【登場人物】
ディアーグ・・・女
アントラ・・・男
裁判官・・・男
【ストーリー】
【これより判決を言い渡す。汝…ディアーグを……】
[少女の声]
[私には名前がない。だから、みんなには【ディアーグ=赤】と言われ続けた。みんなは私を【魔女】だの【忌み子】と罵倒した。私はただ…けど、もうそんな罵倒されてきた世界とさよならするんだ…。これで……]
【…魔女裁判にかける事を言い渡す。】
[少女の声]
[観衆の声が唸りを上げている。みんな私の事なんて………。]
アントラ『……異議あり。』
少女『……え?』
【誰だね?君は……異議ありとはどういう訳か。】
アントラ『異議もなにも…こんな幼子を魔女裁判してどうするんですか?それに彼女が魔女である根拠でもおありですか?』
[少女の声]
[そういうと彼は、裁判されている祭壇から身を乗り出し…縄で縛られている私を抱き抱えた。]
少女『…あ、あのっ…。』
アントラ『…君を迎えに来たんだ。こんなところは君の【居場所】ではない。』
【貴様!何をする!今すぐその子を離すんだ!!】
[少女の声]
[観衆の声がざわめき初めている。まるで炎が燃え上がるかのように。]
アントラ『…金か?金ならあるぞ。持っていけ!!』
[少女の声]
[そういうと彼は、袋に入っていた大量の金貨をばらまいたのだ。観衆は我先にと手を伸ばしていき、奪い合っていく。その隙に、私たちは観衆の中に入り込み逃げ込んだ。]
少女『あのっ…これは……』
アントラ『…あぁ、君にその縛るものは要らないな。』
少女『そうじゃなくて……私を【買う】んですか??私は………。』
アントラ『買うんじゃない。君を迎えに来たんだ…【家族】としてな。』
少女『それはどういう………?』
アントラ『……後々分かるさ、私に着いてくればね。』
【待てっ!!追いかけろ!!】
少女『私を置いていってください!私は忌み子なんです!!この世界にいちゃいけないんです。』
アントラ『忌み子がなんだ。そんなこと…【今は】関係ないだろ。それに…君は…【私が愛おしいほど好きだった人】に似てるからな。』
[少女の声]
[彼の声は、まるで子守唄のように優しい声がした。そして…私は眠りについてしまった……。彼に抱えられたまま…。]
アントラ『…少しだけ眠っていてくれよ。ディアーグ色の少女。次に起きた時には……屋敷に居るからな。』
Fin
キーワード:ファンタジー・シリアス・3人・男2・女1・Natal
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