【登場人物】
ジュリア・・・女
リリア・・・女
【ストーリー】
[ジュリアの声]
[これは、私がこの期間に入社した頃の話です。少し死人の話を聞いてくださいな。あれはそうね……あれは_____。]
リリア『ジュリア……どうしたの?顔色が悪いわね。』
ジュリア『いえ、ハーネスト大佐。私は大丈夫です……。』
リリア『大丈夫じゃないわ。すぐ医務室行きなさい!上司命令よ?』
ジュリア『わかりました。』
[ジュリアの声]
[この人が、私の先輩である…リリアン・ハーネスト大佐。由緒あるハーネスト家の末裔(まつえ)にあたるらしいんだけど、そんな感じには見えないとても優しい方だ。]
リリア『……どう?体調は良くなった?』
ジュリア『はい。ありがとうございます、お陰様で体調は改善されました。』
リリア『そう、よかったわ。』
ジュリア『…ハーネスト大佐、また男共が……。』
リリア『いいのよ。好きに呼ばせときなさい…。』
[ジュリアの声]
[彼女の周りには、男共が居るのは日常茶飯事であった。トラブルというのは無かったものの、はっきりいって…彼女はモテていた。]
リリア『…はぁ、なんで男が付きまとうのかしら……。これも【祖母】の影響かしらね。』
ジュリア『あの、ハーネスト大佐のお祖母様は…まさか……。』
リリア『…【火の魔女・アルディア】よ。あの人、私より若く見えるから…私より年下に見えるわ…(苦笑)』
ジュリア『あはは……(苦笑)』
リリア『まぁ、私は火の魔女の血筋なんて…少ししかないけどねぇ。見ての通り、私は【ツノが生えてる】んだから。』
[ジュリアの声]
[そういうと彼女は、自分の枝角のツノを触る……。昔、幼い頃に聞いた【ツノ族】の話。あの種族の血筋も彼女にはあるのだ。]
リリア『…ところでジュリア。新しい部隊は気に入ってもらったかしら?大半は男ばかりだけど、あなたはそいつらに遅れをとらないほど…貴女は強い魔力があるわ。』
ジュリア『でも私は…自分の魔力に自信がありません。』
リリア『私も最初はそうだったわ。でも、私には……守りたいものがあるから……あの子の為なら……私は……。』
[ジュリアの声]
[そういった彼女の表情は、いつもとは違う……【母】としての顔をしていた。そんな日々は、長くは続かなかった。ある日、私達は特殊任務を遂行していた。その時……事件が起こってしまった。]
リリア『……ジュリア危ない!!』
ジュリア『……大佐っ…!!』
[ジュリアの声]
[特殊任務の最中(さなか)、裏切り者が現れたのだ。彼女は私を庇い…相手に銃を向け……撃った。1発…2発と…。当然…彼女のこの行為は、罪に値(あたい)した。]
ジュリア『彼女は悪くありません!悪いのは相手です!!』
リリア『いいのよ、ジュリア。……恨まれていたのは、私だから…。』
ジュリア『でもっ…!!』
リリア『…わかっていたから、こうなる事は……。』
ジュリア『まだ抗議すれば、間に合います!だから…辞めるなんて言わないでください…!!』
リリア『ジュリア、貴女は私が居なくても…やっていけるわ。』
ジュリア『……大佐っ……リリア…!!』
リリア『……さようなら。愛しい後輩。』
[ジュリアの声]
[リリアの行動が、名誉ある行動だと公認されたのは……彼女が病死してからのことだった。部隊は彼女の名前から【Liam】と名ずけられ…戦場の一軍を任されることになった。]
ジュリア『私は、副隊長。ジュリア・バルツ大佐である。【Liam】に入隊したからには気を引き締めるように。わかったな!』
[ジュリアの声]
[彼女の死後、私は彼女と同じ立場になった。
私は彼女の枝角の1部をペンダントにして持ち歩いた。
そして…あの事件の後……私は死んだ。【彼女の形見】である【グリア】を置いて……。これで良かったのかは、正直分からない。
でも、グリア…あの子の背を押せたなら…よかったって思ってる。]
Fin
キーワード;シリアス・感動・2人・女2・Natal
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