駆・・・主人公。この春新社会人で東京に上京予定の男性。
瞳・・・駆の姉。
子ども・・・駄々をこねている子ども。幼稚園生くらい。性別は不問。(基本兼役)
母・・・駄々をこねる子どもの母。(基本兼役)
【ストーリー】
子「ねぇ!!ママ!!これ買ってぇ!!欲しいぃぃぃ!!」
母「ダメよ!この前違うおもちゃを買ってあげたばかりでしょ??」
子「やーだぁぁぁ!!!うぇえぇぇん!!」
駆「ふっ(優しく笑う)」
瞳「どうしたの駆?」
駆「いや、なんだか微笑ましいなぁって思ってさ」
瞳「あー、確かにそうね(笑)」
駆「俺も昔は、あんなふうに母さんのことを困らせてたんだよなぁ」
瞳「そうだねぇ、あんたものすごく我儘だったからねぇ。母さん凄く困ってたよ(笑)」
駆「きっとあの子もいつか、大人になったら、今日のこと思い出して、俺みたいに懐かしくなってんだろなぁ。」
瞳「そうかもね」
駆N:俺は姉貴と共に母の墓参りに向かっていた。
駆「なぁ、姉貴」
瞳「ん??」
駆「俺、東京でうまくやってけるかな?」
瞳「知らないわよ」
駆「は?ひど」
瞳「そんなんあんた次第じゃない?東京で就職するって決めたのはあんたなんだから、いつまでもうじうじ言ってないの。」
駆「それは……そうだけどさ」
駆N:この春、俺は新社会人として東京で働くことが決まっていた。幼い頃から夢見ていたエンジニアとして活躍するために。
瞳「まぁ、全部が全部最初からうまく行くわけないわよ。でも、やりたいことやるって決めたんでしょ??」
駆「うん。……でも、姉貴はさ、どうすんの?」
駆N:俺と姉貴は母子家庭で育った。母は、昔から体が弱く、何度も入院を繰り返していた。そのため、6つ歳の離れた姉貴は、俺にとって第二の母のような存在でもあった。
瞳「私は、私でこっちで頑張るわよ。心配しなくて平気」
駆「一人で寂しくない?」
瞳「寂しいのはあんたでしょ(笑)私は、あんたが頑張ってるのが分かれば全然寂しくない!!ほら、いつまでもうだうだ悩んでないで、覚悟決めな!!母さんに報告するんでしょ?!1番あんたを応援してたのは母さんなんだから!!」
駆「あぁ」
駆N:いつのまにか俺達は、母の墓についていた。
駆「母さん、俺、行ってくる。不安はいっぱいあるけど……」
瞳「……(優しく微笑む)」
駆「夢掴んでくるから!」
駆N:温かな春のそよ風が、そっと駆け抜けていく。優しく背中を押すメッセージのように……
Fin.
【キーワード】感動・家族・2人〜4人・男1・女2・不問1・schön Ton
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