【登場人物】
・茉莉(まり) ♀
高校2年生でいじめられて不登校、学校で自殺をするために半年ぶりに登校
・悪魔 男性でも女性でも可
丁寧だが怪しげで終始人を小馬鹿にしたような喋り方
茉莉が自殺しようとしているところを止めてある提案をする。
()内はト書のようなもの
【ストーリー】
茉莉N|この世界はクソばかりだ...私をいじめてたクソも、それをただ見ていただけのクソも、私の話なんて少しも聞いてくれないクソ達も...
まるで鉛の中生活してるみたいで息が詰まる、
だから、私は呼吸をするために1歩踏み出して、この世界から飛び出すの
茉莉|はは...これであいつらみーんな罪悪感に悩まされて生きていけばいい。
??|自殺...ですか。
茉莉|あなた、誰?なんでここにいるの?(気だるげな感じで)
??|おや、驚かないのですね...普通学校の敷地内に部外者がいて音もなく背後から喋りかけられたら悲鳴のひとつやふたつあっていいものですがね
茉莉|ふーん、おあいにくさまね、私にはもうリアクションをとる気力もないの。
...それで、あなたは誰?何をしに来たの?
悪魔|誰...と聞かれましても、名前という物を持ち合わせていないので。
そうですね...あなた達人間の言うところの...悪魔ですかね。
茉莉N|悪魔?この人ふざけてるのかしら?それとも本気?...
茉莉|じゃあ、悪魔さん、あなたは何しにここへ?私の復讐の邪魔をしに来たの?
悪魔|復讐ですか...自殺することが復讐ですか。
茉莉|私をいじめたこと、後悔させてあいつらを罪悪感でいっぱいにしてあげるの...
いい復讐でしょ?
だから邪魔しないで
悪魔|邪魔する気なんてないですよ、ただ1つ言わせていただきますと...あなたが自殺をしたところであなたをいじめてた方達は罪悪感を感じるでしょうか?すぐにあなたの事なんて忘れて今まで通りに笑って、のうのうと生きていくでしょうね。あなたの自殺は無意味なものになります。はっきり言いましょう、犬死にですね
茉莉|あなたに何がわかるの!悪魔?ふざけてるの!?私をバカにして楽しい!?あなたもあいつらと一緒!邪魔しないで...もうこんな息の詰まる所は嫌なの、死にたいの!
悪魔|先程も言いましたが、私は邪魔する気なんてないのです。ただあなたは死にたいと言う、なら死ぬ前に復讐してみませんか?
茉莉|復讐...できるものならやりたいわよ。
ただ、復讐できるほどの力も!度胸も!私には無い...
だから...!お願い、ほっといて...死なせて......
悪魔|力、欲しいですか?私ならあなたに力を与えることが出来ます。
茉莉|そんな話を信じるとでも?
...まあ、でもそうね、そんな力があるのなら欲しいわね。
悪魔|では、特別にあなたに力を与えましょう
......はい、これであなたに力が宿りました。
茉莉|あなた(怒りが込み上げる)...やっぱり私をバカにして遊んでるんでしょ!?これであなたには力が宿りました?ふざけるのも大概にして!もういい!私はここから飛び降りる!あなたはそこで見てなさい!自殺することが私の復讐なの!
悪魔|......飛び降りないんですか?
茉莉|...っ!
悪魔|そこで足踏みするくらいなら、どんな力か試してみませんか?あなたは心のどこかで力が宿ったかもしれないと期待しているんじゃないんですか?
茉莉|はぁ...あなたと話してるとイライラするわね、そんなに言うなら試すわよ!試せばいいんでしょ!
悪魔|そう来なくては...これは説明するよりやってみた方が早いですね
それじゃあ、グラウンドで走っているあの男子生徒、見えますか?
茉莉|ええ、それがなに?
悪魔|あの男子生徒に転べと命令してみてください。口に出してもいいし、心の中で念じてみても大丈夫なので
茉莉N|私はどうせ嘘だろうと思いながらも言われた通り心の中で転べと命令してみた
茉莉|ほら、なにも起こらないじゃない...バカバカしい
悪魔|心の底から本気で命令しました?
茉莉|それは...
悪魔|今度は心の底から本気で命令してみてください。ワンモアタイムです
茉莉|あなた...ほんとにイライラするわね
悪魔|よく言われます
茉莉N|悪魔に言われるがまま今度は本気で命令してみた...転べ!
茉莉|!?...本当に転んだ
悪魔|分かりましたか?あなたの力...
もうお分かりかと思いますがあなたの力は他人に強制的に命令することができる力です。
ただこの力にはルールが4つあります
ルール1対象を視界に捉えてないと発動しません
ルール2先程も言った通り心の底から命令しないと力は発動しません
ルール3この力は長くても20秒しか効きません
ルール4死者を蘇らせることは出来ません
そしてこの力には代償が
茉莉|もういい、ルールだけ聞けば十分。あいつらに復讐ができるならどんな代償だって受けるわよ
悪魔|ほんとに聞かなくても大丈夫ですか?...代償
茉莉|いいって言ってるでしょ
悪魔|でも聞いておいた方がいいと思いますが
茉莉|私がもういいって言ってるの!黙れ!
茉莉N|そう悪魔に命令した私は屋上を後にした
悪魔|これはこれは...面白いことになりそうですね。期待していますよ、茉莉さん
茉莉|この力さえあれば...あいつらに復讐ができる
茉莉N|教室の前に立った私は大きく深呼吸をして扉を開けた。それまで騒がしかった教室が一瞬時間が止まったみたいに静まり返った、そして何事も無かった、誰もいなかったかのようにまた騒がしくなる。この空気だ...私1人だけが見えてないような、ダメだ、息が詰まる。
その時、空気を更に重くするようにあの女が目の前に立った
茉莉|......
茉莉N|黙ったままの私にあの女がいつものように「あんたがいると教室の空気が悪くなるの」(あくまでナレーション)吐き捨てるように言ったあの女に、私は心の底から命令した。口に出して
茉莉|あんたなんか死んじゃえ!
茉莉N|その瞬間あの女は糸が切れたようにその場に崩れ落ちて、2度と立ち上がることは無かった。
茉莉|はは...あははは!人ってこんな簡単に死んじゃうんだ!(2秒くらい空けて)あの女と一緒になって私をいじめてたお前らも!見て見ぬふりするだけだったお前らも!みんな死ね!
茉莉N|クラスの奴らが次々死んでいくのを見て...私は興奮した
茉莉|弱いやつを踏みにじるのって...こんなに楽しいんだ!あははは!こんな力あるなら死ぬなんて馬鹿らしい!この力をもっともっと使って私は...うっ!?カハッ!(セリフの途中で吐血)
なにこれ?...血?なんで私が血を吐いてるの?
悪魔|おや、意外と早い結末でしたね。
茉莉|はぁ...はぁ...あなた、これはっ...どういうことなの?(苦しみながら)
悪魔|ですから代償があると言ったのに...人を呪わば穴二つと言うじゃないですか、代償はあなたの命です
茉莉|私っ、死に...たくっ...ない!お願い!...助けて!(惨めったらしく)
悪魔|あなた、あんなに死にたがってたじゃないですか。それに、私は代償の事を話そうとしました。あなたが聞く耳を持たなかったんですよ?再三聞いたと言うのに。はぁ...今回はもう少し楽しめると思っていたのに、残念です。って、もう聞こえてませんか...
ははは、あなたの願い叶いましたね
終
キーワード:2人・男1・女1・SHOWtaRAW
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