺の手を握りながら… 『死ぬのは怖くないか…?』と言った。 俺は死に際に振り絞って…彼女に言った。 『君と【一緒】なら怖くもなんともない。永遠と君と居たい。』 今思うと、あれはプロポーズみたいなもんだったのかなって思ってたり…。 まぁ、そんな事はどうでもいいんだ。 だって、死んだ俺は…彼女と……。]


Fin


キーワード:感動・2人・男1・女1・Natal


【Natalの台本集】→https://writening.net/page?K7rDDA



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