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『ジャックライダー』作者:Evo-s


〔登場人物〕

・ヒスケ(♂):トレインジャックの実行犯。(子供も含む)

・ヤマト(♂):平鉄(へいてつ)産業の社員。鉄道清掃を担当。

・ハルカ(♀):NR(エヌアール)崩壊の社員。本部基地より運行オペレーターをしている。

・ミズエ(♀):NR崩壊の社員。

・マリ(♀):NR崩壊の社員。

・チアキ(♀):平鉄の社員。

・テツジ(♂):平鉄の社員。

・ユカリ(♀):警察官。

・タカシ(♂):NR崩壊の本部の警備員。

・マリナ(♀):ヒスケと同じくトレインジャックの共謀犯。大人なお姉さんの雰囲気。(子供も含む)

・マサト(♂):NR崩壊の社員。

・乗客1(♂)

・乗客2(♀)

・乗客3(♂)

・乗客4(♀)

・ナカダ(♂):ニュースキャスター。

・レイ(♀):ニュースキャスター・レポーター。

・エイジ(♂):ヒスケの父。鉄道事故で亡くしている。

・モモ(♀):ヒスケの母。エイジと同じ事故で亡くしている。

・ダイキ(♂):マリナの父。

・ヤヨイ(♀):マリナの母。

・駅員(♂):平鉄、NRの両方を担当。

・ナレーター(N表記/♂):これだけは兼任なしの単独で。



〔注意事項〕

・このお話はフィクションです。

・米印はト書きです。読まないでください。

(SE系でその指示に従っていただけるならば、非常に助かります。)

・米印の無いカッコ内は読んでください。

・演者構成比は、目安として男性:女性=5:4を考えており、兼任は必須という作者の考えであります。

(※あくまでも目安ですので人数調整はしていただいて構いませんし、兼任が嫌なのであれば、ナレーター以外でも単独をしていただいて構いません。)

・アドリブや言い換えも基本的には可ですが、お話の設定を壊すような言い回しはやめてください。



〔STORY〕



N:これは、とある男の野望とその結末である。


ヒスケ:“これで…、これで用意は整った…。

後は、皆を苦しめるだけ…。


誰も成しえなかった、マルチトレインジャックを…。

フハハハハ!!!!

hahahahahahahhahahahahahaha!!”



N:2037年5月8日。全世界を苦しめた中狂(ちゅうきょう)ウイルスによるパンデミックはとっくの昔に撲滅宣言が出され、昔懐かしき、何気ない日常を取り戻していた。


ヤマト:今日も今日とて仕事だ。最近は大きな事故もないしトラブルもない。

今日も平和だな。


よしよし!


ハルカ:朝の通勤ラッシュ以外は特に目立った問題もないし、平常通りの運行ね。


“でも、何か嫌な予感がするのよね…。不安だわ…。”


ミズエ:こちら、コード7805。信号受信を確認。


ハルカ:7805、受信報告了解。



N:きょうもまた、何気ない一日が始まっていく。



ヒスケ:終点に到着っと。


まずは、わざと線路に物を落としてしまったフリをして爆弾をセットする。


って、おっと!先走っちゃった♪財布と小型爆弾を落っことしちゃった♪でも、爆弾はすぐには作動しないよん♪


“すいません!線路に財布を落としてしまいました。拾っていただけませんか?”


N:そう、“何気ない一日が終わりを迎える…。”



ミズエ:マリさん、お疲れ様です。


マリ:ミズエさんじゃないですか!お疲れ様です。


確か、今来ている車両をこの後運転する予定でしたね。


ミズエ:そうですね。お願い致します。



N:今、ヒスケがいるのは服部(はっとり)駅。NR崩壊と平鉄が停まる駅である。


NRで服部まで移動した後(のち)、そのまま平鉄で森川駅まで移動をしようということなのだ。


ヒスケ:さて、平鉄ではどこに爆弾を仕掛けるか…。


N:すると、駅を通過する車両より小石がヒスケに向かって飛んできた。


ヒスケ:痛ッ!イテテ…。


よくも俺に当てたな!!

“てぇ~い!!!”


N:無人の線路に向かって小型爆弾を投擲(とうてき)。目にはなかなか見えにくい超小型爆弾。威力は十分。


次の通過列車がその爆弾を吸い込み設置されたようだ。


ヒスケ:俺に向かってそんな仕打ちは無いだろうよ…。


駅員:まもなく、4番線に電車が参ります。黄色い線までお下がりください。特急、外海(そとうみ)行きです。前寄り2両は特別車です。指定席券の確認をお願いいたします。


ヒスケ:とりあえず乗りますか。


N:ヒスケが軽く腕を振るタイミングで小型爆弾を投げ入れて設置。バレずに済んだようだ。


ヒスケ:とりあえず、遠方に逃げますか。遠隔操作は当然だが、出来なきゃ困る…。



N:同日22時。関北(かんほく)地方に到着。近くのホテルで2泊3日を過ごす予定である。


ヒスケ:バレてはいないようだな。明後日当たりに仕掛けるとしますか。



N:時を同じくして、平鉄猿池(さるいけ)検車場。小型爆弾を仕掛けた車両が到着。


ヤマト:これで、基地にしまう車両は全部かな。…?


N:ヤマトに突然の不安が襲ってくる。


ヤマト:…いや、見間違いか?車軸のモーターにある小さい通気口に、何か見たことのないものがあるのだが…。


一応、電話してみるか…。



テツジ:はい、テツジです。


ヤマト:お疲れ様です。ヤマトです。猿池検車場の。


テツジ:あ、お疲れ様です。何の用でしょう?


ヤマト:今日、10500(1万5百)系の車両を運転しませんでしたか?


テツジ:しましたよ?午後3時ごろに。


ヤマト:何か異常はありました?


テツジ:いいえ?特に何も。


ヤマト:(マジか…。)


了解しました。ありがとうございます。



N:ヤマトの嫌な予感は、“別の意味で”的中してしまうことに…。



日付は変わって5月9日。この日も日中は特に問題無し。


マリ:停車、確認。ドア、オープン確認!


マサト:お疲れ様です。ここからは、私が運転担当します。


マリ:はい。よろしくお願いします。



N:日も沈み18時13分。全車特別車の快速特急“シオン”が出発。客席は満員だ。


駅員:まもなく、快速特急シオン発車いたします。駆け込み乗車、おやめください。

また、指定席券の番号をご確認の上ご乗車願いします。


マサト:信号良し!出発!


N:幾つかの駅を通過して30分ほど経っただろうか?


突然、アラーム音が社内中に鳴り響く。


マサト:ん?!何なんだ?!


N:ピコンピコンとアラームのなるシオン。死へのカウントダウンが始まった。


ミズエ:マサトさん、停止をお願いします。


マサト:…ダメだ。減速すればアラーム音が早くなる。



ハルカ:え?!車両のマークが虹色になっている…。一体何があったのかしら…。



N:そこに、一本の電話がNR崩壊の本部基地に。


ハルカ:はい。こちら本部基地です。



ヒスケ:“シオンは乗っ取った。乗客に乗務員の全員をな。

下手な真似をしたらそいつらの命は無い。減速しようものなら、一気に車両は大爆発。地獄絵図と化す。”


ハルカ:どういうことなの?!あなたは一体誰なの?!


ヒスケ:どういうことか?

簡単さ。車両に爆弾を仕掛けたってわけ。簡単に取り付けることが出来たよ…www。


誰かは名乗らんよ。

…あ!そうそう!!警察にでも通報してみな。即ドカン。


ハルカ:…。


ヒスケ:せっかくだ。あんたは誰だ?これに応じないと…。


ハルカ:…ハルカ。ハルカよ。


ヒスケ:ハルカ、か。いいいねぇ。可愛い名前にその“声”。惚れ惚れしちゃうよォ。


今からそんなキミは、もう僕の言うことしか聞けなくなるんだ。少しでも逆らえば。


ハルカ:…わかった。


ヒスケ:それと、アンタは今、この僕に監視されているからね。


“逃げられないよォ…?!wwwwwwwwww”



N:ミズエ、この車両がジャックされていることを本部基地より通達を受信。


ミズエ:はい、はい。


N:マサトは、信号とスピードメーターを同時に見てはにらめっこ。


マサト:早く、早く。…早く!!


“何か指示をくれ!!このままだと爆殺される…。”



N:時を同じくして、猿池検車場。


ヤマト:ふぅ~、今日も終わったぁ~。


チアキ:“大変大変大変大変大変大変大変…!!!”


ヤマト:?!チアキくん?!


チアキ:“大変大変大変大変大変大変…!!”


ヤマト:だからどうした?!落ち着け!


チアキ:JR崩壊の特急車両がジャックされて爆発しそうなんです!


しかも、その車両、私たちの停まる駅に絶賛向かっています。

この車両がそこで爆発でも起こしたら…。


テツジ:現在、ジャックされている特急シオンは弭間(びま)駅を通過。我々の車両が停まる栗田(くりた)駅まではあと10分!


“このままだと、平鉄のお客様は勿論ですが、駅ごと吹っ飛んで大惨事になります!”


ヤマト:私たちには関係ないだろう。


チアキ:平鉄産業の社長、現在は栗田駅のホテルで会合中ですよ?!見殺しにするっているのですか?!


ヤマト:ん?

!!!


“ヤバイ!忘れてた!!!!!”

(社長は何としてでも助けないと…)


マリナ:うふふ♡

み~んなパニック状態。このシーン、いつ見ても最高ね。興奮してきたわ♡


あとは、ヒスケに報告ね。



N:マリナ、ヒスケに連絡。


マリナ:ヒスケ?タイマーははとっくに起動させているわよ


ヒスケ:マリナか、知ってるよw


なぁに。すぐに爆発させてもらうから。

“ド派手なバースデー”ってね♪


マリナ:貴方、もしかして私の事好きなの?


ヒスケ:あぁ、そうとも。ここまで一緒に行動するうちにさ、素敵な女性だなって思えてさ。それに、今日はキミの誕生日。ハラハラドキドキなのも、案外悪くはないでしょ?


マリナ:それもそうね♪


誕生日、祝ってくれてありがとう。


ヒスケ:まだメインじゃないけどな!



N:その頃、シオンの車内では…。


乗客1:爆弾だぁ?!冗談じゃない!!!


乗客2:う、うぅ…。

(何で?何でこのタイミングなの?!)


乗客3:おい!妊婦さんが陣痛を迎えちまったよ!どうしてくれるんだよ!!


ミズエ:皆さん、おちついて!


乗客3:おい!落ち着いてられっかってんだよ!!冗談じゃない!!


乗客1:神様神様…。



ミズエ:お客様、この先カーブに入ります。手すりや座席に座って下さい。

(※焦っている感じで)


乗客4:ふぅ~。スッキリした。


N:車両が規定測度よりもかなり速い速度でカーブに突入。車両の揺れも大きい。


乗客4:あ、足下…!


“ヤベ!!”



(※爆発音のSEがあれば流すこと。可能な限り、連続で。

ドカドカドカドカドカ~ん!! という感じで)



N:シオン、大爆発。とある乗客が足元をすくわれて体勢を崩し倒れた結果、スイッチがONとなってしまった。


“全員死亡”


ハルカ:あ…、シオンが…。


信号を受信できません。応答も何もできません…。



ヒスケ:残念だったねぇ~www

爆発しちゃった♪


いやぁ~、こりゃ愉快なこった♪


ハルカ:…!!!


ヒスケ:まぁまぁ、そう怒るなって。


今からそっちに向かうからさ♪ケーキか何か持ってこようか?

wwwwwwwwwww


ハルカ:…(泣)



マリナ:あら、爆発してしまったのね。サプライズだわ。


ヒスケ:こんな誕生祝もたまにはいいだろ?


それはさておき、今からNR崩壊の本部に行くぞ。忘れ物するなよ。


マリナ:わかったわ。“ホテル”の手配もお願いね?


ヒスケ:わかっとる。



N:このニュースは日本、いや、世界を震撼させた。

どこもかしこも速報で持ち切りだ。


ナカダ:速報です。午後10時32分頃、NR崩壊の特急車両が突如爆発しました。現場は板津(いたつ)・簀子(すのこ)間のカーブだということです。この事故で、乗客と乗務員の全員が亡くなってしまったということです。


現場にはレイさんがいるようです。呼んでみましょう。

“レイさん”


レイ:はい。こちら、先程の爆発事故現場から東へ2.5kmほど離れた地点よりお伝えします。今日の夜10時32分頃、突如としてNR崩壊の車両が爆発事故を起こしました。現場はやや急なカーブとなっていて、夜間ということもあり爆発の鎮火作業にかなり手間取っています。この事故で、乗客乗員の合計305名が帰らぬ人となってしまいました。爆発の原因ですが、消火中に爆発物らしきものの小さな破片を見つけたということで、何者かによるテロと思われております。

今後、警察・消防・NR崩壊がこの事故の調査を進める予定となっており、国土交通省や警察庁も合流する予定だそうです。


ナカダ:レイさん?


レイ:はい。


ナカダ:事故前に、車両に異常は何かあったのですか?異物の付着やら車両の整備不良やら、そういったものはなかったのですか?


レイ:一昨日に点検をしたそうでして、罅(ひび)割れや劣化は見られず“異常なし”だったそうです。事故前も何の問題なく走れていたそうで走行中も異常は感じられなかったそうです。


ナカダ:ありがとうございます。引き続き、リポート、お願いします。


レイ:はい。



ヒスケ:さぁ~て、着いた着いた♪


マリナ:これでバレないわね。


ヒスケ:皆さん、お疲れ様です。


マリナ:差し入れ持ってきました。よろしければつまんでくださいね♡



タカシ:…。



N:2人は例の場所へ。


ハルカ:!!


ヒスケ:やぁやぁ、お勤めご苦労。


ハルカ:あなたたち!!!


マリナ:そうよ。私たちなの。


“あの時の恨みを晴らしにね…。”(※恐怖をあおる感じで)


ヒスケ:“我々は忘れない。あの時のNRの対応。俺たちの両親が消えたその時を。”



N:ここからは、ヒスケとマリナの回想。当時、ヒスケは小学校中学年。電車に興味があり、父や母と鉄旅(てつたび)をするのが大好きだった。


エイジ:ヒスケ!ママと2人で出かけてくるからな。留守番、頼むよ。


モモ:何か買ってくるから、待っててね♪


ヒスケ(子供):は~い。


ヒスケ:その後、やけに2人の帰りが遅いと思ってテレビのニュースをつけたら、父も母も亡き姿となっていた。


レイ:ニュースをお伝えします。今日の午後4時56分頃、松家(まつか)駅で人身事故が発生し、2人が犠牲となってしまいました。亡くなったのは綾木(あやき)エイジさんと綾木モモさん。現場の松家駅では帰宅ラッシュでホームが混雑しており、NR崩壊の駅スタッフが2人を何らかの拍子(ひょうし)で誤って押してしまい、通過した回送電車に轢(ひ)かれてしまったとのことです。


ヒスケ(子供):…。


ヒスケ:その後、会社から話を聞いた。

“全てうそだった”


何らかの拍子、ではない。“わざと”押したのだ。

それでも大手鉄道会社か!人の命を奪っては嘘でその場しのぎ。

腐ったもんだぜ。


お嬢ちゃんには知らないかもだが、黒歴史はかなり深いぜ?ココ。


マリナ:私は、両親がNR崩壊での社内恋愛を機に結婚したの。ここにも何回か入らせてもらったわ。


ダイキ:マリナ。どうだ?ここが通信基地だぞ!

すごいよな!


マリナ(子供):うん!カッコイイ!!


ヤヨイ:普段は入れないんだけどね。私が相談してみたら、4分くらいならOKってでたわ。あまり近くまでは行けないけどごめんね。


マリナ(子供):すごいなぁ…☆

(※目を輝かせています)



マリナ:その後、ヒスケの両親が亡くなった事故が起こった。真犯人は後に捕まったけど、私の両親が濡れ衣を着させられた。冤罪だった。

HQ(エイチキュー)が責任逃れのためにスケープゴートに仕立てられた。それを苦にして両親は心中(しんじゅう)した。私が学校から帰ってきたら遺体がリビングにあった。相当苦しんでいたに違いなかった。


ヒスケ:…つうこった。



N:警備員のタカシ、突入。


タカシ:そこを動くな!


ヒスケ:おっと!!


そっちこそ動くんじゃねぇよ?動いたら、このハルカの命は無い。



N:ヒスケ、ハルカを人質に取る。手にはハンドガン。

そして、マリナは両手にサブマシンガンを装備し銃口をタカシに向ける。


マリナ:警察を突入させても無駄よ?すぐに彼女の命が消えるだけよ。


タカシ:君たちがこの会社に因縁を持っていることはよくわかった。私が謝る。


“本当に、申し訳なかった”


ヒスケ:“今謝ってもおせぇんだよ!このクソが!

俺たちの失われた時間を返してくれよ!!!!!!”

(※ガチギレ状態で演技を)


マリナ:…あ、…あんたたちの罪、そう軽いものじゃないのよ?

簡単に謝られても許すわけないんだから。


“今でも呪ってるんだから…”



タカシ:…あぁ、わかった。呪いたいならどうぞ呪ってくれ。反対はしない。


そして、


“もう抵抗はしない”



(※銃の射撃音)



N:タカシが拳銃を地面に置こうとした瞬間にハルカはヒスケの銃でヘッドショット。即死。また、マリナはタカシを射殺。



テツジ:さて、間もなく駅に到着っと。


(※ピッピッピ、ピピピピピピピ…、とアラーム音。)


N:突然聞こえては早くなるアラーム音。


テツジ:…まさか。



(※爆発音)


N:平鉄で、突然の車両爆発。駅もあっという間に火の海に。


マリナ:“あなた”


平鉄の車両に設置していた爆弾が爆発したわよ。駅ごとボロボロになったようね。


ヒスケ:“悲しみは悲しみを呼ぶ”

負のスパイラルってわけさ。終わりなんてない。



ユカリ:“あなたたち、そこを動かないで。”


N:振り向く2人。


“射殺される2人”


ユカリ:タカシさん…、ハルカさん…。


“私は、私は…。”



N:その場で倒れこむユカリ。犯人を射殺してしまったことによる罪悪感とこれでよかったのかという結果に対する懐疑(かいぎ)で頭がいっぱいいっぱいだった。


ユカリ:私、わたし。ワタシ…



N:翌日は、この一件でワイドショーやニュースが大盛り上がり。


ナカダ:ニュースをお伝えします。昨夜、ついに鉄道車両の爆弾魔が判明しました。

犯人は会社員の“綾木陽介(あやきひすけ)”28歳と同じく会社員の“戸田真里菜(とだまりな)30歳”。2人は駆け付けた警察官によって射殺されました。また、その際、人質となっていたNR崩壊の社員である“金井晴夏(かないはるか)”さん27歳が綾木容疑者によって射殺されてしまったとのことです。

事件を起こしたきっかけに関しては、防犯カメラの映像解析によると“NR崩壊に対する恨みを晴らすため”だそうです。また、同日に発生した平鉄の爆発事故の犯人も同じとのことです。

警察官は、さらに防犯カメラの映像等を調査して詳しい状況を明らかにしていく方針です。



チアキ:…。


テツジさん…。


ヤマト:チアキさん…。


(俺も、あの時に違和感に気付いて車両の操作を止めるよう指示していたら…。)


チアキ:ヤマトさん…。


わたし、どうすればいいのでしょうか?


ヤマト:テツジさんを弔うことが一番だ。

それと、この事故の犠牲者になってしまった方々も弔うことだ。


当分はこの路線は折り返し運転をしたり運休したりでかなりの影響を受けるのは間違いない。その間にチアキさんは落ち着くといい。こっちで上司には報告してある。

あちらからも、“落ち着くためにも休むと良い”って言われたから従うといい。


なぁに、何かあればこちらからも支援はするさ。


チアキ:…あ、ありがとうございます。



N:子供の頃のトラウマは、そう易々と消えるものではない。大人になっても引きずるものだ。悲しみや苦しみはまた別の悲しみや苦しみを生む。このスパイラルを止めるためには我々に何が必要なのか?


永遠の人間への課題なのかもしれない。



~完~


キーワード:シリアス・9人・男5・女4


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