【登場人物】
・ディーノ 勇者の加護を授けられた青年 幼なじみのアレスと魔王を倒す旅をしている 少しアホで子供っぽい所がある (アレスが魔王だということはしらない)
・アレス 魔王の加護を授けられた青年 正体を隠すためにディーノと一緒に旅をしている 冷静だが口は悪い
・ミア 魔術師の加護を授けられた少女(ディーノ達と同い年くらい) 魔王軍に両親を殺され、自分と同じ境遇の子供がこれ以上出ないように魔王を倒すためにディーノ達と共に旅をしている、実はアレスに好意を持っている
【STORY】
ディーノN|この世界では5歳になると神様から加護を授けられる... 僕は勇者の加護を授けられた勇者で、魔王を倒すために幼なじみの親友、アレスと旅をしている。 アレスの加護は戦士らしい...でも戦士にしては魔術の使い方が上手いんだよな、でもアレスは器用だからそれくらいは当然か
アレスN|この世界では5歳になると神から加護を授けられる...5歳のあの日、なんの皮肉か分からないが、俺は魔王の加護を授けられた。神は残酷なことをする。なんで幼なじみで友達のディーノが勇者で俺が魔王なんだ... 加護を授かると性格が変わることがあるその加護に合った性格へと捻じ曲げられ歪められる 魔王の加護を受けた俺は勇者であるディーノの事が嫌いになったんだ、俺は加護に抗った、ディーノの事を嫌いになりたくないから... そして加護を授かってから10年後のあの日...
ディーノ|アレス!僕...魔王を倒す旅に出る事にした!...それで......アレスも一緒に旅に出ない? ほら!アレスは戦士で強いし!それに...1人だと心細くてw だからアレスに着いてきて欲しい...
アレス|(こいつは何を言ってるんだ?俺を倒す旅になんで俺がついて行かなきゃ行けねぇんだよ...いや待てよ、こいつは俺の正体に気付いてない?それなら一緒にいた方がなにかと都合がいい...そして最後の最後に裏切る、なんて完璧なシナリオだ...そうすれば)
ディーノ|アレス?無理にとは言わないよ?これは僕のわがままだから
アレス|...行くよ、友達が無茶しないか心配だし...それにディーノには俺がいないとなw
ディーノ|アレス!...ありがとう!...それでいつ出発する?明日の朝でいい?
アレス|準備とか色々とあるから3日後の朝にしよう
ディーノ|そうだね!旅に出るって挨拶も必要だもんね!そうしよう!
アレス|じゃあ3日後に
ディーノN|そして僕達は魔王討伐のために旅立った...旅の序盤では僕とアレスの2人だけでも魔王軍相手に難なく立ち回れてたけど、旅が進んでいくにつれ徐々に戦いがきびしくなっていった。 そんな時だった、魔王軍に支配された村を救った時に新たに仲間に加わったのが魔術師のミアだ ミアは両親を魔王軍に殺されて、もうこれ以上戦いで傷つき悲しむ人が出ないようにと魔王討伐に名乗り出た勇気のある女の子だ
アレス|ミアは魔術師だったよな?回復術は使えるか?
ミア|は、はい!使えます!
アレス|それは助かる、俺とディーノだけだとどうしても回復は回復薬に頼るしかないし、持ち運べる数にも限界があったからな...頼りにしてる
ミア|お役に立てるよう頑張ります!
アレス|でも無理はするなよ... ※場面転換のため数秒開ける
ディーノ|(ミアが仲間に加わってから半年くらいは経ったかな。ミアはきっと、アレスに好意を持ってるんだろうなぁ、そりゃ自分のピンチに颯爽と現れて助けてくれたら惚れるのは仕方ない...けどさ!アレスがたまにミアの事見てるのはどういう事!?しかもアレスは朴念仁だから気付いてないだろうけど、たまにいい雰囲気なこともあるし!何故かミアには優しいし!...確かに僕もミアには回復術や遠距離魔術でのサポート、戦闘以外でも食事だったりで日々感謝はしてる、でも...でも何か面白くない!)
アレス|どうした、そんなコロコロと表情変えて...アホみたいだぞ
ディーノ|アホみたいって酷くない!?
アレス|ホントの事を言っただけだ、それにアホなのは事実だろ
ディーノ|まーたアホって言った!アレスのおたんこなす!
アレス|はぁ...
ミア|ふふふw
ディーノ|なんだよ?
ミア|お2人って本当に仲良いですね、兄弟みたいw
アレス|生まれた時からずっと一緒だったからな、兄弟って言われても特に違和感はないな... な、弟のディーノ君?
ディーノ|誰が弟だって?...じゃあ今度から呼び方かえるね、お、に、い、ちゃ、ん!
アレス|鳥肌立ったわ、すまん、謝るからその呼び方やめてくれ
ミア|お2人がふざけてる間に、いよいよ見えてきましたよ
ディーノ|......あれが魔王城
アレス|今更怖気付いたか?
ディーノ|はははw武者震いだよ...
アレス|じゃあ、2人とも...行くか
ディーノN|魔王城の中での壮絶な戦いを繰り広げて、ようやく魔王のいる部屋までたどり着いたん
ディーノ|長かった旅もこれで終わりか...
ディーノN|そう呟きながら開いた扉の中に魔王が...
ディーノ|......いない?
ミア|きゃあ!......なぜ...あなたが......
ディーノ|ア...レス?なに、してるの?え?...なんでミアを?...アレス?
アレス|なんでミアを、か...そんなの敵のサポート役から殺すのは当然だろ?
ディーノ|敵の?え?...はは、なにこれ?わかんないよ
アレス|はぁ、これだからアホで愚鈍なやつは困る......俺が魔王だ
ディーノ|アレスが、魔王?...だって自分は戦士だって言ってたじゃん!信じられないよ!
アレス|ずっとお前を騙してたんだよ......そう!その目だ!その顔が見たかった!その絶望に満ちた顔が!
ディーノ|嘘だ...嘘だ嘘だ嘘だ!アレスはそんな事言わない!お前は偽物だ!
アレス|俺はな...加護を受けたあの日からずっとお前が嫌いで憎くて、殺したくて仕方なかった お前も知ってるだろ、加護は性格を変える... 加護に元の性格が合わなければ捻じ曲げられ歪められる、それでも最初は友達のお前を憎みたくなくて加護に抗ったんだぜ でも加護のせいでディーノの事をどんどんどんどん憎むようになっていく、それでもディーノの事を好きでいようとした...あの時は苦しかったな それなのにお前は、俺の苦しみなんて知らずに接してくる......なんで俺はこんなに苦しんでるのにお前はいつも通りお気楽能天気なんだ、それが積み重なるうちに本当にお前の事を憎んでたんだ... これで話は終わりだ...
ディーノ|そんなに悩んでたなら...!なんで言ってくれなかったんだよ!2人で考えてたら何か変わってたかもしれないじゃんかよ!
アレス|......はぁ、めんどくせぇ、死ね
ディーノ|グッ...!
アレス|なんで避けない、ほら、やり返して見ろよ!
ディーノ|アレスと...戦いたくない!
アレス|まだそんな甘い事を...俺はミアが自分に好意を寄せてるって分かった上で殺したんだぞ、お前ミアの事好きだったろ?俺が憎くねぇのかよ!
ディーノ|...っ!......それでも!それでもアレスを傷つけたくない!
アレス|つまんねぇなぁ...いいこと教えてやるよディーノ、俺達の故郷な
ディーノ|まさか...!
アレス|旅に出た次の日に皆殺しにしたよ、もちろんお前の両親もな
ディーノ|っ!......アレス...お前ぇぇぇ!!!
アレス|そうだ...それでいい
ディーノN|そして僕は全ての力を込めアレスに斬りかかった、アレスも迎え撃つ構えをとったように見えた......
アレス|ガハッ...!
ディーノ|なん、で...
アレス|ディーノ、これでいいんだ...
ディーノ|...ッ!
アレス|そんな顔すんなよwこれが俺の望んだ結末だから...
ディーノ|アレスが考えてることが全然わかんないよ!どういう事なの!?
アレス|俺はな、この世界は間違ってるって思ってる...加護によって性格が変わる?そんなこと誰も望んでないんだよ、自由に生きていいんだよ、だけど俺にはこのシステム自体を変える事は出来なかった...だから最期にせめて、上でふんぞり返ってる奴らにせめて一泡吹かせてやりたかった、魔王の加護を持ったって俺は性格を変えられやしない、お前らに従わない奴がここにいるぞって目にもの見せてやる......俺が死んだら魔王軍が今まで殺してきた人達が全員蘇るように魔術を組み込んである......悔しそうな神の顔が目に浮かぶ
ディーノ|アレスもういい!わかったから!これ以上喋るな......
アレス|ディーノ、お前には悪いことをした...許してくれ......それと、俺と友達になってくれてありがとう...
ディーノ|アレス...僕がまだありがとうって言えてないよ......アレスありがとう、君と過ごした日々は僕にとって宝物だ、生まれ変わっても友達になろう
ミア|ディーノ...さん?私アレスさんに......ッ!アレスさんは!?アレスさんが私を斬って!......ってあれ?なんで私生きて...
ディーノ|ミア...いいんだ、もう全部終わったんだ
ディーノN|そう言って僕はミアを抱きしめた
ミア|ディーノさん?
ディーノ|少しだけ...このままで居てもいいかな?
ディーノN|泣きながら言った僕にミアは「はい」と優しく頷いた ※場面転換のため数秒空ける
ディーノN|あれからもう5年か.....アレス、僕はミアと結婚して故郷に帰ってきて仲良く暮らしてるよ、来月には子供も産まれるんだ......ははは、メソメソしてたらアレスに怒られそうだね... 僕がそっちに行くまで後70年は待っててよ? 生まれ変わったらまた友達になるんだから... そろそろ行くよ、またねアレス...僕の最高の友達
Fin.
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