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『君と梅雨空の下で』作者:あれん

~登場人物~ ♂⤑1 ♀⤑1 『』⤑セリフ数 ✰︎白幡 詩乃(しらはた しの)(♀)『49』 ・大学3年生・しっかり者 ✰︎森 遥斗(もり はると)(♂)『46』 ・大学1年生・ドジっ子 ※物語の最初に幼少期回想があります。 白幡 詩乃は小学6年生、森 遥斗は小学4年生です。 ~記号説明~ (N)⤑ナレーション 所要時間⤑約10分 【物語START】 白幡 詩乃(N) 『これはある、梅雨の日のお話し。』 ~幼少期回想~ ~学校帰り~ 白幡 詩乃(幼) 「わぁ、ほんとに雨降ってきたー。 お母さんの言う通り傘持って来て良かったー。 …あれっ遥斗?」 森 遥斗(幼) 「あっ詩乃姉ちゃん!」 白幡 詩乃(幼) 「ちょっと遥斗びちょびちょじゃん! 傘持ってないの?」 森 遥斗(幼) 「持って来たんだけど、風がびゅーってなって飛んでっちゃったんだ…」 白幡 詩乃(幼) 「もう、相変わらずのドジだね。 はい遥斗、一緒に帰ろう? 家まで送って行ってあげるから!」 森 遥斗(幼) 「詩乃姉ちゃんありがとう!」 ~幼少期回想終了…~ 白幡 詩乃(N) 『私と遥斗は、小さい頃からの幼なじみ。 遥斗は私の2歳下で私の事を姉ちゃんと呼んでいる。 そして遥斗はかなりのドジっ子だ。 それは今も昔も変わっていない。』 ~大学内にて~ 森 遥斗 「あっ詩乃姉ちゃん!」 白幡 詩乃 「遥斗、お互い大学生なんだから姉ちゃん呼びはやめてよー。 それにここ、大学だよ?恥ずかしい。」 森 遥斗 「だって詩乃姉ちゃんは詩乃姉ちゃんだもん。」 白幡 詩乃 「もー。」 白幡 詩乃(N) 『遥斗はずっと私と一緒で、大学も私が通っている大学に進学をした。 また遥斗と一緒の学校生活が始まる。』 森 遥斗 「ねぇ詩乃姉ちゃん、彼氏出来た?」 白幡 詩乃 「な!なんでそんなこと聞くのよ!」 森 遥斗 「だって詩乃姉ちゃん『大学に入ったらかっこいい彼氏を作るんだー!』って言ってたじゃん。」 白幡 詩乃 「ゔっ…」 森 遥斗 「で、どうなの?」 白幡 詩乃 「出来てないわよ! 大体さっきの反応で分かるでしょ!? 察してよ!」 森 遥斗 「良かった…」 白幡 詩乃 「えっ、今良かったって言った?」 森 遥斗 「いや何も言ってないよ?」 白幡 詩乃 「絶対言ったよね!? もー、遥斗私を馬鹿にしてるんでしょ! …ってちょっと遥斗?」 森 遥斗 「ん?」 白幡 詩乃 「ん?じゃなくてそれ、何?」 森 遥斗 「えっあーこれ? 喉乾いちゃってさっきコンビニで買ってきたんだ。 久しぶりにコーラ飲みたくなってさ!」 白幡 詩乃 「コーラってあんたそれ……醤油だよ?」 森 遥斗 「えっ? あっほんとだ!」 白幡 詩乃 「『あっほんとだ!』じゃないわよ! どうやったら間違えるの!?」 森 遥斗 「うーん、なんか醤油とコーラって似てない?」 白幡 詩乃 「色だけね! って、そもそも売り場違うのになんで醤油の方を手に取ったのかな〜?」 森 遥斗 「なんか珍しいコーラだなって思ったから。」 白幡 詩乃 「そりゃコーラだったとしたら珍しいでしょうね! でもこれはどの家庭にもある普通の醤油!」 森 遥斗 「そっかー。 んじゃ、またコンビニ行ってくる!」 白幡 詩乃 「あんた1人だと心配だから私も行く!」 白幡 詩乃(N) 『こんな調子でいつもどこか抜けていて、私は彼にすごく振り回されていた。』 ~少し間を空ける~ 白幡 詩乃(N) 『遥斗との賑やかな大学生活から約2ヶ月が経った頃、またあの梅雨の季節がやってきた。 そして私は、人生初の告白をされた。』 森 遥斗 「詩乃姉ちゃーん?詩乃姉ちゃんってば! 話聞いてる?」 白幡 詩乃 「えっ? あーうん、聞いてるよ。」 森 遥斗 「ほんとにー? 聞いてるようには見えなかったけど。 …何かあったの?」 白幡 詩乃 「えっと、実は…」 ~告白されたことを伝える~ 森 遥斗 「えっ!告白された!?」 白幡 詩乃 「ちょっと遥斗しーー!! ここ大学の食堂だよ!? 皆に聞こえちゃうじゃん!!」 森 遥斗 「あっごめん。 えっと、それでOKだしたの?」 白幡 詩乃 「ううん、断ったよ。」 森 遥斗 「えっじゃあ何をそんなに考えてるの?」 白幡 詩乃 「断ったんだけど相手がものすごくしつこくて…最終的にデートだけでもって言ってきたんだ… それで今度デートに行くことになった。」 森 遥斗 「えっデート!? まだ僕も行ってないのに!!」 白幡 詩乃 「えっ?」 森 遥斗 「あっなんでもないよー?(焦」 白幡 詩乃 「…そっか、遥斗もデート行ったことなかったんだ… 人生初のデート遥斗が良かったな…(ボソッ」 森 遥斗 「えっ何か言った?」 白幡 詩乃 「な、何も言ってないよ? 遥斗話聞いてくれてありがとう! じゃあ次の講義行ってくるね!」 森 遥斗 「あっうん。」 白幡 詩乃(N) 『私は遥斗のことが好きだ。 だからデート当日私の気持ちをあの人に正直に伝えよう。 そしたらきっと諦めてくれる…』 ~デート当日~ 森 遥斗 「今日詩乃姉ちゃんデートって言ってたよな… あー気になるー!! でもまず母さんから頼まれたやつ買いに行かなきゃな…って、あっ雨だ。 でもー、こんなこともあろうかとちゃんと折りたたみ傘持ってきた!偉いぞ僕! よしっ買い物買い物ーっと!」 ~数時間後~ 森 遥斗 「よしっちゃんと頼まれたものは買えたな。 時間はー、まだ14時か…詩乃姉ちゃんまだデート中だよね… あーーー!!なんでこんなに気になるんだ!? …ってあれっ?詩乃姉ちゃん?なんで1人でいるんだ?しかも傘もささずにこんなところに…」 白幡 詩乃 「……」 森 遥斗 「詩乃姉ちゃん!!」 白幡 詩乃 「ん?あー遥斗やっほー。」 (テンション低めに) 森 遥斗 「やっほーじゃないよ!どうしたのさこんなところで! ってかデートに誘ってきた人は!?」 白幡 詩乃 「断ってきた。」 森 遥斗 「えっ?」 白幡 詩乃 「やっぱり好きでもない人とデート行きたくなくて自分の気持ちを伝えて断ってきたの…そしたらすごく暴言吐かれちゃった…まぁ仕方ないよね。」 森 遥斗 「仕方なく無いよ! 詩乃姉ちゃんは正しいと思う。 だからそんな悲しそうな顔しないで…」 白幡 詩乃 「遥斗…ありがとう。 それとごめんねこんな情けない姿見せて。」 森 遥斗 「情けなくなんかない!」 白幡 詩乃 「ふふっ、ほんとにありがとう。じゃあ私、帰るね。」 森 遥斗 「待って!!」 白幡 詩乃 「えっ?」 森 遥斗 「詩乃姉ちゃん、僕ならこんな悲しそうな顔は絶対させない。」 白幡 詩乃 「はる…と?」 森 遥斗 「彼氏、いないんだよね? だったら僕と付き合ってよ。」 白幡 詩乃 「えっ…」 森 遥斗 「僕はずっと詩乃姉ちゃんが好きだった。 でも詩乃姉ちゃんに守られてばっかの僕じゃ駄目だと思って告白はしなかった。 だから努力したんだ。 今度は僕が詩乃姉ちゃんを守る。 だから僕と、付き合ってくれませんか?」 白幡 詩乃 「…ぐすっ…はい…!」 森 遥斗 「!! 詩乃姉ちゃんありがとう!! これから彼氏である僕をいっぱい頼ってよね!!」 白幡 詩乃 「ははは(笑 うん、いっぱい頼る!」 森 遥斗 「んじゃ家まで送るよ、傘無いでしょ?」 白幡 詩乃 「うん、ありがとう。 なんかあの頃と逆だね(笑 ほんと頼もしくなったよ。」 森 遥斗 「でしょ! …ってうわっ!!」 ~傘が風で飛ばされる~ 森 遥斗 「あっ僕の傘が!!」 白幡 詩乃 「ふふっ(笑 前言撤回。 やっぱり私が遥斗を守ってあげなきゃね(笑」 ~詩乃が自分の傘をさす~ 森 遥斗 「えっ詩乃姉ちゃん傘持ってたの!?」 白幡 詩乃 「この時期だから必ず持ち歩いてるのよ。 まぁバックに入ってることすっかり忘れてたけどね(笑」 森 遥斗 「うぅぅ… 折角かっこいい所を見せようとしたのに…」 白幡 詩乃 「あはは(笑 遥斗は十分かっこいいよ。(微笑む」 森 遥斗 「かっこよくないよ…」 白幡 詩乃 「遥斗ちょっとこっちに来て?」 森 遥斗 「何?」 白幡 詩乃 「大好きだよ、チュッ」 ~遥斗の頬にキスをする~ 森 遥斗 「へっ!!??」 白幡 詩乃 「遥斗、帰ろっか!」 森 遥斗 「ちょっと詩乃姉ちゃん!?」 白幡 詩乃(N) 『私は雨が嫌いだった。 だから梅雨の時期は特に嫌いだった。 でも、梅雨も…悪くないかも。』 END


【キーワード】恋愛・学園・2人・男1・女1・あれん

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