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『新たな日々の交差点』作者:痔・エンド

【キャラ紹介】

陽彩(ひいろ)

·····男、大学四年生、大学の卒業式が終わり実家へ帰省中。次の拠点への引越し準備をしている。


前向きで明るい性格、行動力があり努力家、あんまり素直じゃない、好きな言葉は勝利


駆とは幼稚園から大学まで一緒



駆(かける)

·····男、大学四年生、大学の卒業式が終わり地元へ帰省中。次の拠点への引越し準備をしている。


マイペースでおっとりした性格、真面目でコツコツ物事に取り組むがいつもギリギリ、空気が読めないことがたまにキズ、好きな言葉は創造



陽彩とは幼稚園から大学まで一緒



夏飛(なつひ)

·····女、高校三年生

意識が高く結果にこだわる性格、決めたことを貫く、天然気質、好きな言葉は笑顔



春翔(はると)

·····男、高校三年生

物事をよく見て動く慎重な性格、優柔不断なことが多い、楽しむことがモットー、好きな言葉は前進



━━━━━━━━━━━━━━━

【キャラ略称】

陽·····陽彩

駆·····駆

夏·····夏飛

春·····春翔

━━━━━━━━━━━━━━━


「ゲッ!もうこんな時間か〜後輩とゲームやり込んじゃったもんなぁ荷造りしねぇと·····」




プルルルルルプルルル



「お?ひいろじゃん」



ピッ




「もしもし?どうしたよ」


「おう!かける〜!今家にいるか〜?ちょうどお前の実家の前通ったんだよ!」


「まじ?居る!·····ってかさひいろなんでこの辺に居るの?地元もう出たと思ってたわ」


「まだまだ!明日業者呼ぶから今日まで居るよ」


「そっか!俺てっきりもう居ないと思ってたわ」


「よくみんなに言われる〜」


「そうだよなぁ〜陽彩は早いねぇ何の行動するにも」


「まぁな!さっさと次の拠点生活に慣れるのも必要だろ?」


「そうだけど·····」


「どうしたよ」


「逆にさ、今という残りの時間を大事に過ごすってのもまた1つの考え方だよね?」


「あぁ〜確かに?·····」


「あんまピンときてないね」


「喉元までは来たんだけどね」


「それ意見言いたいのに、後ちょっとで出てこない時に使うんだよ」


「んじゃあ降臨しそうだった」


「召喚士かなんか?·····じゃなくてさ俺が言いたいのは俺たちもうすぐ引っ越すじゃん?


だからさ俺らは、地元の仲間らと居れるのもあと少しだからその時間を大事にするのもまた必要だと思うんだ」



「なに?ちょっといい事っぽく言ってんのよ」


「言ってみたかった」


「なるほどぉ·····まぁでもそう考えると俺ってさっさと次のステージ行きたくて脳死だったかも」


「陽彩は昔からそうじゃん?なんか片道切符の電車って感じ」


「勢いはあるかもな!ちょっと待て!それだと俺帰って来れないじゃん」


「だって陽彩は後ろ振り返るとかそういうタイプじゃないし·····


っていうかさ!電話かけてきたけどどうしたの?」


「あぁ!悪い悪ぃ実はたまたま近く通ったからこの街出てく前に駆の家寄ってこうかな〜なんて」


「どういうこと?」


「だから〜引っ越す前に駆の顔で見てこうかなって話!」


「ほぉ?·····なに?寂しいってこと?」


「ダメだこいつ·····ちげぇよ挨拶みてぇなもんだよ」


「俺たち社交辞令的な仲だったっけ?」


「あぁめんどくせぇ!逆だよ!大事な相手だから挨拶するんだろ?考えてみろよ俺だぞ俺ッ!


天下の陽彩様だぞぉ?


いちいち人に挨拶をするようなガラじゃあねぇだろ」


「確かに·····そうか!そうしたら俺のことが好きなんだ!なるほどね!」


「じゃあもうそれでいいよ·····とりあえず今から遊び行くからよ!なんか飲みたい酒とかある?それから食べたいツマミとか俺買ってくよ」


「んじゃあいつもので!」


「お前いっつもそれだなぁわかったよんじゃあまた」



プツッ



「ふぅ〜このダンボールの数見たらビビるかなアイツ·····俺も明日引越しなんだよなぁ·····」



━━━━━━━━━━━━━━━

時は少し遡り



「はぁ〜きょうも疲れたなぁ〜しかしいい明日が私を待っている〜どんな出会いが明日もあるかなぁ〜なんて!


さぁてゴロゴロしよっと」



「やばい寝れないどうしよう·····」



「そういえば今日のテレビホラー特集だったっけ·····春翔は今頃寝れなくなってる頃かな〜」


「え、もしかして俺の部屋にもいるのかな」


「多分部屋の角とか、窓を見てビビってるんだろうなぁ」


「台所に塩取りに行こうかな」


「そうだちょっとからからってあげよ」



プルルルル



「ファァァァァァァァァ!ッッ!ンギッ!ギギギ!なつひぃぃい!」



ピッ



「もしもし?アハハハハハハ!

やっぱりビックリしてた?」


「あのなぁ·····やっていいことと悪いことってのが」


「でも怖がってたんでしょ」


「そうッ·····だけどッ!」


「ほらね〜私が電話かけたから少しはやわらいだ?」


「う、ううーん?」


「そうでもなかった?じゃあおやすみ」


「待って待って待って!悪かった!

折角だしもうちょい話そうよ」


「いいけど?どうしたの?」


「いやぁ特に理由はないけど」


「まぁそうね!卒業式終わって私たち話すことも会うこと減ってたもんね」


「そうそう!だからたまにはいいかなって」


「春翔はもう新生活準備は大丈夫なの?」


「まぁ〜ボチボチかなぁ夏飛はどうなの?」


「私はもう入居だけだよ〜!」


「そっかぁ〜計画的に動いてんのかぁ·····」


「そりゃあ私だからね!嫌なこと後回しにしてもしょうがないし」


「そうだよな俺もすぐやらないと俺はすぐ後回しにしちゃうからさぁ」


「今を楽しむのはいいけどちゃんとやることはやらないとだよ!」


「わかったわかった!母ちゃんかよ·····」


「でもこうやって心配してくれる幼なじみと居られるのも、あとちょっとなんだよ〜はーるーとくぅ〜ん♪」


「わ、わかってるよ!·····そんなの·····」


「·····ん?どうしたの?」


「いや、あんま実感わかねぇなぁって思って」


「実·····感?」


「そう、だってさ俺たち幼稚園の時からずっと一緒だったろ?

なんの縁か知らないけどクラスも同じだし·····


そんな俺らがもう身近には居ないんだなって思っても実感わかなくって」


「まぁ一緒に居た時間は長いからね〜私はあんまりこの地元に未練はないから切り替えはバッチリだけど!」


「未練ないってすげぇなぁ流石は後悔が無いようにずっと意識高く過ごした人だ」


「それ褒めてんの?」


「褒めてる?かな?」


「ウソだぁ」


「つーーかよくすぐ切り替えれんなすげぇや」


「私の場合性格的にいちいち考え込む人じゃないからそんな春翔は何か考えたりするの?」


「別に?そんな大したことじゃないよ」


「そお?」


「おう」


「春翔は考え込んじゃうから心配だけど」


「そ、そう?大丈夫だよ!



····ところでさ··」


「ん?どうしたの」


「夏飛はホントにIT関連目指すんだもんなぁ·····全然想像つかないや」


「今更じゃない?」


「いや、そうだけどすげぇよ?俺からしたら未知の世界だから」


「まだスタートにも立ってないしこれからだよ!」



「わかってるわかってるまぁでも夏飛なら大丈夫だよな」


「あ、ありがとう!春翔もコツコツ頑張るんだよ?」


「おう!ありがとうな·····


えっともう一個いい?·····めっちゃ今更だけどなんで夏飛は急に進路変えたんだ?」


「え??今聞くの!?それは秋くらいに聞くことじゃん!


·····えぇ·····


ええっとね!テレビで報道されてた大学生達が気候とか観測するシステムを元に農業の効率化をはかるアプリケーションを開発してどーのこーのみたいな·····覚えてる?」


「あーーあったな!あれだろホントに企業に導入されちゃって今農業で大助かりしてるやつだよな」


「そうそれ!」


「おう、あの報道がどうしたんだよ」


「実はねその人達が私らの高校出身らしくて」


「·····え!?あ、そうなの?熱い二人組居たよね!」


「そう!それで私もせっかくなら広い世界に飛び出したいっていう思いと


この街からそんなカッコイイ人が出てるんだもん!私もそうなりたいなって!」


「憧れ·····かぁ〜なるほどなぁ」


「そう!その大学でいろいろ学んでみたいなって!まぁ憧れと好奇心かな!」


「そっかそっか〜!それ聞いたら尚更応援するわ!頑張れよな夏飛!」


「う、うん!見ててね大活躍しちゃうんだから!」


「お、もうこんな時間かそろそろ寝ようか」


「そうだね今日はありがとうね春翔!おやすみ」


「あいよ!おやすみ夏飛·····」




「·····ふぅ·····


はぁぁあ言えねぇよなぁあ!


言えねぇよ!言えるわけがない!


夏飛があそこまで本気なら尚更言えねぇやぁ〜


俺さ大学も夏飛と一緒に居たかったんだ·····なんて」



「何喋ってんの?」


「ブワッフォッフォワァッファァァドュフドュフ!フヒュー!ヒュー!らりるれろらりるれろらりるれろ!」


「ちょっと壊れないでよ!!」


「き、聞いて·····た?」


「いや通話切れてなかったから切ろうとしたの


そうしたらなんか一人言ボソボソ言ってるからなんだろうなって

·····何話してたの?」


「いやややややややなんでもないぞぉ!おやすみ!」




ブツッ




「死ぬかと思った·····ホラー番組より心臓に悪ぃぞこれアイツ天然だから助かったけどさぁ〜


まさか俺がずっと片想いしてるなんて思わないだろうなぁ·····」







「聞こえてたよバカ·····今頃言うのずるいじゃん·····


春翔に気持ち結局言えないまま地元離れちゃいそう·····」



━━━━━━━━━━━━━━━




ピンポーーーン


「ういぃ〜」


「えぇぃ〜」


「おぅいぇ〜」


「うぇぃ〜」


「おうおう〜」


「ふぇ〜」


「そろそろ話せよっ」


「お前がうぃぃ〜とか言うから」


「IQ2みたいな会話してたなw」


「それなぁ!ほら!いつものセット持ってきたぜ」


「ありがとう!やっぱこれよ!

そいや陽彩は配属先決まったの?」


「決まった決まった!結局大学の方面wwww」


「どこでも行ける準備で退去したのに結局大学方面かよ!引越し準備めっちゃ無駄じゃない?」


「まぁいいよ!大丈夫大丈夫どーせ大学の勉強道具や資料は使わないし

必要なものだけ改めて持って次の賃貸行くよ!


駆は配属先どうなったの」


「俺は元々志望してたとこ」


「んじゃあほんとに俺とは逆方面だ」


「そういうこと〜」


「あーめっちゃどうでもいい話だけどなんでそんな梅酒すきなの」


「ほんとにどうでもいいな·····まぁ梅酒はなロックだと味が変わって飽きないんだ」



「ほう」



「氷で薄くなるから飲む度違う梅酒を楽しめるってこと·····どうよコレ」


「喉元まで響いた」


「何今日喉元までってワードハマってんの?」


「うぃ〜」


「あ、これ図星だ」


「まぁ乾杯しようぜ」


「おう!」


「俺たちの旅立ちを祝って〜」


「乾杯!」


「んっんっうめええええええ」


「ビャアウマイ」


「言うと思ったわぁ〜後輩にウケいいしそれ言っときゃいいと思ってるもんな」


「うぃ〜」


「あ、これ図星だ」


「いやぁいきなり来たからビックリだよね〜」


「わりぃわりぃ!明日出てくからよ最後に語りたくて」


「こうやって語るのも最後か〜」


「だな!まぁ色々あったよな4年間」


「ホントね〜よくやったよ俺ら」


「まさかこんな大掛かりなると思わなかったけど!」


「遊んだ記憶ほとんっどねぇや」


「わかる!パソコンと友達だった!」


「そうそう〜!もうね奥さんですよアイツはwwwwww」


「いや!偉大なる母かもしれんwwww」


「そうだな!俺らの才能伸ばしてくれますからいい母ですよ!」


「なんかそういう意味では充実してたかもな」


「でもさ〜逆に俺らほどキャンパスを使わなかった学生居ないんじゃないか?」


「授業の出席意外大して使ってないもんな」


「まぁでも結局リーダーと副リーダーの俺らが重荷なるしそらそうか」


「まぁまぁ確かに責任は俺達の方でかいからね同期のみんなよりは明らか忙しかったな」


「でもなプロジェクトも大成功してさ同期みんなでゴール迎えられて良かったよ」


「一時期はどうなるかと·····」


「データ吹き飛んだり、内部で喧嘩勃発したり、教授ともぶつかることあったし·····」


「その度こうして俺ら集まって会議して?」


「結局朝まで話し込んで」


「寝不足で授業受けて」


「なのにまたすぐプロジェクト進行して」


「エナジードリンクさんはお守りだったな」


「翼を授かりかけたことは数しれず」


「周りからのあだ名は社畜サイボーグ」


「けど俺らは何も気にしない」


「なぜなら大好きなことをただやってるだけだから」


「大変だったけど辛かったことは無いよな」


「そんな俺らに着いてきてくれる頼もしい仲間がいて」


「支援してくれる企業の人達がいて」


「みんなの思いをひとつに突っ走った4年間·····だな」


「まぁこっからまた一段階上のステージへ新しくスタートなんだけどな」


「そうだな!そいやさ·····気になってたけどこのダンボールの量どうした」


「実は引越し作業をゆっくりやっていた」


「え?お前出てくのいつ?」


「明日」


「馬鹿じゃないの!?終わんねぇだろこれ!つーーか陽彩は行動早いなぁみたいな最初の電話やり取りなんだよ!

お前も早い方じゃねぇか!」


「大丈夫だよ終わる終わる!それに新拠点は陽彩にスタートで負けないために俺も慣れようと思って〜」


「なぜ終わると断言できるんだコイツは·····それと何で競ってんだよ·····」


「まぁまぁ硬いこと言わずにさ」


「帰る」


「なんで!?」


「いや、ほら引越し作業あるもんな、

お前の邪魔しちゃ悪いだろぉ?」


「いやいやそんなことないよ?て、手伝ってくれても良いんだよ?」


「死んでもヤダ」


「俺の終わったらお前の手伝うから〜」


「それなら個々でやった方いいだろ!」


「まぁ!相棒の最後手助けだと思ってさぁ〜」


「やだよぉ」


「あ、この間リリースされたばっかのアプリケーション開発ツールの便利な使い方教える!」


「交渉成立だ」


「うっしゃ」


「お前の荷造り終わったら俺の家手伝えよ?」


「それとコレは別だ」


「この間リリースされた統計効果測定ツールの便利な使い方教える」


「乗った」


「チョロいな俺らって」


「まぁ好きだしなこういうの」


「結局ものづくりから抜け出せないんだよ」


「飲みながらやりますか〜」


「おいぃーーーす」





··········



「これで俺の家もOKっと」


「長かったァ〜」


「お疲れ〜」


「うぃ〜」


「寝てねぇのに業者もう来るよ」


「俺ん所もだわ!んじゃあ家戻るわ!」


「おう!昼過ぎたら新幹線で次へ向かうのか?」


「そうだよ!お前は?」


「俺も昼過ぎだわ、14時とかのやつ」


「まって俺もだわwww」


「んじゃあ駅でまた会うな」


「一旦お疲れ様だなw」






·····





「ふぃ〜疲れたぁ〜陽彩に買ってってやろ翼を授けるドリンク」


「あー肩いてぇ·····あいつ寝てねぇだろうし翼を授けるドリンク買ってってやるか」



「おいぃ〜」


「うぃーす」


「ほらお土産」


「おぉふざけんなっwwwwwwwほらお土産〜wwwwwww」


「ふざけんなっwwwwwwwww要らねぇよ2本もよぉwwwwww」


「しかも寝てねぇ体に前の晩の酒残っててwwwwエナジードリンク2本てwwwww」


「最後まで馬鹿だなぁ俺らwwww」


「お、新幹線も来たな!」


「ホントだ!俺はコッチ、陽彩はあれか」


「そうだな」


「今度こそじゃあな相棒」


「おう!元気でな相棒」


「なぁ約束忘れんなよ」


「当たり前だろお前こそ俺に負けんじゃねぇぞ」


「5年後だ」


「そうだな」


「俺はクリエイター」


「俺はエンジニア」


「5年で全国で名を馳せた方が勝ち」


「勝った方が代表」


「負けた方は副代表」


「5年後また俺たちが起業する時に会おう」


「おう!」


「新拠点でも勝利しまくってやるぜ」


「俺は創造しまくる誰も着いてこれねぇ領域にしてやるよ」



〜まもなく扉が閉まります~


「一を持って」


「これを貫く」



陽、駆

「あばよ相棒」



ガシャン





━━━━━━━━━━━━━━━






<まもなく〜2番線に〜



「もうすぐ新幹線が来るね」


「そうだな!結局俺の旅立つ日と合わせて良かったのかよ」


「ううん良いの!数日くらいなら変わりないよ」


「いよいよ俺らお別れだなぁ」


「うん·····春翔あっちでも連絡してよね」


「任せろ夏飛も連絡しろよ」


「あの·····さ!」


「お?」


「いや·····えっと·····


··········」


「なんだよ?」


「その·····頑張ろうねお互い!」


「おう·····!


·····夏飛ッ!」


「え!?」



「あの·····俺·····さ!夏飛と同じ大学で過ごしてみたかったわ!でもさ夏飛の夢も応援したいんだ!急に進路変えた時はビックリしたけど!


夏飛なら大丈夫!がんばれよ!」



「うっ·····わ、私も!本当は!春翔と同じ大学で過ごしてみたかった!すっごく楽しいと思うし·····それに」


「そ、それに?」


「なんでもないっ!私が居ないと春翔はだらけるから!しっかりしなさいよ!」


「それはわかってるよ!最後までうるさいなぁ!


じゃあな夏飛!」


「じゃあね春翔!」


「一歩前進」


「笑顔で旅立とう」



春、夏

「またね!」




ガシャン




━━━━━━━━━━━━━━━





「結局好きだよっていえなかったなぁ·····春翔大学行ったら彼女とかすぐ出来ちゃうのかな·····」


「最近の高校生はすげぇなあんな青春してみたかったな·····(ボソッ」


「もっと素直ならなぁ·····」


「充分素直には見えたけどなぁ


んっんっエナジードリンクうまっ(ボソッ」


「なんですかっ!さっきから!」


「ブゥーーーーー!!ウエッゲホッゲホ!カァ!ウェエエエゲッフゥ!」


「ちょっと!死なないでくださいよ!」


「まさか·····聞かれてるとは·····」


「人の勇気ある行動を勝手に盗み聞きとは許せませんね!」


「待ってくれ!あれ多分みんな見てたぞ声でかいし」


「そんなこと言ったらお兄さん達も5年後また会おうみたいな!」


「やめろやめろ!見せもんじゃねぇぞ!」


「そっちだって声大きかったですから!」


「わかったわかった·····見たところ高校三年生?かな?大学で上京かい?」


「そ、そうです!」


「そっかそっか〜ちなみにどこ大なの?」


「えっと·····紅牛嶋大(こうぎゅうじまだい)です」


「紅大(こうだい)なの??マジか!」


「どうしたんですか?」


「いやつい最近卒業したなぁって·····」


「そうなんですか!?紅大のこと色々知りたいです!」


「お、おういいぜ!」



━━━━━━━━━━━━━━━



ガシャン



「あぁーあ!行っちゃったー言えなかったなぁ最後まで〜


どーせ夏飛はすぐ彼氏作っちゃうんだァ!〜ワァァー!」


「眩しい青春してるなぁ·····」


「はぁ·····なんかやたら天井チカチカしてるな」


「ん?電気がすげぇ消えんな·····」




アナウンス

「ただいま電力回路の見合わせのため一時停止致します〜」



「は?なにがあった」


「大丈夫なのかこれ」



「ちょっと見てくるかぁ」


「え?見てくるって·····あのお兄さん·····」


「はーいはいちょっと通りますよ〜あ、ここっすねちょっと見ていいすか?あー危ない?大丈夫です俺こういうの強いんで!


なーーるほど?ココがこうでハイハイ、ちょっと任せてください」


「すげぇ·····なおしちゃってるよ·····」



━━━━━━━━━━━━━━━


「え!?新幹線時間見合せ?」


「どうしたんだ?」


「さっき反対方向に進んだ新幹線が何やら停止らしくて·····」


「マジ?駆大丈夫かな」


「お友達さん心配ですよね·····」


「もしもし?駆?大丈夫か?」


「うおっなんや!今作業中!回路いじってるから!再開早いな相棒」


「5年ぶりだなあ!」


「うるせぇよ…こっちは心配すんな大丈夫だからありがとよ」


「おう·····!」


「大丈夫らしいわ」


「本当ですか?」


「うちの相棒が修理してるらしい余裕だろアイツなら」


「凄い人なんですね」


「まあな機械系出来ないこと無いんじゃないか?」


「すごいなぁ私もITは強くなりたいです!」


「お、そうか!紅大にはIT関連特化のコースがあるからそこ行くの?」


「そうです!また話し聞かせてください!」


「よっしゃ続きから話そうか!」




━━━━━━━━━━━━━━━




「よしっと!おーわり」


「すげぇ·····」



アナウンス<只今より電力の復旧を致します·····


「すごいっすね!」


「いやぁ大したことないよ君も凄かったじゃん?」


「え?」


「告白みたいなの」


「ちょ!聞いてたんですか!」


「聞くよそりゃあ·····あんな大きな声出してたらwwww」


「やめてくださいよ」


「あーそういえば新幹線止まったのに女の子から電話とかなかったね」


「気にしてるんですからやめてください!」


「俺は相棒からさっきかかってきたけどなw」


「きてましたね本当仲良いんですね」


「まぁライバルみたいなもんさ·····ところで君!メールでも見てみたら?」


「メール?·····なん·····で·····メール?メール︰件名大丈夫ですか?って夏飛ぃ?」


「そんな感じしたよ素直じゃなさそうな子だしメールで連絡しそうじゃん」


「分析しないでください!」


「ごめんごめん心配なかったろ」


「そう·····ですね」


「そいや君は今度大学生なのかい?」


「そうです!春から白翼丘大学(はくようおかだい)です」


「白大(はくだい)かぁ〜あそこ俺の恩師の大学なんだよね」


「そうなんですか!?」


「そうそう〜後期くらいからクリエイターコースとか経営コースとか別れて勉強出来るから有名だよね〜」


「そ、そうですね!お兄さんはどこ大出身なんですか?」



「あ、かけるだよ俺の名前俺は紅大って言えば伝わるかな?」


「か、かけるさんですね!紅大·····紅大!?かける?紅大のかける?」


「ど、どうした?」


「え、あのテレビ出てた!」


「で、出た」


「うわぁぁああ!だから地元この新幹線乗ってるんだ!」


「どうしたどうした?」


「その·····さっき居た女の子かけるさんに憧れて紅大志望にしたんすよ!」


「あ、あぁ!?そうなの??」


「え、ちょ自慢したいんで電話します!」


「え、えぇ·····」



━━━━━━━━━━━━━━━




「色々聞けて良かったですありがとうございました!」


「いえいえ!困ったらいつでも聞いてな!またどこかで会うかもしれねぇしこれ俺の名刺!俺は仕事の用事があるからここで降りるわまたな!」


「はい!ありがとうございました!お気を付けて!」






プルルルル





「え?春翔?」




ピッ





「ん?どうしたの春翔·····ってか新幹線大丈夫?」


「新幹線なんでどうでもいい!出た出た!夏飛!出たんだよ!」


「なにが?幽霊?」


「ちげぇよ!駆さん!」


「ん?ん?」


「紅大の駆さん!」


「ええぇっええっええ?」


「お前の憧れてる人!」


「な、なんで!?そこにいるの?」


「たまたま一緒の新幹線に乗ったんだよ·····


んで新幹線ちゃちゃっとメンテナンスしちゃうし


わけわかんねぇよこの人とにかくすげぇのカッケェし!」


「いいなぁ!羨ましい·····」


「それからさ!俺決めた!後期からのコース分けクリエイター行く!駆さんみたいになりてぇ!夏飛とちょっと似た世界に多分俺も行くわ!」


「ほんと!?もしかしたら紅大とそっちの白大よくエンジニア、クリエイター交流してるし何か縁あるかもね!」


「そうなんだよ!次会うまでに俺すげぇ知識つけとくからさ!楽しみしといてな!」


「う、うん!」


「あ、かけるさん変わります?·····」


「え、春翔なんて?」


「もしもし聞こえますか?なつひさん?ですね」


「えっえっえっ!えっえぇぇ?」


「あ、あの〜頑張ってね!」


「は、はいっ!」


「あと多分俺の相棒その新幹線乗ってたはずなんだよね·····そろそろ降りたかもしれないけど」


「相棒って·····陽·····彩さんですか?·····」


「うん!相棒に会ったらよろしくな」


「えええええええ?」


「だそうで·····俺駆さんと目的地一緒だから色々話聞いてくるわ!んじゃあまた!」


「う、うん·····」




ピッ




「え、紅大·····同じ新幹線·····まさか·····名刺·····の名前偶然同じと思ったら·····ひ、·····陽彩·····!本人だったの!??」








「ハッハッ!·····ウェックシュン!誰だぁ俺の噂してんのは!!」




━━━━━━━━━━━━━━━




「それじゃあ春翔くん気をつけてね」


「はい!ありがとうございました!」


「さぁて道分かんねぇからゆっくり調べていくか·····」


「夜ご飯買って新居へ行こう·····」



「仕事終わったしアパートに行きますか〜」




夏飛

「はぁ·····サインでも貰えば良かったかな·····」






ガチャ


「もう·····荷解き休憩!·····」



バタン!



「あれ?扉の音だ·····隣さん帰ってきたのかな?挨拶に行こう」



ピンポーーンすいませーん



「本日から引っ越してきました夏飛と申しますよろしくお願いします!」


「はぁいこちらこそよろし·····は?」


「でたぁぁ!ひいろ!!!!」


「でた!女子大生!!」



夏、陽

「隣だったの!?」



「ここがアパートか·····お、誰か帰ってきたみたいだ挨拶してから部屋に行こうかな!


こんばんは!今日からここに越してきました!よろしくお願いします」


「お、よろし·····春翔くん!?」


「お、えぇ駆さん!?」



「ここ?」


「ここです」


「俺104号室」


「僕105号室です」


春、駆

「隣かァァァ!!」



━━━━━━━━━━━━━━━



その夜



「もしもし夏飛」


「もしもし春翔?」


「どうしたよ急に相談事って」


「実はね·····隣の部屋が陽彩さんだったの·····」


「は、ははははは!·····俺のね隣の部屋駆さんだった·····」



春、夏

「お前もかァァァァァ!」



陽、駆

「なんか隣の部屋うるせぇな·····」





━━━━━━━━━━━━━━━



「僕と夏飛の幼なじみ同士と知り合ったことを陽彩さんと駆さんがお互い認知するのは、しばらくあとのお話」


「激動のキャンパスライフを迎える私たち」


「お互いの仲間同士がまさかこんな形で出会うなんてね·····」


「そう!ここは新たな日々の交差点·····」


END


【キーワード】感動・4人・男2・女2・痔・エンド

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