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『灰被りになった女』作者:Natal

『貴女だけのシンデレラになりたい。』 夜だけ…毎日私の元に来てくれる彼に、そんなことを言った。 私の父と母は、名高い公爵の一族……私はその令嬢。 母は、花よ蝶よのように…大切に育てられてきた……。 私は、もう子供じゃないのに……。 ある日、私は家を出た。父と母が寝ている間に… その時に出会ってしまったの。運命の人に……。 彼は、さほど裕福では無い庶民の男。 彼も私に一目惚れをした。 それからというもの、父と母が寝静まった夜に……毎日彼に会いに行った。 とても幸せだった。彼になら…ありのままの私をさらけ出せる。 このまま、幸せが続くと思っていた。 父と母に見つかるまでは。 私と彼は引き裂かれ、私は家から1歩も出させて貰えなかった。 けど、辛くはなかったわ。 だって彼が、寝静まった夜に来てくれてくれるんですもの。 短い時間でも、彼と愛を育んだ。 そんな時の事、彼は私に指輪を渡した。 とても高価では無い。普通の指輪……。 この指輪を受け取った時、きっと私は……首輪を付けられるのよ。 『彼』という首輪を……。 私の全てをさらけ出せるのなら、私はそれでも構わないわ……。 私の『 』を貴方に捧げるわ。 そして私は、彼の手を取った。

Fin


キーワード:シリアス・恋愛・ファンタジー・1人・女1


【Natalの台本集】→https://writening.net/page?K7rDDA



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