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『Liam』作者:Natal

【登場人物】

グリア・・・女


隊長・・・男


ジュリア・・・女。グリアの先輩。


ロシュ・・・男



【ストーリー】


隊長『…全体整列!構え。……撃て!!』 〘グリアの声〙 〘我々は選ばれた部隊であり、最新の魔道具を扱う。この魔道具を扱えるのは我々【Liam(リアム)】だけである。〙 隊長『…そんな事では、魔獣には勝てんぞ!』 部隊全員『はい!!』 〘グリアの声〙 〘この魔道具は、見た目は銃だが……魔力があるものしか扱えない特別な作りになっている。私の時代では、滅多に出回らない品だ。〙 グリア『……くっ。』 隊長『…グリア!もっと集中するんだ!魔力が乱れてるぞ!!』 グリア『すいません、隊長!』 〘グリアの声〙 〘……私は、この部隊で、その中でも新人で下っ端だ。〙 隊長『…攻撃止め!……今日はここまで。全員、解散!』 ジュリア『…グリア。』 グリア『…うわっ、冷たっ!…ありがとうございます、ジュリア先輩』 〘グリアの声〙 〘この人は、ジュリア。私の先輩である。私を【Liam(リアム)】に誘って頂いた方でもある。〙 ジュリア『…どう?この部隊には慣れた?』 グリア『まぁ……でもまだ、先輩ほどの実力は出てません。』 ジュリア『しょうがないわよ。女は、私とグリア…2人しか居ないんだから。』 〘グリアの声〙 〘【Liam(リアム)】は、私たち以外は……大半は男ばかりだ。だから、からかわれる事もある。〙 ロシュ『…おやぁ、これはこれは……。』 ジュリア『また来たの、ロシュ。』 ロシュ『いいだろう、別によォ……そこの【出来損ない】をからかいに来ただけだって。』 グリア『……っ。』 ジュリア『ロシュ、あんたいい加減にしなさいよ……!!』 グリア『いいのよ、ジュリア。私が悪いから……。』 ロシュ『戦績優等生のはずが、【Liam(リアム)】では出来損ないとは…… 隊長もジュリアも、鼻をおられた気分だよなぁ……。』 ジュリア『ちょっと!それ以上言ったら……!!』 グリア『ジュリア、大丈夫だから……。』 〘グリアの声〙 〘ロシュの言った通りだ。私は……出来損ないに過ぎない。そう思っていた。 …あの事件が起こるまでは。〙 グリア『隊長に呼ばれた……。今度こそクビかも…。』 グリア『……失礼します。』 隊長『…よく来た。グリア…いや、グリア・ハーネスト少尉。』 グリア『…なぜ、私の本名を知っているんですか。誰にも言ってはいないのに。』 隊長『知ってるもなにも、私が君を【Liam(リアム)】に推進させたからな。』 グリア『私を誘って頂いたのは、ジュリアです。』 隊長『ジュリアに頼んだのは私だ。君は戦績優等生だが…【本来の魔力】を出していなかったからな。そこいらの奴らよりは、強くて強力な魔力がな……。』 グリア『…隊長には、バレていましたか。』 隊長『ははは……私をなんだと思っていたんだ。直ぐに分かったさ。 君は、火の魔女と言われた【アルディア・ハーネスト】の子孫。そして 唯一部隊では珍しい【氷魔法を扱う】人物であることもな……。』 グリア『…私は、やはりクビですか。』 隊長『そうとは言ってはいない。君には、任せたい任務がある。君とジュリアにしか出来ない任務がな。』 〘グリアの声〙 〘そう言って隊長は、私にポーチを渡した。いや、よく見たら巧妙に作られた銃だった。〙 隊長『場所は、折り入ってまた連絡する。しっかりと任務を遂行するように。』 グリア『はっ!』 〘グリアの声〙 〘数日後、その日は訪れた。場所は、豪華な屋敷。ここで魔獣を見つけ 駆逐(くちく)すること。それが、私とジュリアの任務だ。〙 ジュリア『にしても、わざわざ……ドレスまで用意されてるとはね…。』 グリア『そうね。この格好…動きずらいわ…。』 ジュリア『ちょっと!何してるの!!』 グリア『動きやすいように、スリットを入れてる……。』 ジュリア『だからって、ナイフを持つのは物騒よ!?』 グリア『…分かった。』 ジュリア『…さぁ、さっさと終わらせるわよ。』 グリア『…えぇ。』 〘グリアの声〙 〘私たちは、貴婦人になりすましながら……辺りを偵察していくが、どこにも見当たらない……気配も感じない。…場所が外れたのかと思っていた。〙 ジュリア『…居ないわね。』 グリア『…えぇ。どこに潜んでるのかしら……。』 ジュリア『……っ!?グリア危ないっ!!』 グリア『え……っ……。』 〘グリアの声〙 〘ジュリアは、背後からの魔獣に気付き……私を押した…。私の身代わりになってしまったのだ。魔獣は姿を消し逃げられたが……厄介なことになってしまった。〙 グリア『ジュリア!ジュリア!!』 ジュリア『……グリ…ア、私を…殺しなさい…!!』 グリア『そんな事……出来ない!!』 ジュリア『…私はもう…このまま…だと…魔獣に姿が変わってしまう…だから、そうなる…前に……。』 グリア『助かる方法…助かる方法はっ……!!』 ジュリア『……っ。』 〘グリアの声〙 〘突然、ジュリアは私を突き放した。そして銃を私に向ける。〙 ジュリア『グリア……!!グリア・ハーネスト…!!…しっかりしなさい!貴女は少尉でしょ!』 グリア『…ジュリアっ……。』 ジュリア『…貴女が…ここで撃てば、この事件は終わるの…!!』 〘グリアの声〙 〘私は、嫌々ながらも、ジュリアに銃を向けようとするが……手が震えて上手く構えられない。〙 グリア『嫌だ……ジュリアっ…!!』 ジュリア『グリア……あなたを誇りに思うわ……。』 グリア『……ゔぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!!』 〘グリアの声〙 〘次に目を覚ました時には、私は医務室に眠っていた。ジュリアは……どうなったのかは不明なままだ。〙

Fin


キーワード:ファンタジー・シリアス・4人・男2・女2・Natal


【Natalの台本集】→https://writening.net/page?K7rDDA

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