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『ワスレナグサ』作者:Natal

【登場人物】

ブルース・・・人狼の男。


ルージュ・・・ブルースの兄。人狼の男。


アルディア・・・火の魔女。女。


アリーナ・・・人間の女。



【ストーリー】


ブルース『……うわあああああ……!!』


[語り部の声]

[これは、ある2人の物語であり、悲劇である_。むかしとある小屋に【火の魔女】に仕える【人狼の兄弟】がいた。]


ルージュ『…ブルース、今日の晩御飯なんだろうな?』


ブルース『…さぁな。』


[語り部の声]

[【人狼の兄弟】兄はルージュ、弟はブルース。2人は仲がいい兄弟だった。]


アルディア『…2人とも、食事が出来たよ。』


ルージュ『はーい、アルディア様!!』


ブルース『……っ。』


ルージュ『ほら行くよ、ブルース!!』


ブルース『あぁ……。』


[語り部の声]

[アルディアには、赤子がいた。この赤子とは血が繋がってはいないが、3人で仲良く育てていた。]


アルディア『…よしよし。いい子だねぇ。』


ルージュ『可愛いなぁ……。』


ブルース『…っ。』


アルディア『…ブルース、どこへ行くんだい?』


ブルース『……外に出てくる。』


[語り部の声]

[そういうとブルースは、小屋から出ていった。それが悲劇の始まりだった__。ブルースはお気に入りの丘にいた。]


ブルース『…やはりこの場所は、落ち着く…。』


[語り部の声]

[ブルースが丘で休んで居ると、物音が聞こえた。]


ブルース『……だれだ!?』


アリーナ『…あっ……ごめんなさい!!』


ブルース『……人間っ!!』


[語り部の声]

[ブルースは、久々に見る人間の姿に警戒する。そんな警戒する彼に、彼女は静かに喋る__。]


アリーナ『…ごめんなさい、驚かすつもりはなかったんです。ただ、丘で休んでいたら…貴方が居たので……。』


ブルース『俺は、人間が嫌いなんだ。消えろ。』


アリーナ『…でも、あのっ……』


ブルース『……消えろってんだろ!』



[語り部の声]

[ブルースの迫力ある声に、彼女はびくりとしながらも…離れることはなかった。人狼が珍しかったのだろうか?それとも……]


アリーナ『あのっ……怪我なされてますっ…』


ブルース『…こんなの、ほっとけば治る。』


アリーナ『ダメです!すぐ手当てをしないと……!』


ブルース『…お前、変なやつって言われないか?』


アリーナ『よく言われます…【不気味】だの【気持ち悪い】だの言われちゃうんですよ。』


[語り部の声]

[ブルースは、彼女が静かに堪えているのが見えました。…本当は怖いのだと。]


アリーナ『…はい、出来ました!これで大丈夫です。』


ブルース『…悪いな。』


アリーナ『……私、アリーナ。よろしくね?』


ブルース『じゃあな…。』


アリーナ『待って!!』


[語り部の声]

[ブルースは彼女の名を聞くと…、その場から去ってしまいました。]


アルディア『…おかえり、ブルース。』


ルージュ『…どうしたの!?その怪我!』


ブルース『…人間が手当てしてくれたんだ。』



[語り部の声]

[しかし彼女には、二度と会うことは無かった__。]


ルージュ『たまには、あの丘行こうかな?』


アルディア『今日はやめときなさい。あの丘あたりは戦時中だよ。』


ブルース『…!!?』


[語り部の声]

[ブルースは、何かを察し…あの丘へと向かって行った。丘の周りは争いが起きていた。街も燃え広がっている。]



ブルース『…人間っ…!……アリーナ!何処だっ!アリーナ!!』


アリーナ『……っ…あなたは……!』


ブルース『っ!アリーナ!!大丈夫か!?』


アリーナ『…なんで…来てくれたんですか…?』


ブルース『なんでって…お前がっ……!』


アリーナ『…嬉しいっ…来てくれただけでも……嬉し……。』


ブルース『……アリーナ?おいっ!おいっ!!』



[語り部の声]

[アリーナのその顔は、とても柔げな顔をしていたという……。ブルースは彼女を優しく抱き抱え……叫んだ。]



Fin


キーワード:ファンタジー・シリアス・4人・男2・女2・Natal


【Natalの台本集】→https://writening.net/page?K7rDDA



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