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『より強く輝いて』作者:痔・エンド

【登場人物】

勇輝(ゆうき)

高校生、真面目でおとなしいが不器用

たけるとは昔からの友達


大翔(たける)

高校生、やんちゃで元気、前向きなフッ軽少年

ゆうきとは昔からの友達


優美(ゆみ)

勇輝の母、毎日仕事で追われている


義樹(よしき)※名前のみの登場セリフなし

勇輝の父、消防隊員として活躍


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【ストーリー】

勇輝回想シーン


……


……



……ろ


……



……や


……めろ



やめろぉ!!



ハッ!?



夢か……


まただこの夢を見るのは……



ハァ...




.......


大翔

「おはよう勇輝〜どうしたよ浮かない顔して〜!今日は待ちに待った文化祭だぞ〜ほら元気だして」


勇輝

「いやぁ何でもないよ」


大翔

「そんなこと言って勇輝!またあの事だろ〜顔に書いてるぜ〜」


勇輝

「やめろやめろ!人の心情を読み解こうとするなっ」


大翔

「ははぁ〜図星なんだぁ勇輝〜」


勇輝

「あぁもう!うるさいな大翔は!そんなことしてるとカナちゃんに嫌われちゃうよ?」


大翔

「やめろぉ!カナちゃんと今いい感じなんだから!…」


勇輝

「カナちゃん言ってたよ?探ってくる男はキモイから嫌いって」


大翔

「マジで!?俺気をつけるわ!」


勇輝

「お、おう気をつけろ(テキトーなことも言っとくもんだな.......)」


大翔

「そいやゆみさんは文化祭見に来るの?」


勇輝

「いやぁどうだろうね〜母さん仕事休みらしいけど昨日も夜遅くまで働いてたしさ〜このまま寝過ごすかも」


大翔

「そっかぁ〜大変だな勇輝の家もさ母さんずっと働きっぱなしだね」


勇輝

「そうだよだから俺も早く働いて楽させてやんねぇとな」


大翔

「とはいえお前何して働きたいとか決まってるわけ?」


勇輝

「なーーーんっもまだ決まってないよ」


大翔

「そっかぁ〜前は消防士とか言ってたのにね」


勇輝

「それは昔の話!それよりお前はどうすんだよ高校でたらさ」


大翔

「俺はね〜普通の大学行って普通に働くかな〜?ボヤっとしか考えてない」


勇輝

「普通の大学と普通の仕事ってなんだよ具体的な内容スカスカじゃんwww」


大翔

「うっうるせぇ!決まってねぇやつに言われたくねぇよ!」


勇輝

「まぁお互いゆっくり進路決めようぜ〜」



.......



勇輝

「いやあ今年も文化祭人多いなぁ……」


大翔

「うぃ〜勇輝!やってるぅ?」


勇輝

「うるさいの来たよ.......なに?お前休憩中なんだろ休んどけよ」


大翔

「大丈夫大丈夫!俺は強いから」


勇輝

「そう言って昨年働きすぎて熱出したんだから」


大翔

「今年の俺はパワフルに進化した!昨年の俺とは違うんですぅ!」


勇輝

「ハイハイ.......ってあれ?母さん!?」


優美

「勇輝〜!遅くなっちゃった〜」


大翔

「あ!ゆみさんこんにちは!」


優美

「大翔くんこんにちは!勇輝がいつも世話なっててありがとうね」


勇輝

「母さん大丈夫なの寝てなくて?」


優美

「ほら私仕事でいつも忙しいから勇輝の相手何もしてあげられないから.......」


勇輝

「相手って……俺もうそんな歳じゃないよ!ちゃんと休んでっていつも言ってるじゃん!ったく!あ、休憩時間だから俺一回抜けるね」


大翔

「勇輝!いいの?母さん来てるのにもうちょい話さなくて?」


優美

「いいのいいの!私が勝手に来ただけだから!……私も色々回ってみるわ!」


大翔

「それなら俺が案内しますよ!ゆみさん!」


優美

「本当?助かる〜流石大翔くん」


大翔

「勇輝〜!美人母さん借りるぞぉぉおおお!」


勇輝

「誤解招くことを言うなぁ!まぁ二人で楽しんできて!」


……


ったくもぉ調子狂うなぁ


勇輝

「相手かぁ〜もうそんな歳でもねえしどう接していいもんかねぇ〜」



.......


大翔

「ゆみさん勇輝となんかありました?」


優美

「やっぱわかる?」


大翔

「わかるも何も……あいつわかりやすいですから!喧嘩でもしたんすか?」


優美

「逆よ一緒にいる時間は私たち短いから変な距離があるの」


大翔

「そうっすよね普段からずっと働いてると合わないですもんね」


優美

「ううんそうじゃなくて」


大翔

「へ?」


優美

「ほらあの人が居なくなってから私たちの繋ぎ目が無くなって……どう接していいのか」


大翔

「あぁ.....義樹さんですか?」


優美

「うん……」


大翔

「あれから今日でちょうど1年すもんね」


優美

「早いなぁあの人の分まで勇輝と向き合えるかしら」


勇輝

「大丈夫ですよ!」


優美

「大翔くんみたいに私も勇輝も不器用じゃなければいいんだけどね」


大翔

「まぁたしかに.....無理もないかぁ」



.......



勇輝

「父さん...俺正直まだ母さんとの向き合い方は分かんないや俺も素直に頼れる性格だといいんだけどさ」


.......


勇輝

「よーし午後も頑張るか〜!」


大翔

「戻ったか勇輝!」


勇輝

「おう!あれ母さんは?」


大翔

「なーんか仕事で呼び出されたみたいでさ勇輝によろしくって」


勇輝

「だーから言わんこっちゃない……家で寝てたら休めたろうに」


大翔

「そんな事言うなよお前の頑張り見に来たんだから」


勇輝

「俺は頼んでもない」


大翔

「はぁ……おまえはこれだから」


勇輝

「お前にはわかんねぇよ」


大翔

「なんだよそれ」


勇輝

「普通の家庭の奴にはわかんねぇよ」


大翔

「……」


勇輝

「なんだよその目」


大翔

「いや。確かに普通だようちは。でも逆に普通はあそこまでお前にこだわる理由なんてゆみさんには無いわけで.......好かれてんじゃんお前」


勇輝

「だから困ってんだよ所詮俺たちは赤の他人だ、普通じゃないんだ」


大翔

「意地はるなよ母は母だろ」


勇輝

「そうだけどさまだ距離感わかんねぇよ」


大翔

「なぁ」


勇輝

「なんだよ」


大翔

「お前は強いよな」


勇輝

「なんだよ急に」


大翔

「1年だぞまだ1年だ、なんでそんなにお前は強いんだ」


勇輝

「いや、案外そうでもねぇよ悪夢にうなされるのはずっとだ」


大翔

「今日は帰り寄ってくの?」


勇輝

「あぁ。父さん俺の作る焼きそば好きだったしこのまま作ったの持ってこうかなって」


大翔

「そしたら青のり沢山入れないとなwwww」


勇輝

「よく覚えてんなお前wwww」


大翔

「小4の時花火見たろあの時義樹さん青のりかけすぎて真緑の焼きそばなってたじゃんw」


勇輝

「あったなーそんなことも今日は青のり増し増しで持ってくよ」



.......



大翔

「文化祭疲れたな〜勇輝最後のラッシュヤバかったね」


勇輝

「いやほんと....途中腕もげるかと思った」


大翔

「もうすぐ着くな」


勇輝

「あぁ」


大翔

「あれ!?アソコにて」


勇輝

「ん?なんだ?」


大翔

「わりぃ俺お前のチャリカゴにケータイ置いてきちゃった!勇輝頼む!取ってきてくれ俺トイレ行きたくて!」


勇輝

「なんだよもぉしゃーねえなぁ....」


大翔

「居なくなったか......」


優美

「あれ?大翔くん?」


大翔

「やっぱり!優美さんすよね!遠くから見てまさかと思って……いま勇輝を俺の荷物取らせに向かわせたんすよ」


優美

「あれ?そうだったの?」


大翔

「いやここの参りの時の勇輝を優美さんに見せてやりたいなとか思って.......なにか2人の距離縮める材料にでもなればなって」


優美

「遠くから私の姿見えただけでよくそれ思いついたね.......」


大翔

「ヤバ!アイツ戻ってきました!」


優美

「ええっとこの陰に隠れましょ!」



勇輝

「おーーい大翔〜?あれ?居ねぇや.......まぁいいかお参り見られんのも恥ずいしな……ふぅ」



勇輝

「父さん来たよ……久しぶり!ごめんね最近あんま顔出せなくてさ.......

ちょっとテスト期間重なっちゃってそっちは休めてる?アンタ消防隊員で忙しく働いてたんだからソッチではちゃんと休むんだぜ?」



優美

「ダメもう泣きそう……」


大翔

「俺もっす.......でもダメっすよバレるから」



勇輝

「父さんはさ昔から言ってくれてたじゃん?強さは自分がのし上がって人を蹴落す為のものじゃないってさ。強さは人を守るためのものだってだから父さん人を守る仕事してたんだろ?


アンタバカだよ俺を置いてさ.......火事から人を救ったかもしれないけど実の息子じゃなく赤の他人の子ども助けて死ぬんじゃねぇよ……!なんでだよ!……俺は俺はホントに一人ぼっちになっちまったんだぞ……!グッ……クッ.......グスッ.......うぅ...人を守り続けて助けてその為にもっと強くなる決断して!それで命落としてカッコ悪ぃよバカだよ!俺たちと幸せに暮らしても良かったじゃねぇかよ!俺もっと見てもらいたいし褒められてぇ……よ何より父さんに憧れてたから近づきたかった…ハァ....最高にバカだしカッコ悪ぃ……


……でもそんなバカカッコ悪ぃ父さんだから憧れてんだ。ごめんよ愚痴ってさ俺まだまだ弱いからまだこの現実は受け止めきれてないよ。俺さ.......強くなれるかな?」




優美

「.......そうよね実の父親.......いや、あの子からしたら唯一の血の繋がった家族だからね」


大翔

「ゆみさんも立派な母ですよ?」


優美

「ううん。私は何もしてあげれてないあの子の本当のお母さんはあの子が生まれて直ぐに病気で亡くなって.......義樹さんが居たおかげで寂しくなかった子だから私は関係ないよ」


大翔

「祖父母もアイツ居ないすからね....まぁ俺らの親のさらに親世代は戦争とかの時代すからしょうがないですけど」

やっぱアイツかなり我慢してるんすよね」


優美

「やっぱそうよね.......あの子に何してあげられるかしら.......」



勇輝

「父さんが再婚するって聞いて俺めちゃくちゃびっくりしたよでも嬉しかったんだ家族が増えるんだからさ。まぁ俺も母さんもさコミュニケーションも下手だし今でもまだ変な距離感がある父さんが居なくなってから尚更だよ。


でもさ母さんは毎日俺のために遅くまで働いてさ頑張ってくれてて


だからさ俺もっと強くなって母さんの事支えたいんだ血が繋がってるとか繋がってないとか関係ない!俺の唯一の家族だから.......」


優美

「!!?ッ!?」


大翔

「勇輝ッ.......!」


勇輝

「俺さ人には言えないことがあって実は父さんみたいな人を守れる消防隊員になりたいんだ!まぁ.......小さい頃は大翔にだけよく言ってたけど最近は恥ずかしいから言えなくてっ……でも、この気持ちは昔からずっと変わってないんだ今日は父さんと別れてから1年がたったしこれを伝えようと思って来たんだ。


あ、父さん好きな焼きそば置いとくねちゃんと青のり増し増しにしといた!じゃあ俺そろそろ行くよ父さん見ててよ俺アンタより強くなるからさ!」





.......


大翔

「お待たせ〜勇輝〜」


勇輝

「おっそ……何してたんだよ」


大翔

「いやぁアナコンダみてぇなクソしててwwww」


勇輝

「汚ぇなぁ大翔はwwwwってか目腫れてね?どうした」


大翔

「いやちょっと転んじゃって」


勇輝

「ドジだなぁ〜wwwwお参り終わらせちゃったし帰ろうぜ」


大翔

「お、おう!」


.......





優美

「はぁ.......義樹さん!私あの子の為にももっと頑張るね!.....」





.......



勇輝

「ただいま〜ってあれまだ母さん帰ってないかあ、そうだ母さんも焼きそば好きだったよな作って待ってるか!」


.......



優美

「ただいま〜!勇輝ッ!」


勇輝

「おかえり〜テンション高いねどうしたの」


優美

「ハイ勇輝にお土産!焼きそば買ってきちゃった!今日はこれ食べよ!義樹さんも焼きそば好きだったし」


勇輝

「ゲッ!母さん焼きそば好きだと思って俺作っちゃったよ!」


優美

「ええっ!?そんな!」


勇輝

「どうすんのこんなに食べれないよォォオ!」


優美

「が、がんばろ勇輝?」


勇輝

「こりゃあ明日の昼までもつなwww」


優美

「そ、そうね!」


勇輝

「あ、そうそう〜ええっと!そのっ!母さん!いつもありがとうねお仕事お疲れ様」


優美

「.......グスッ.......ッッッッツ!勇輝ぃぃぃぃぃぃぃ!ウワァァァアン😭」


勇輝

「な、なんだよ!急に!もお!」



.............


大翔

「おおっ?珍しく勇輝のSNS更新されてるじゃん!なになに〜?今夜は焼きそば祭り……?……ほぉ.......さてはゆみさんは買ってきて、勇輝は作って待ってたな〜?wwww連絡すればいいのにwwwwヤレヤレ相変わらず不器用なんだから2人ともwwww


義樹さん!あの2人の絆はどんどん輝きそうっすね!……


.......あ。



文化祭の打ち上げすっかり忘れてた.......ごめぇぇぇぇんカナちゃぁあああん!」



ーENDー


【キーワード】感動・家族・3人・男2・女1・痔・エンド

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